当初はヘルメット5000個しか送らなかったドイツも、携行型の地対空ミサイル「スティンガー」の提供を決めている。英国はスウェーデンと共同開発した短距離対戦車ミサイルシステム「NLAW」を供与したとも報じられ、各国は携行型の高性能兵器を送ることで支援を急ぐ。

 あとは一般市民が手製の火炎瓶で抵抗する。

 プーチンの便所紙よろしく、早くもSNSにはジャベリンや火炎瓶を抱えた女神の画像が投稿されている。

仮にキエフが陥落してもウクライナの抵抗は続く

 強大な軍事力に真正面から向き合わず、異なる戦い方で優位に立つ。これを「非対称戦」と評するメディアもある。しかし、小型兵器と機動力で抗戦することからすれば、それはかつてゲリラ戦と呼ばれたものと変わりはない。

 私見だが、仮に首都キエフが陥落したとしても、ウクライナ国内では各地でゲリラ戦が展開され、泥沼化していくように想像している。プーチンの傀儡政権が誕生したとしても、ウクライナ側の抵抗が長期化すれば、その間にいわゆる西側諸国がロシア本国に科した経済制裁が奏効し、それこそアフガニスタンのように、ロシア軍が撤退に追い込まれる。

 あるいはベトナム戦争のように、自国軍の犠牲の積み重ねと戦場の悲惨さにロシア国内の厭戦気運が高まる可能性もある。その間にウクライナのゼレンスキー現政権は国外に逃れ、ナチス・ドイツと対峙したフランスのようにNATO(北大西洋条約機構)圏内に亡命政府をおいたっていい。