1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

ワクチン3回目接種後に「風呂場で死亡」報告相次ぐ、関係性はあるのか

NEWSポストセブン / 2022年3月8日 19時15分

 改めて厚労省に聞くと、「海外でも国内でも接種後の入浴に関する治験は行なっていないと聞いています。しかし、もともと高齢者の方が入浴中に亡くなるケースは多く、この報告件数であれば“ワクチン接種によって明らかに多くなった”とは言えないと考えています」(予防接種室)という回答だった。

副反応が強まる可能性

 入浴中の事故の多くは体に負荷がかかったことで起きる「ヒートショック」と「熱中症」によるものとされる。

「脱衣所と風呂場の温度差や、浴槽に入る・出ることで血圧が急激に上下し、血管に強い負荷がかかることをヒートショックと言います。血管に圧力がかかることで血管が切れて脳出血が起きたり、血管が詰まって心筋梗塞が起きます。熱中症も浴槽に浸かり、体温が上がり過ぎると意識障害を引き起こし、溺死してしまう恐れがある。いずれも高齢者になるとリスクは高まる」(早坂教授)

 一方、ワクチンを接種することで体にも負荷がかかっている。

 3回目接種の副反応は2回目と比べて軽くはない。厚労省の専門部会の報告では、3回ともファイザー製を接種した人に起きる副反応の割合は、発熱(37.5度以上)が39.8%、接種部の痛みが91.6%、倦怠感が69.1%、頭痛が55%で、いずれも2回目接種より高い割合だ。3回目をモデルナ製にした場合は、いずれもこの数値よりさらに高くなる。

 ワクチンによる負荷に加え、入浴でさらに体に負荷をかけることで副反応が強まる恐れが考えられる。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏が説明する。

「動物実験による研究ですが、ワクチン接種後に運動をすると、免疫の効果が強まるという報告があります。効果が強まることは副反応も強くなると考えられる。入浴も運動と同じで体温を上げる行為ですので、副反応の出にくい高齢者にも、強い副反応が生じる恐れがあります」

 3回目を接種する場合は、「接種当日から翌日の夜までは念のため浴槽には入らずにシャワーだけにしておいたほうが賢明です」(早坂教授)とのこと。接種による効果とリスクを量る材料にしたい。

※週刊ポスト2022年3月18・25日号

CCPA Notice
あなたにオススメ

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング