ちょっと聞いて
コロナ

コロナ後遺症で生活苦になっています

2022/03/02 18:00 (2022/03/08 16:22 更新)

【相談】40代の飲食店経営者です。昨夏、新型コロナウイルス感染で重症となり、肺に後遺症が残りました。肺活量は同世代の6割程度まで落ち、肺年齢は「95歳以上」と言われました。


医者に聞くと、身体障害者手帳の取得を勧められましたが、手続きを進めると動脈の血液酸素濃度が一般レベルだったので取得がかないませんでした。


ただ、退院後も酸素吸入器が必要で、そのレンタル代の自己負担が毎月約2万円。さらに、呼吸器症状による通院や薬代は少なくとも月2万円ほどかかっています。行政からの補助はありません。幼い子ども5人を抱え、店も休業中なので家計はギリギリ。先日、覚悟を決めて酸素吸入器を返却しました。 


仕事は思うようにできず、後遺症がいつ治るかも分かりません。同じように後遺症に苦しむ人は多いのではないでしょうか。国や自治体には、早くサポート体制を整えてほしいです。


【あなたの特命取材班から】(経験者のご意見をアンケートで募集しています)


新型コロナの後遺症については、感染後に時間が経過しても悩まされる人が相次いでいます。国立国際医療研究センターが昨年10月、感染歴がある人に実施したアンケート(回答者・457人)結果によると、4人に1人はコロナ感染から半年後も何らかの症状が出ています。 


厚生労働省は昨年12月、コロナ後遺症の「診療の手引き」を医療関係者向けにまとめましたが、その中では「いまだに明らかになっていないことも多い」としています。 


その上で、海外の研究結果をまとめると、後遺症で最も多いのが倦怠感(40%)で、息切れ(36%)、嗅覚障害(24%)などの症状を挙げています。後遺症があると、抑うつや睡眠障害がひどくなるとの研究結果も明記しています。ただ国は、後遺症の患者について、かかりつけ医が対症療法を行い、専門医につなぐことで「対応することは十分に可能」としています。


福岡県は2月10日、後遺症に悩む人向けの診療相談窓口を開設しました。24時間態勢で問い合わせを受け付け、症状に応じて医療機関を紹介しています。息切れなど呼吸器に関わる症状の相談が特に多く、2月10日から27日までに512件の相談があったそうです。


県の担当者は「後遺症について国はまだ研究段階であり、はっきりとコロナとの関係を認定することができていない」と回答。一方で、コロナの入院患者に対する治療費などは国が負担しています。コロナ感染と後遺症との因果関係がはっきりすれば、治療費が公的負担となる可能性もありそうですが、県は「議論が進んでいない」としています。


この問題について、あなたの体験やご意見をアンケートなどでお聞かせください。当事者として、あるいは身近な方で、困っている人はいませんか。


厚労省による後遺症の「診療の手引き」によると、代表的な後遺症は以下の4つに分類されるようです。 


全身症状=倦怠感や関節痛、筋肉痛 


呼吸器症状=せきや​息切れなど 


精神・神経症状=記憶障害や集中力低下、不眠など


その他の症状=嗅覚や味覚障害、動悸(どうき)など 


「診療の手引き」はこちら。(白波宏野、竹中謙輔)

寄稿者:福岡県在住

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