難関国家資格のひとつとして知られる、弁理士試験。
これから弁理士試験の勉強を始めようと思っている方にとって、弁理士試験の難易度や合格に必要な勉強時間は把握しておきたいポイントです。
そこで今回は、一発合格した現役弁理士が、弁理士試験の難易度と合格までに必要な勉強時間について詳しく解説します。
【他資格と比較】勉強時間から見る弁理士試験の難易度
弁理士試験の合格に必要な勉強時間は、3,000時間だといわれています。
3,000時間というと、1日3時間勉強して1,000日、1日10時間勉強して300日かかる計算となります。
筆者は弁理士試験に一発合格していますが、平日は3~4時間程度、土日は8~10時間ほど、合計1,500~2,000時間で合格できました。
効率の良い勉強法を徹底的に考えぬいた結果、勉強時間を短縮できたことが大きな要因です。
筆者としては、3,000時間という数字は妥当なラインだと思います。
では、3,000時間という時間は他の資格と比べてどの程度の勉強量なのでしょうか。
以下は、他資格の合格に必要な勉強時間と合格率です。
| 資格 | 勉強時間 | 合格率 |
| 司法試験(弁護士) | 6,000時間 | 39.16% |
| 司法書士 | 3,000時間 | 4.12% |
| 税理士 | 2,500時間 | 20.3% |
| 社会保険労務士 | 1,000時間 | 6.4% |
| 土地家屋調査士 | 1,000時間 | 9.68% |
| 行政書士 | 600時間 | 10.7% |
| 海事代理士 | 500時間 | 54.1% |
三大国家資格のひとつである司法試験は出題範囲が広く、かつ深い理解が求められるため、弁理士試験の倍以上の勉強時間が必要となります。
一方で、社会保険労務士や行政書士と比較すると弁理士試験は範囲が広く論文式試験があることから3,000勉強の時間が必須です
弁理士試験は、他資格との勉強時間の比較においても難関資格であるといえるでしょう。
弁理士の難易度が高い理由
弁理士試験はなぜ難易度が高いと言われているのでしょうか。
その理由として、試験科目自体の難しさと試験内容の難しさが挙げられます。
1.弁理士試験の試験科目
弁理士試験では、特許法や商標法、著作権法といった知的財産法に関する科目が出題されます。
知的財産法は民法の特別法であり、実体法的規定のほか、複雑な手続法的規定が多く資格試験にはじめて挑戦する方にとってハードルが高いかもしれません。
これが、弁理士試験の難易度を高くしているひとつの要因です。
2.弁理士試験の試験内容
弁理士試験は、「短答式試験」「論文式試験」「口述試験」という異なる形式の3つの試験から構成されています。
短答式試験に合格しなければ論文式試験を受けることはできず、論文式試験に合格しなければ口述試験を受けることはできないということです。
| 試験 | 出題形式 | 試験内容と合格点 | 合格率 |
| 短答式試験 | マークシート式 | 特許法・実用新案法、意匠法、商標法、条約、著作権法、不正競争防止法の6科目について5肢択一式のマークシートによる形式。 60問中39問以上を正答すること。ただし得点率40%を下回る科目が一つもないこと。 | 18.2% |
| 論文式試験 | 論述形式 | 特許法・実用新案法、意匠法、商標法の必須3科目と選択科目について論述による形式。 必須科目については、標準偏差による調整後の各科目の得点の平均が54点以上であること。 ただし47点未満の科目が一つもないこと。選択科目については、素点が60点以上であること。 | 25% |
| 口述試験 | 面接形式 | 特許法・実用新案法、意匠法、商標法の3科目について面接による形式。 各科目についてA~Cで評価し、C評価が2つ以上ないこと。 | 98.6% |
短答式試験は、弁理士試験の第一関門で5人に1人しか合格できない試験です。幅広い知識が問われるため、合格するのに時間がかかります。
短答式試験に1~2年で合格できれば、短期合格を目指せるかもしれません。
論文式試験は論述式であり、独学では勉強しづらい試験です。
論述式特有の勉強法が必要で、勉強の方向性を間違えると合格が遠のいてしまう可能性もあります。
そして、最後の口述試験は試験官と面接形式で行われます。合格率は非常に高いため、しっかりと対策を行いましょう。
このように、3つの異なる形式の試験に全て合格しなければならないことも、弁理士試験の難易度が高い理由です。
働きながら勉強時間を確保するコツ
直近の弁理士試験志願者統計によれば、志願者の8割以上が社会人です。
学生は3.2%、無職は10%しかおらず、ほとんどの受験生が働きながら受験しています。
弁理士試験は、同じく難関資格である司法試験や公認会計士試験とは受験者層が大きく異なります。
このように弁理士試験は働きながら受験する人が大半であるため、いかに勉強時間を捻出するかが重要です。
働きながら平日3時間の勉強時間を捻出するのは大変ですが、スキマ時間の活用がひとつのポイントになります。
移動中や休憩時間などを利用して、短答式試験のインプットとアウトプットを行いましょう。
ただし、論文式試験はある程度まとまった時間が必要であるため、土日に集中して勉強した方が良いかもしれません。
また、社会人は突発的な仕事が入ったりプライベートな用事が入ったりと夜に時間が取れないこともしばしば。朝1時間、夜2時間という具合に勉強時間を作れるかが合格の鍵です。
まとめ
弁理士は、合格率が10%以下の難関試験です。しかし、決して合格できない試験ではありません。
正しい方法で勉強を続ければ働きながらでも十分に合格できる見込みはあるでしょう。