昨年9月、キャンプ中に小倉美咲ちゃんが行方不明になってから、もうすぐ10か月がたつ。母・とも子さんにはこれまでさまざまなうわさがつきまとった。被害者なのになぜこんなに批判されなければならないのか。子どもから一瞬、目を離したことはそんなに罪なことなのか。とも子さんがこれまでの思いを明かしてくれた。(前編)
自宅で取材に応じてくれたとも子さん
娘が見つかって喜んでいる夢を見た
「ママ!」
と呼びかけられ、娘が帰ってくる場面が夢にまで出てくる。ハッと目覚めると、頭の中に記憶された映像を書き留めようと、慌ててメモを取る。
《娘が見つかって抱きしめ合い、喜んでいる夢を見た》
これが正夢になる日を今か今かと待ち望んでいるのは、千葉県成田市に住む小倉とも子さん(37)である。昨年9月21日、山梨県道志村のキャンプ場で突然、行方不明になった美咲ちゃん(8)の母親だ。
「あれ以来、長女の姉は不登校に、夫は口数が少なくなりました。日々の生活でそういう場面を見ると、あのとき自分がついて行けばよかったと。思い出すたび、悔やんでも悔やんでも悔やみきれない気持ちになります」
あの日、とも子さんは正午過ぎに、美咲ちゃんと3歳上の長女の3人で「椿荘オートキャンプ場」に車で到着した。先着していたほかのキャンプ仲間に合流し、7家族27人が集まった。夫の雅さん(39)は、仕事の都合で翌日に来る予定だった。
一同は昼食に、天ぷら蕎麦を食べた。午後3時半ごろ、おやつのチョコバナナを食べ終えた子ども9人が、近くの沢まで遊びに出かけた。遅れて食べ終えた美咲ちゃんは1人、先に行った9人の後を追いかけた。その際、とも子さんは、
「ママ、行っていい?」
と声をかけられ、「いいよ」と答え、小走りする美咲ちゃんの後ろ姿を見届けている。
およそ10分後、大人たちが子どもを迎えに行ったが、そこに美咲ちゃんの姿はなかった。心配した大人たちは周辺を捜し始めたが、美咲ちゃんは一向に現れず、日没が近づく前に警察に連絡。夕方に警察が到着し、捜索が始まった。
以来、警察や自衛隊、消防隊はこれまで、延べ約1700人を投入した。とも子さんも、夫と一緒に現場に泊まり込み、白い運動靴がボロボロになるまで捜し続けた。
しかし、美咲ちゃんが姿を現すことはなかった。
教科書は新品のまま
《学習は興味をもって取り組み、力を付けました。国語科「すずめのくらし」では、説明文を正しく読み取り、丁寧にノートにまとめました。運動神経がよく、運動会ではリレーの選手に選ばれ、毎日の練習に張り切って参加していました》
これは美咲ちゃんが通っていた小学校の1年生の成績表に書かれた、担任教諭からの「総合所見」だ。行方不明になった当日は、学校で運動会が予定されていた。ところが天候の都合で延期され、とも子さんたちは、以前から計画されていた仲間のキャンプへ合流することに、予定を切り替えた。
「美咲はリレーの選手に選ばれ、走るのをすごい楽しみにしていました。家の周りを何周も走って自主トレまでしていました。何に対してもやる気があって、最後まで納得いくまでやり切ります。芯が強くて、1人で努力するタイプですね」
自宅でそう語るとも子さんの後ろには、「すき」と毛筆書きされた、美咲ちゃんの力強い字が飾られている。
ディズニーランドが大好きで、家族で行くのを楽しみにしていたという美咲ちゃん。クラスのみんなは、毎朝の出欠確認時、美咲ちゃんの名前が先生から呼ばれると「待ってるよ!」と挨拶してくれる。
そんな温かいクラスから昨年末、とも子さんはクリスマスリースをプレゼントされた。
「夏休みにみんなで朝顔を育てたんです。2学期に入って種を取ったのですが、美咲は参加できなくて……。そのときに枯れた朝顔のつるで作ってくれたリースでした。みんなで飾りつけもしたのでよかったらどうぞ、と言われて先生や子どもたちの思いに涙があふれ出てきました」
成績表に評価がつけられているのは2学期まで。3学期はすべて欠席したため、評価の欄には斜線が並んでいる。それを学年修了時に渡されたとも子さんは、またもや涙が止まらなかったという。
「美咲が描いた絵も渡され、もっと学校で描かせてあげたかった。毎日学校に行くのを本当に楽しみにしていて、勉強にも意欲的だったのに、それをさせてあげられないのがかわいそうでなりません」
2年生の教科書も支給されたが、新品のまま、今も部屋の学習机にしまわれている。
長女はしばらく不登校に
「わたしじゃなくなった」
美咲ちゃんの行方不明は、長女の心にも大きな異変をもたらした。
最初にそれがわかったのは、山梨県警を中心にした大規模捜索が10月半ばにいったん、打ち切られた直後のこと。台風19号が関東地方を襲来したためで、美咲ちゃんの行方不明以来、現場に泊まりっぱなしだったともこ子さんも、ひと区切りつけて自宅に帰ると、祖父母の家に預けられていた長女は寂しさのあまり、泣きじゃくった。
「祖父母の前では心配かけたくないから泣くのを我慢していて、押し入れで1人で泣いていたようです」
祖母が小学校へ連れて行くと、周りの生徒から「美咲ちゃんはどうしたの?」と聞かれ、そのたびに胸が痛んでいた。
「長女は、美咲の『み』と聞くだけで、わーっと泣き出すような状態でした。みんなから『美咲ちゃんのお姉ちゃん』と呼ばれるのが嫌だと。だから学校には行きたくなかったけど我慢したと言っていました」
そんな不安定な長女から耳にした中で、とも子さんが最もつらかったのは、「わたしがわたしじゃなくなっちゃった」という言葉だった。
「自尊心を傷つけられたというか、自分がなくなったみたいで。どんな思いで過ごしてきたかと思うと、かわいそうで……」
とも子さんは小学校へ行き、校長や担任教諭に事情を説明。長女に美咲ちゃんのことを聞かないよう、お願いした。すると、その日から改善されていったという。
以来、長女はしばらく不登校になった。ようやく学校へと足が向き始めたのは12月ごろ。だが、とも子さんが車で学校へ到着するも、長女はなかなか降りられない。
「一緒に授業に行こうか」
となだめすかし、長女のペースに合わせて付き添った。ところがすぐに「ママ……」とすがるような声をあげて早退。1日に5分だけでもと通い続けるうちに徐々に慣れ、2月半ばには丸1日、授業を受けられるほどに回復した。
一方、自宅では美咲ちゃんのいない3人の食卓に、重苦しい空気が流れていた。とも子さんがため息まじりに語る。
「美咲がいたときみたいに笑ってご飯を食べるとかは一切ありません。会話もほとんどなく、長女が1人で話し、それに私が相槌を打つだけです。美咲がいないこと自体がつらすぎて、夫も長女を思いやる余裕がなく笑ってあげることができないんです。家族がそれぞれ自分を保つので精いっぱいといいますか。美咲が戻って来ない限り、元どおりにはならないと思います」
家族でどこかへ遊びに出かけることもなくなった。長女から「あれ食べたい!」と言われても、「美咲が帰って来てからね」と、贅沢を自粛するほどだ。
「美咲がいないのに、美味しいものを食べるのも気が引けてしまうんです。心の底から何かを楽しむこともなくなりました」
なぜ批判されるのか……
発生当初から、とも子さんは、通常の被害者とは異なる扱いを受けてきた。
《畠山鈴香似》《疑惑の人物》
SNS上では、秋田県で娘を殺害した犯人と、とも子さんが同列視されたり、とも子さん自身が行方不明事件の犯人だと疑われる、とんでもない書き込みまでされていた。
とも子さんは今でも、インスタやツイッターに投稿すると、批判のコメントが一定数寄せられる。それでも投稿し続けるのは、美咲ちゃんのためだ。
「とにかく風化はさせたくない。どんな些細なことでもいいから情報が欲しい。その一心でSNSを続けています」
疑惑の発端は、行方不明直後のインスタの更新だった。
《ご存じの方もいるかもしれませんが、うちの次女が行方不明になっています。皆さん、無事を祈って頂けると有難いです。》
とも子さんが振り返る。
「美咲の実名が報道されるまで数日ありましたが、私が経営する店のお客様が、インスタの投稿を心配する気持ちから拡散してくれたんです。ところが、過去の写真の投稿も残ったままだったので、美咲の写真が公開前に広まってしまいました。店のお客様だから直接やめてほしいとも言えなくて……」
とも子さんは、拡散を止めたいという思いから再度、投稿した。そこには捜索ボランティアが連れて来た白馬の写真を掲載し、こんな文章を添えた。
《みなさんの気持ち、美咲にも私にも十分届いています。私のことは心配しないでください。─中略─。動物が大好きな美咲に見つかったら、たくさんの人と動物達も美咲の為に頑張ってくれたんだよと話してあげたいので、不謹慎かもしれませんが写真撮りました》(原文ママ)
しかし、とも子さんの意図が伝わらずにネットユーザーの誤解を招き、炎上した。
《よくこんな時にインスタに投稿できるな》
《親の自己責任だろうが!》
ハッシュタグに店の名前を入れていたことも批判につながった。
とも子さんが釈明する。
「こんなときに店の宣伝かよって言われましたが、そうではありません。店の名前で検索する知人やお客様に伝えたかっただけです」
拡散は止まることがなく、店の名前、住所、電話番号までもがネット上にさらされた。
「電話は携帯に転送されるので、捜している最初の数日間は深夜も電話が鳴りやまず、大変でした。無言電話もありますし、出たら『お前はネットなんかしやがって、ふざけんじゃねえよ!』といきなり怒鳴りつけられ、説教されたりもしました」
無言電話は今でもかかってくる。とも子さんは、娘を捜し続けている被害者だ。
はたして、ここまでの誹謗中傷を受けなければならないほど、過ちを犯してしまったのだろうか。
「元をたどれば、あのとき、私が美咲についていかなかったから、こんな事態に至り、世間からも批判を受けている。みなさんに迷惑をかけてしまった原因は私にあるので……」
とも子さんは自分を責め続けている──。実はSNSによる被害は、これだけにとどまらなかった。
(次号・後編に続く)
取材・文/水谷竹秀 ノンフィクションライター。1975年生まれ。上智大学外国語学部卒業。カメラマンや新聞記者を経てフリーに。2011年『日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」』で第9回開高健ノンフィクション賞受賞。近著に『だから、居場所が欲しかった。:バンコク、コールセンターで働く日本人』(集英社)。
外部リンク
2020年版・抱かれたい男ランキング
今年は日本中が息苦しい時期を過ごしました。もし、その精神的な疲れを癒してくれるとしたら? あなたが、この人に「癒されたい」と思う理想の男性芸能人は誰ですか? また、セクシーだと思う、色気がある、カラダが好き……。そんな“男”として魅力的なズバリ「抱かれたい」と思う芸能人は誰でしょうか?
20代から50代の女性2000人が答えた赤裸々な本音や、いかに? 最後のページでは、あなたが「こんな男とは付き合えない」「気持ちわるい」と思ってしまう、生理的に嫌いな「抱かれたくない」男性芸能人も発表します!
佐藤健の「ツンデレがたまらない」
ランキングは2000人の女性が名前を上げた男性芸能人を20〜30代と40代以上に分けて作成。まずは若い顔ぶれから順番に紹介します!
なんと“癒されたい”部門と“抱かれたい”部門、どちらもトップを独走したのが、ドラマ『恋はつづくよどこまでも』で超ドSなエリート医師を演じた佐藤健!
「ドラマを見ていて癒された。あんなふうに抱きしめられたり、頭ぽんぽんされたい」(29歳・東京都)、「見ているだけで幸せな気分になる」(34歳・大阪府)、「ツンデレがたまらない」(44歳・埼玉県)、「声も好き」(31歳・静岡県)。
コラムニストの辛酸なめ子さんは、
「ドラマの中で、佐藤さんの“これは治療だ”というセリフは印象的でした。医師役もお似合いでしたし、少し低い声のゆっくりしたセリフ回しがよかったのかも」
癒しを求めるだけじゃなく、「私もドSな健くんに意地悪されたい♪」なんて声も、あちこちから。
「“恋つづ”の健くんのキスにとろけた」(53歳・東京都)、「ドラマを見て、羨ましいと感じた」(39歳・大阪府)、「真横で、あの瞳に見つめられたら倒れます」(42歳・群馬県)、「ドラマの中の役がエロい感じだったので」(33歳・東京都)。
30代になり色気が増したとのコメントも多く、コラムニストの吉田潮さんは、
「若いころはよくないウワサもありましたけど、うまく朝ドラ『半分、青い。』で挽回したな、と。女の子みたいにきれいな顔なので、あんまり性的な対象にならないと思いきや、抱かれたい男でも1位。確かにドラマもキスシーンが多かったし、現代の女性が求める部分にうまくフィットしたんじゃないかと思います」
若手ジャニーズが上位にランクイン
続く“癒されたい”2位に選ばれたのは、中村倫也。
「ゆっくりしたしゃべりに癒される」(27歳・岡山県)、「甘い声がめちゃくちゃいい! 癒し」(40歳・兵庫県)、「声と優しい雰囲気」(53歳・静岡県)、「ゆるふわっとしていて癒しオーラがある」(34歳・東京都)。
ふんわりした雰囲気と、おっとりした声を中心にラブコールが。“抱かれたい”でも4位と大健闘。
“癒されたい”3位にはジャニーズから平野紫耀が。
「天然ぶりが可愛くて、見てると笑えるから」(31歳・千葉県)、「天然で無邪気で癒される」(55歳・埼玉県)、「明るい笑顔と天然で可愛い性格。外見と心の両方で癒される」(38歳・兵庫県)。
天然なキャラクターに母性がくすぐられ、ほっとけない女性多数!
「私は彼を初めて見たとき、『スクールウォーズ』時代の松村雄基じゃん! って思ったんですよ。新世代ジャニーズでランキングに入ってきたのは、この子だけなんですね。人気だな〜」(吉田さん)
続く4位は、平野と同い年の横浜流星。
「カッコいい。目の保養になる」(28歳・新潟県)、「なんと言っても顔がいい。武道も嗜んでいるからなおいい。雰囲気が癒されるので、ずっと見ていたい」(51歳・埼玉県)、「深キョンと出ていたドラマの役が可愛かったから」(38歳・愛知県)。
'19年のドラマ『初めて恋をした日に読む話』で見せた“無敵ピンク”の髪色は、世の女性をキュンキュンさせた様子。極真空手の世界大会で優勝経験を持つなど、肉体派な一面もあり、“抱かれたい”でも6位と好成績。
さらに“癒されたい”部門には、「カッコよくて眺めていたい」「爽やかで好感を持てる」といった理由で5位に竹内涼真、6位に菅田将暉、7位に吉沢亮、8位に山崎賢人と20代の俳優たちが並んだ。
「このレベルになると“カッコよすぎる”というのが“癒される”ともつながるんですかね。美しさが目の保養になる、といったような」(辛酸さん)
ほかの顔ぶれと比べて別格
しかし、“癒され”9位に入った千葉雄大には、これまでとは少し違った声が。
「男性でぶりっ子キャラを嫌味なくやれる稀有な存在」(29歳・大分県)、「自分の魅力をわかってる」(34歳・熊本県)、「可愛いのに毒舌」(56歳・東京都)。
「この子は俳優とかじゃない、違うコミュニティーを持っていそうな感じがする。先日、ヒャダインと2人で台湾旅行している番組を見たんですけど、松下由樹のモノマネを延々としてましたからね。目のつけどころが違いすぎ(笑)。そういう振る舞いを見ると、ほかの顔ぶれと比べて別格かな」(吉田さん)
ちなみに“抱かれたい”部門では10票未満だった。そんな千葉と真逆な票の集め方をしたのが、斎藤工と山下智久。斎藤は過去に2回も“抱かれたい男”1位に輝いているが、今年は惜しくも2位という結果に。
「色気がダダ漏れ! カッコいい!」(37歳・北海道)、「色気がすごい」(38歳・神奈川県)、「声も顔も全部好き。いやらしい」(34歳・兵庫県)、「セックスするならこの人」(43歳・佐賀県)。
「癒されたいほうでは上位じゃないってことは、確実に性的な対象で見られてるってこと。下半身がしっかり、どっしりしてるところがいい。マッチョな人って上半身だけ鍛えたりするのに、彼は下半身の安定感がすごいんですよ。こっちのランキングで2位は、すごい納得」(吉田さん)
山下智久には、肉体美に対するコメントが多数。
「ほどよくムキムキ」(51歳・神奈川県)、「声も視線もセクシーだから」(51歳・大阪府)、「顔が好みなので何をされてもいい」(32歳・福島県)、「身体がマッチョ。カッコいい。抱きしめられたい」(35歳・福岡県)。
「ジャニーズにまったく興味がなかった知人の女性編集者も、山下さんにだけはメロメロになってましたよ。色気がまるで違ったって! なんか彼はヘソから下に何かを持ってるんでしょうね……“BOY”じゃなくて“MAN”なんですよ」(吉田さん)
どちらのランキングでも10位以内に入ってくる松坂桃李も、なかなか強い。
「雰囲気や笑顔が優しくて、普通っぽいところがいい」(37歳・沖縄県)、「イケメンで繊細な雰囲気が好み」(50歳・大阪府)、「清潔な色気が素晴らしい」(44歳・東京都)、「顔も体形も好きすぎる」(29歳・長崎県)。
『うちで踊ろう』効果でランクイン
辛酸さんが意外な順位だと驚いたのは、“癒されたい”で11位、“抱かれたい”で12位の田中圭。
「よく笑うイメージなので一緒にいたら楽しそう」(33歳・滋賀県)、「元気で可愛くて、ほっとけない弟のような感じ」(46歳・大阪府)、「しゃべらなければセクシー」(39歳・島根県)、「可愛いけど、いい身体。どことなくセクシー」(42歳・群馬県)。
「どちらのランキングでも、もうちょっと上位に入ってくるかと思いました。少しぽってりした唇とか、特徴ある色気を持っていますよね」(辛酸さん)
“癒されたい”で13位に入ったのは星野源。
「相手を思いやる気持ちを持てる人で、つらいときこそ楽しませてくれそう」(23歳・高知県)、「歌を歌ってほしい」(41歳・東京都)、「歌で癒される」(55歳・大阪府)。
新型コロナウイルスの自粛期間中にリリースした『うちで踊ろう』効果かも?
また、昨年の“抱かれたい男”で4位という好成績を残していた向井理が、今年はどちらも20位以下に。
「テレビ露出も関係があるんじゃないかなと思いますね。出演ドラマが放送されていたら、もっと上位に入っていた気がします。向井さんは、奥様が女優の国仲涼子さんですし、きれいなお相手がいるとどうしても妄想しづらくなってしまうのかも。それを言えば、妻夫木聡さんは、忘れ去られてしまったのか名前も入ってきてないですね……」(辛酸さん)
綾野剛は、順位こそ低めだが熱いコメントが寄せられた。
「ドラマ『コウノドリ』で好きになりました。今までクールなイメージだった綾野さんが、にっこり“大丈夫ですよぉ〜”と言ってくれて、心が溶かされたように号泣しました」(42歳・群馬県)、「めちゃくちゃエッチがうまそう」(44歳・福岡県)。
吉田さんは、
「綾野さんはユルい感じの、今で言う中村倫也的な役のほうが可愛い。あなたは血管浮き出るような熱血漢より、朝ドラ『カーネーション』の人なんだよ! って言いたい。シワが増えたほうが味わい深くなりそうというか、楽しみだなとは思いますね」
また、興味深いのは“抱かれたい”で18位の松本潤が、“癒されたい”では嵐のメンバーで唯一、ランキング外だったこと。
「多少、強引そうな感じに惹かれる」(41歳・大阪府)
と言わせる松潤とは対照的に、“癒されたい”で12位だった相葉雅紀には、
「和やかな雰囲気で話をよく聞いてくれて癒されそう」(48歳・埼玉県)
求められていることが真逆というのがよくわかる。
ここで辛酸さんにイチオシの男性を聞いてみると、
「平野紫耀くんは応援したいなと思いますね。帝国劇場での舞台を見て、フライングや回転している姿に無敵感を感じました。若さと強さがあふれ出ていて、“最強ジャニーズ”という言葉がぴったり。実は肉体派でもありますし、抱かれたいと癒されたい、どちらも兼ね備えているなと」
一方、同じジャニーズ内で、気になるメンバーがいるという吉田さん。
「ここには入ってこなかったけど、ドラマでよく見かけて全部の役がいいって思ったのは、重岡大毅くん。え、ジャニーズWEST? それすら知らなかったけど、名前だけは知ってる。『知らなくていいコト』は、彼じゃないとできなかった役だと思いますよ。根っこが優しいんだろうなって思わせる男の子ですね」
竹野内豊は「声が好き!」
続いて、40OVERの男性芸能人のランキングへ!
ここでは、先ほどの佐藤健と同じく、竹野内豊が“癒されたい”と“抱かれたい”の両部門で首位を獲得!
「優しくて穏やかそう」(28歳・愛知県)、「カッコいいし声もいいから」(34歳・福岡県)、「声が好き。癒し効果あり」(56歳・静岡県)。
声に注目するコメントが多く、“抱かれたい”理由も、
「目をつぶって、耳元で愛を囁かれたい」(44歳・鹿児島県)、「再放送のドラマを見て、話し方に色気があると思った」(38歳・長崎県)。
そそられる声の持ち主ということがわかる。
どちらの部門も、4位までは順位こそは違いがあれど、並ぶ名前は同じ。福山雅治に寄せられたコメントも、
「声で癒される」(45歳・福岡県)、「あの声で慰めてくれそう」(56歳・秋田県)。
と、声に注目が集まる。
「20〜30代のランキングでもそうでしたが、落ち着いた声や話し方に魅力を感じるといったコメントが目立ちますね。1位の竹野内さんは、この中だと唯一の独身。抱かれたいと妄想するにしても、独身のほうが罪悪感を感じないからかも」(辛酸さん)
木村拓哉には、
「若いときから好きです」(48歳・埼玉県)、「なんだかんだ言って、やっぱりキムタクはスターって感じで男らしいと思う」(31歳・滋賀県)、「夫との身体の違いを体験したいです」(51歳・愛知県)、「大人のセクシーな雰囲気があり、永遠の憧れ」(23歳・千葉県)。
両部門で3位は西島秀俊。“癒されたい”派の意見は、
「顔がやさしそう。なんでもしてくれそう」(22歳・東京都)、「大人で落ち着いていて、少し茶目っ気がありそうなところもいい」(48歳・京都府)、「顔も声も好み。隣に座ってくれるだけで癒されると思う」(50歳・神奈川県)。
一方“抱かれたい”派は、
「身体を鍛えているから」(44歳・静岡県)、「色気にやられそう」(31歳・愛知県)、「めっちゃ優しく抱いてくれそう。大人のテクニックで癒されたい」(24歳・宮崎県)。
「西島さんは、お顔がギラギラしていないので癒されたいとも思えるのでは」(辛酸さん)
では次を見てみよう。……“癒されたい”の5位に大泉洋!? 6位はムロツヨシ!?
「ダラダラ話してるだけでも愉快になって、お家時間が楽しく過ごせる」(38歳・兵庫県)、「一緒にいて楽しそう」(57歳・埼玉県)、「暗い話題でもポジティブにとらえてくれそう」(27歳・石川県)。
2人とも、似たようなコメントが寄せられている。
“おうち時間”で癒されたい男性
「“癒されたい”のほうには、しゃべりの要素も求められてるみたいですね。ちょうど今は、コロナでみんな不安なとき。ちょっと面白い話をしてよ、抱かれたくはないけど家にいて、って気持ちが強いのかな」(吉田さん)
確かに、明石家さんまや所ジョージ、松本人志、さらにはマツコ・デラックスなど“抱かれたい”では圏外のメンバーがランクイン。
「さんまさんなんかは、目の前の人は笑わせよう! といったポジティブなパワーを必要としている人たちからの支持が集まったのかも。このメンバーの中で9位はすごいですね」(辛酸さん)
ちなみに25位のマツコ・デラックスには、
「どんな悩みも受け止めてくれそう」(20歳・山形県)、「相談できそう」(40歳・兵庫県)、「お話ししてみたい」(22歳・茨城県)。
なるほど、そんなヒーリング効果が。
“抱かれたい”部門で5位になった反町隆史には、若いときより今のほうが好きという声が多かった。
「年とともに魅力が出ている」(58歳・香川県)、「20代のときはやんちゃで不良っぽくてカッコよかったけど、30〜40と年を重ねて、角が取れて丸くなって大人の色気が出ている」(48歳・愛媛県)。
どちらの部門でも8位に選ばれたのは藤木直人。
「優しい笑顔に癒される」(31歳・石川県)、「気分が優れないときでも包み込んでくれそう」(39歳・岩手県)、「いつまでも端正な顔立ち」(43歳・神奈川県)。
と、爽やかなルックスが高評価。では、抱かれたい派の意見は?
「老けない爽やかイケメンなので、どんな抱き方をするのか楽しみ」(27歳・兵庫県)、「いかにも大人の夜を感じさせてくれそう。声がいいので暗闇で囁かれたら、のめり込みそう」(38歳・大阪府)。
「藤木さんは、いかにもな清潔感を感じられますし、誠実なイメージ。安心感があります」(辛酸さん)
吉田さんがどうしても気になったのが、“抱かれたい”7位のGACKT。
「顔は美しく、肉体美。自分を磨いてる感がすごい」(45歳・大阪府)、「なんでもスマートにやってくれそう。女性の扱い方を知っていそう」(49歳・岩手県)、「存在がエロい」(43歳・滋賀県)。
「何か仕込んでそうだもんね。チ●コに真珠とか」(吉田さん)
“無駄に”巨根ってイジられてる
阿部寛と佐々木蔵之介は、“癒されたい”部門と比べて“抱かれたい”部門では大きくダウン。性的な目では見られにくいのだろう。
大沢たかおは両部門で安定した順位をゲット。
「声と笑顔が最高。ゆったりとした気持ちになれそう」(44歳・鹿児島県)、「マッチョな身体にあの声はしびれます」(57歳・埼玉県)、「映画『ストロベリーナイト』のヤクザ役がよかった」(59歳・福岡県)。
ジャニーズでは、キムタクだけじゃなくTOKIOの長瀬智也が“抱かれたい”部門で大健闘。
「普段は冷たそうだけど、エッチのときは優しくしてくれそう」(35歳・宮崎県)、「男性的な魅力を感じる」(26歳・千葉県)、「ワイルドでカッコいい」(34歳・神奈川県)。
「長瀬くんってクドカンのドラマで、いつも“無駄に”巨根ってイジられてるんですよね。ワイルドな見た目のわりに、ちょっとバカなところが可愛くもあるし」(吉田さん)
ランキングでダントツの最年長は、今年3月に70歳になった舘ひろし。
「大人の安心感があるから」(31歳・東京都)、「あの落ち着いた声で“大丈夫だよ”と言われたら、すべてが大丈夫のような感じがする」(24歳・宮崎県)。
と、癒しを感じさせつつ、抱かれるイメージでは、
「ジェントルマンで優しそう」(52歳・愛知県)、「肩幅が広い。セクシー」(49歳・愛知県)。
ダンディーな色気を失わないのは、さすがのひと言。
「最近は、冴えない役が多いですけどね。でも舘さんって、ナナハンのバイクにまたがってちゃんと地面に両足がつくんですよ。それがすごくサマになる。背が高いだけなら若い子でもいるけど、これは座高が低くないと無理だから」(吉田さん)
沢村一樹も、両方で20位以内に。
「イケメンで、いい年の取り方をしている」(34歳・東京都)、「イケメンだから」(46歳・山形県)、「ルックスが好みで、ちょっとエロティック」(47歳・神奈川県)、「遊んでいそう」(42歳・静岡県)。
厚い胸板で抱きしめてほしい
キムタクと対象的なのが中居正広。“癒されたい”が16位で“抱かれたい”は圏外。
「明るく頼りになる」(47歳・愛知県)、「気遣いの人だから、一緒にいると安らぎそう」(55歳・千葉県)。
逆に、“抱かれたい”のみランクインの仲村トオル。
「細マッチョな身体がセクシー」(53歳・東京都)、「厚い胸板で抱きしめてほしい」(48歳・北海道)。
続いたのは北村一輝。
「激しそう」(51歳・大阪府)、「濃い顔がセクシー」(48歳・宮城県)。
「ユーモアがあって嫌味がない」(28歳・大阪府)と言われる唐沢寿明や、「渋くてカッコいい。まさにステキなおじ様」(30歳・岐阜県)の堤真一は“癒されたい”部門で選ばれるも、“抱かれたい”部門ではランクインならず。
吉田さんは“抱かれたい”部門で18位に入った豊川悦司について熱く語る。
「アンケートを取るのが、『愛していると言ってくれ』再放送2話目くらいだったら、もっと票が伸びたはず! 白いシャツにビーサンでエロいんだから! 白いランニングシャツを着ても絵になるのはトヨエツくらいですよ。顔は確かに老けたけど、ほどよく枯れていってる」
ここまでのランキングを見て、辛酸さんは、
「上位の人たち、特に福山さんと木村さんは、ずっと好きで応援している根強いファンが多い気がしますね。既婚者であっても、若さを保っているから人気が落ちない。永遠の“心の彼氏”って感じで見られているんでしょう。これでわかったのは、寡黙な男性のほうがセクシーで、ゆっくりしゃべるイケメンはモテるということですね」
ランク外のコメントを見た吉田さんは、
「“抱かれたい”部門に関しては、1〜2票しか入ってない人たちのコメントのほうが明確な“身体狙い”感が表れていてリアルだから面白い」
ということで、若手も含めて本当に1票しか入らなかった人たちへのコメントを最後に紹介します!
「オードリー春日。パワーセックスとやらを試して見たいので」(32歳・北海道)、「ナイナイ岡村。すっぽり入りそう」(52歳・埼玉県)、「新垣隆さん。ピアノ指がとてもよろしい」(32歳・埼玉県)、「あばれる君。気持ちよさそう」(20歳・東京都)、「ユースケ・サンタマリア。思いも寄らないプレーを仕掛けてきそうだから」(42歳・福井県)。
たしかに妄想がすごい!
渡部建がTOP4を置き去りに
お待ちかねの番外編、いつもの名前はもちろん、タイムリーなあの人たちも。ズバリあなたが“抱かれたくない”と思うのは?
2位以下に圧倒的な差をつけたアンジャッシュ・渡部建が堂々の1位。
「地下駐車場テイクアウト不倫男」(22歳・福岡県)、「今回の不倫事件で気持ち悪いと思った」(28歳・神奈川県)、「女性を性的欲求を満たすための道具としか見ていない気がする。しかもケチ」(50歳・徳島県)、「あんなに美人な奥さんがいても浮気ってするんだなという……無理だなと思う」(37歳・北海道)。
6月に発覚した不倫事件をきっかけに、好感度がガタ落ち。特に、女性の扱いについて物申す意見が目立った。
「タイミング的にも、だろうねって感じ」(吉田さん)
「爽やかなイメージでメディアに出ていたので、余計にダメージがあったのでしょう」(辛酸さん)
2位は、安田大サーカスのクロちゃん。昨年3位にランクインした際の直撃インタビューで、本人は「次のランキングに僕は入りませんので、お楽しみに!」と言っていたのに……。
「下品な行動や平気でウソをつくところがイヤ」(47歳・熊本県)、「生理的に無理」(26歳・岐阜県)、「清潔感がなく汚らしい」(21歳・大阪府)
これがキムタクのスゴさ
100票以上を集めたのは、3位のアンガールズ・田中卓志まで。
「人柄はよさそうだけど見た目がダメ」(49歳・東京都)、「とにかく顔が気持ち悪い」(50歳・福井県)。
辛酸さんは、
「田中さんは背も高いですし、学歴もある。実は紅茶に詳しかったり……。4位の江頭2:50さん、出川哲朗さんもお決まりのメンバー感がありますね。でも、出川さんはいつも笑顔だし、ご本人の生活は充実してそうだなと思います」
上位に芸人が並ぶなか、東出昌大が10位に。
「顔がよくても中身が」(44歳・茨城県)、「不倫してる時点で、ない」(40歳・東京都)、「奥さんが妊娠中に不倫したから」(25歳・香川県)。
13位の石田純一(新型コロナ感染)、16位の手越祐也(ジャニーズ事務所退所)、18位の岡村隆史(女性軽視の不適切発言)はニューフェイス。
「事件や不祥事を起こすと、こういうランキングに入ってくるということがよくわかります。女性を敵に回すような世間の騒がせ方をした人たちが目立ちますね」(辛酸さん)
ここまでの結果を見た吉田さんは、あることに気づく。
「抱かれたい、癒されたい、抱かれたくない。このすべてに入ったキムタク。これが、この人のスゴさなんですよ! 癒されたいと抱かれたいの共存はわかるけど、ここにも名前が出てくるなんて理解を超えてきますよね。それだけ女性たちになんらかの影響を与えてるってこと。嫁や娘が出てきてもブレないし、今期のドラマ『BG〜身辺警護人〜』も視聴率17%で数字も取れるし。まぁ、漢字は書けなさそうだけどね」
(取材・文/高橋もも子)
お話を伺ったのは……
●吉田潮さん コラムニスト、イラストレーター、テレビ批評家。近著に『くさらないイケメン図鑑』(河出書房新社)
●辛酸なめ子さん 漫画家、コラムニスト。近著に『おしゃ修行』(双葉文庫)、『愛すべき音大生の生態』(PHP研究所)、『魂活道場』(学研)など
外部リンク
山本未来さんが刺された住宅街の路地には花が手向けられている
「会うと必ずニコっと笑って、深々とおじぎをして挨拶してくれる。最近では珍しいくらい、いい子だったのに……」
そう近所の人々が嘆き悲しむのは、無残にも刺殺された山田未来さんのこと。
今年1月、沼津警察署に相談
事件は6月27日の真っ昼間の1時20分ごろ、静岡県沼津市郊外のみかん畑が広がるのどかな海沿いの集落で起きた。コンビニでアルバイトを終えた未来さんが、取りたての免許で運転していた母親の車から降りた直後だった。
自宅から70メートルほど離れた狭い路地で待ち伏せしていた堀藍容疑者が、猛然と刃物で襲いかかったのだった。
「助けてください、助けてください!」
と、未来さんの叫び声が静かな住宅街に響き渡ったが、容疑者は未来さんに馬乗りの状態になったまま、刺し続けた。背中など傷は10か所にも及んだという……。
未来さんは病院に搬送されたが、約2時間後に失血死。
当初、堀容疑者は殺人未遂で現行犯逮捕されたが、殺人容疑に切り替わった。
全国紙の社会部記者が次のように説明する。
「容疑者は犯行については認めているようですが、詳細な動機についてはまだ供述していません。2人とも静岡の三島市にある日本大学国際関係学部の国際教養学科2年生です。顔見知りだったと思われますが、容疑者が一方的に好意を寄せていたうえでの“暴発”だったようです」
未来さんは今年1月、「自分の電話番号を店舗の落書きやSNSに書き込まれる」などと沼津警察署に相談していたが、堀容疑者の名前は出なかったという。
地元では有数のみかん農家の長女として生まれた未来さんは、80歳近い祖父母と、両親、高校生と中学生の弟と同居していた。
「未来ちゃんはおじいちゃん、おばあちゃんっ子。ここらで若い子は高校を出るとほとんどが都会へ出てしまうが、彼女はホントに優しい子だったから、自宅を離れなかったんじゃないの。以前は免許がなかったので、お父さんがアルバイト先まで送迎していてね。家族仲もとてもよかった」(近所の住民)
小学校時代は、読書感想文で賞をとったこともある成績優秀な子どもだった。
「でも、中学校の後半は学校を休みがちだったそうです。何があったのか、理由はわからないけど」(同級生の父親)
容疑者が抱えていた持病
大学では、社交的な性格で友人も多かったという未来さんを殺めた容疑者は一体、どのような人物なのか─。
事件現場から北に15キロほどの三島市のキャンパスに近いアパートに暮らしていた堀容疑者。
大学ではボランティアサークルに入っていたが、女子学生にわいせつ画像を見せつけたトラブルもあったとも報じられている。
そこからさらに北へ60キロほど─。富士山を望む山梨県の河口湖のそばで容疑者は育った。
地元の小・中学校の同級生は、容疑者について次のように述懐する。
「両親と3つ年上の兄とアパートで暮らしていた。怒ったりキレたりするところは、1度も見たことないです。あまりしゃべらずおとなしくて、優しいやつでしたね。野球が好きで、小さいころは一緒にキャッチボールをして遊びました。勉強はまあまあできましたが、おとなしく、目立つタイプではなかった。いつもニコニコしているから、友達の間では愛されキャラでいじられキャラ。先生からも評判がよかったです」
当時、異性との接触はほとんどなかったようだ。
「女の子と話している姿は見たことない。誰が好きとかも聞いたことないし、女の子に人気があるということもなかった」(同級生)
彼らが今回の事件を「信じられない」と驚くのには、容疑者の持病とのギャップがあるからだ。
「堀は小さいときから身体が弱くて、心臓にペースメーカーを入れていたんです。だから、激しい運動はできなくて、体育の球技は見学していました」(同)
そんな身体で、あのような事件を起こすとは、よほどの出来事があったのだろうか。
物事にのめり込みやすい性格は当時からあったようだ。
同級生が続ける。
「西武ライオンズが大好きで、ファンクラブにも入会していました。1年に何回も所沢(埼玉県)のメットライフドームまで観戦に行ってましたよ」
ハンディキャップを抱えていたがそこまで野球好きであれば当然、中学の部活動は野球部となる。
野球部の仲間が証言する
「中学校では野球部に入ったんですが、一緒にやるのは最初のキャッチボールぐらい。ポジションは一応、サードでしたが、1度も試合に出ていないし、試合ではスコアをつけるなど、マネージャー的なことをやっていた。仲間とはうちとけて楽しくやっていましたけどね」
犯行前に2つのグループLINEから脱退
中学校を卒業するころ、容疑者一家は父親の転勤で茨城県に引っ越すことに。容疑者が進学したのは、甲子園常連の有名私立高校だった。野球部にこそ入らなかったが、思い入れがあったのかも。
しかし、そのころから精神のバランスを崩していたようだと、前出の同級生が話す。
「堀は、4年ほど前に、闇サイトや精神的に病んでいる人のツイートに、リツイートや妙な書き込みをしていた。すでに削除されていますが、大丈夫かなと心配でした」
さらには、事件の予兆と思われる出来事も。今年1月、未来さんが警察署にトラブルを相談していたころの話だ。
「そのころ、中学時代の同級生のLINEのグループから彼が突然、脱退したんです。どうしたんだろうと思いました」(同)
LINEグループは1度に、複数の人たちとやりとりができる機能だが、自分からみなとの交流を絶ったことになる。
前述のように、未来さんの相談が容疑者によるものかは不明だが、不気味な一致はもうひとつある。
今回の犯行の2週間ほど前のこと─。
「堀は中学校の野球部のLINEグループからも急に抜けてしまったんです」(前出・野球部仲間)
犯行を目論んで、堀容疑者は着々と“身辺整理”を行っていたのか。だとすると、激情に任せてというより、半年前からの計画性もうかがえる。
容疑者は事件前、未来さんのLINEの連絡先を知り、執拗に連絡をとろうとしていたとの情報もある。
そんなSNSに頼ったアプローチと思い込みの強さに、未来さんが拒否感を示し、堀容疑者から逆恨みを買っていたとしたら、そんな理不尽なことはない……。
外部リンク
松嶋菜々子と堤真一、『やまとなでしこ』の制作発表会見('00年)
「残念ながら、あなたといると、私は幸せなんです」
このプロポーズの言葉に胸がキュンとなった人は多いはず。'00年に放送された伝説のラブコメドラマ『やまとなでしこ』(フジテレビ系)がついに帰ってきた。
女性の憧れでもある「王道ラブコメ」
「最高視聴率34・2%を記録した大ヒットドラマです。松嶋菜々子さんが“幸せ=お金”という信念を持つ神野桜子役を、堤真一さんが貧乏な鮮魚店店主の中原欧介役を演じました。気持ちがすれ違っていた2人が結ばれるプロポーズの場面は、ドラマ史に残る名シーンです」(テレビ解説者の木村隆志さん)
再放送されることになったのは、新型コロナウイルスの影響で4月スタートのドラマが延期になったからだ。
「4月からドラマの制作がすべてストップし、月9枠で放送されていた『SUITS/スーツ2』も第3話以降の放送が延期に。空いてしまった枠を埋めるため、過去の名作を再放送することになったんです」(テレビ誌ライター)
'00年以降のフジ系の恋愛ドラマで視聴率トップの記録を持つ同作は、以前から再放送の要望が多かった。それだけに、再放送が発表されると、ネット上では《ずっと見たくてしょうがなかった》《本当に好き。再放送めちゃくちゃ嬉しい》といった、喜びの声であふれた。発表に合わせ開設された公式ツイッターのフォロワー数が、1日で1万人を突破するなど久しぶりのオンエアを喜ぶファンは多い。
「『ハケンの品格』や『花子とアン』などを手がけた脚本家・中園ミホさんの代表作です。玉の輿を夢見る桜子と彼女にひと目惚れして身分を偽ってしまった欧介という対比の王道ラブコメ。月9の人気が落ちはじめてきた時期でしたが、一気にブランドを盛り返しました」(木村さん)
主演の松嶋菜々子が女性の心をつかんだのがヒットの秘訣だと語るのはドラマに詳しいライターの田幸和歌子さん。
「松嶋さんが劇中で身につけるハイブランドのファッションや時計、バッグなどは当時の女性の憧れです。桜子のちょっと見栄を張る性格も、言葉には出しませんが女性の価値観・心情として確かにありました。いまだに“私のバイブル”と言う人も多いです」
前出の木村さんは劇中のセリフが視聴者の共感を得たと話す。
「セリフがとてもリアルで、恋愛や男女関係の本質を見事に突いています。少し過激なものもありますが、共感を得て、男女双方から支持を受けました。『桜子語録』という本にもなったほどです」
毎年再放送もされてきたが、'09年からは“お蔵入り”状態でまったく音さたがなかった。その理由は、出演者の不祥事にあると言われている。
「出演していた押尾学さんが、'09年に麻薬取締法違反で逮捕されました。最終的に懲役2年6か月の実刑となり、芸能界を引退。再放送の見送りに無関係とは言い切れません」(芸能プロ関係者)
ドラマ内には懐かしさがいっぱい
『やまとなでしこ』を改めて見てみると、この20年間で社会の常識がずいぶん変化したことを、何度か意識せざるをえない場面も。
「劇中では合コンのシーンが何度も描かれます。そこで始まるのは“山手線ゲーム”。ちょっと懐かしいですよね。お題に合った答えを順番にしていき、答えられなくなった人が負けというゲームですが、この遊びを知らない若い人は、30歳前後の男女が嬉々として遊んでいるのを見て変に思うかも。今ではなかなか見ない光景ですからね」(テレビ誌ライター)
特に、時代の違いを容赦なく見せつけるのが携帯電話だ。
「当時の携帯電話の人口普及率は42%ほど。持っていない人のほうが多かった。まだ固定電話が主流の時代でした」(一般紙記者)
桜子が帰宅後に自宅の電話の留守電メッセージを聞くシーンも時代感がある。スマホも当然なく、劇中に登場するのはすべて“ガラケー”だ。
「通話時に携帯のアンテナを伸ばしたり、電話がかかってくると“着メロ”が鳴ったり。もはや死語ですが、着メロは当時の最先端。桜子の着メロは『森のくまさん』でした」(前出・テレビ誌ライター)
桜子の職業にも時代が表れている。彼女は“スチュワーデス”と名乗っていたが、今はそういう呼び方はしない。
「“キャビンアテンダント”略して“CA”です。“スチュワーデス”という言葉は、性差別的として現在は使われていません。“スッチー”なんて略し方は、今だったら完全にNG。性差別に対する問題意識が世界的に広がっていますからね」(航空会社関係者)
しかし、描かれた“愛の真実”は変わらない。
「少し舞台は古くさくても、いつの時代にも響く普遍的な王道のラブストーリーですね」(木村さん)
桜子の心情も、20年前よりも現実味を増している。
「金の亡者のように見える桜子ですが、“お金は大切”というのは真実。その本音は当時よりも、リアルに生々しく響く人が多いのではないでしょうか」(田幸さん)
時代を超えて愛される作品として定着しそうだ。
心に響く!? 桜子の名ゼリフ集
■第1話■「借金まみれのハンサム男と裕福なブタ男。どっちが結婚して女を幸せにしてくれると思いますか?」
「心なんてきれいごと言ってたら一生、貧乏から抜け出せない。貧乏人を幸せにしてくれるのはお金。お金だけ」
■第3話■「身長や顔や性格は生まれながらのものよね。しょせん、遺伝子と環境の問題でしょ。本人の努力ではどうにもならない不公平なハードルがあるわよね」
「ハンサムな遺伝子が好きな女がノーマルで、お金持ちが好きな女がゆがんでる? そんなのおかしいじゃない」
■第10話■「だから何度も言ってるでしょう。恋になんか落ちちゃダメ。あんなものに落っこちるから人生とっ散らかっちゃうのよ。舞い上がったり落ち込んだり。そんなの単なるエネルギーのロスよ」
■第11話■「私には見えるんです。10年後も、20年後も。あなたのそばには私がいる。残念ながら、あなたといると私は幸せなんです」
外部リンク
SMAP
《既に要望は届き続けていることと思います。調整に時間がかかっているのだと理解しています。私達の受信料での放送局としての英断を!》
毎週月曜日の夜10時から11時ごろまでの間、ツイッターをはじめとしたSNS上にはこんな切実な声が上げ続けられているのをご存知だろうか。
“彼女”たちが「#SMAP完全版」「#nhk_rerun(再放送)」のハッシュタグとともにメッセージを届けている相手はNHKで、要望しているのは『プロフェッショナル仕事の流儀SMAPスペシャル完全版』の再放送だ。
事の発端は4月8日、同番組が公式ツイッターで過去の傑作から再放送リクエストを募ったことから始まる。すると翌日までに8000件以上のリクエストコメントが寄せられ、そのほぼ全てが“SMAP完全版”を望む声だったのだ。
にもかかわらず、「再放送決定」の吉報は届かず。ファンの「まだか、いつか」の大合唱に『プロフェッショナル』は、
「“こんな時だからこそもう一度見たい…という気持ちは私たちも同じです。可能性、探り続けていきます”と番組ツイッターで応えたのです。NHKとしては、あくまでも“努力していますよ”、再放送できないのは“こちらのせいではないですよ”とアピールしたかったのかもしれません。とはいえ、NHKは国民の受信料で運営される公共放送ですから、視聴者の要望に対してしっかり“結果”で返す責任があると思いますよ」(民放キー局関係者)
NHK「みなさまの声」に異変
NHKが「可能性を探り続けて」約3か月が経つ今も、冒頭のようなファンの声を含めた、SMAPを求める行動は衰えるどころか勢いを増しているのだ。
彼女たちの“標的”になったのは番組ツイッターだけにとどまらないーー。
NHKの公式HPには、視聴者の声を紹介する《みなさまの声にお応えします》というコーナーがある。ここに届いた意見や要望、問い合わせは集約されて各部署で共有されるというのだが、「週刊みなさまの声」最新号(6月15日〜6月21日)内の《再放送希望の多かった番組》ランキングに、『“可視化”でまるわかり! 新型コロナ対策の新常識』に次いで、2位に“SMAP完全版”がランクインしているのだ。
「もはや執念。NHKとファンの我慢くらべですね(苦笑)。再放送できないのは、二次使用を含めたSMAPの版権をジャニーズ事務所が所有しているからとも言われています。加えて、香取慎吾ら『新しい地図』の3人と中居正広の独立。そして残留した木村拓哉と、SMAPが3つに分裂している現状では、そこをクリアにするのは難しいと言わざるを得ません」(芸能プロ幹部)
SMAP完全版は放送されるのだろうか。NHK広報部に問い合わせると、
《お問い合わせの番組については、現時点では放送の予定はありません。再放送する番組は、視聴者の方々からの要望やさまざまな要件などを踏まえて判断しております。決まり次第、番組のホームページなどでお知らせしております》
と書面で回答。《再放送できない理由》も併せて聞いていたのだが、そこには触れられなかった。
SMAP時代は「適当だった」
6月29日、主演ドラマ『BG〜身辺警護人〜』(テレビ朝日系)の番宣を兼ねて出演した『帰れマンデー見っけ隊!! 3時間SP』で、2月に開催されたソロツアーについて触れた木村。1人で『夜空ノムコウ』も歌唱した同コンサートで「初めて喉のケアをしましたね」と気合が入っていたことを明かし、一方でSMAP時代は「もう、なんか適当」とおどけて見せた。
「もちろん、場を和ませる冗談でしょうが、そのコンサートシーンも収録された“SMAP完全版”を待ち続けているファンにとって、あれは“適当”と言われたら良い気はしないのでは? ファンには酷ですが、この木村の姿だけで再放送は実現しないと思えてしまいます。
すでにメンバーはそれぞれの活動を確立しているわけで、再放送は現在の彼らのイメージや戦略、クライアントとの契約に影響する可能性もあります。彼らは今後も“ソロ”で稼いでいくわけで、いまさらSMAPというグループのイメージを蒸し返されたくないメンバーもいるのかもしれません」(前出・芸能プロ幹部)
ファンが思うほど、全てうまくはいかないみたいだ。
外部リンク
勤務先の洋菓子店から出る小室佳代さん
「'18年8月、小室圭さんがアメリカ留学に旅立ってからというもの、母親の佳代さんは姿をほとんど見せず、自宅に引きこもっていました。
その間に、以前勤めていた都内にある洋菓子店『マッターホーン』を退職したそうですが、実は今年4月ごろ、こっそりと“再就職した”と聞いています。眞子さまと圭さんの結婚問題の鍵を握る“金銭トラブル”解決のため、ついに動き始めたと囁(ささや)かれているんです」(宮内庁関係者)
'18年2月に宮内庁から発表された、眞子さまと小室圭さんの婚約延期。
前代未聞の出来事からすでに2年半が経過しているものの、今後の見通しは不透明なまま。そんな中“結婚問題のキーマン”がついに動き出したウラには、いったいどんな思惑があるのだろうか──。
「秋篠宮家は、悠仁さまを除いた4人が毎週、新型コロナに関しての専門家や医療関係者、その他団体からのご説明をオンラインで受ける日々を送られています。
眞子さまも先日、総裁職を務められている『日本工芸会』と『日本テニス協会』の関係者から、コロナによる影響について、単独でご説明を受けられました。
客員研究員という非正規雇用でお勤めになっている博物館『インターメディアテク』は、しばらく在宅ワークでしたが近々職場での仕事に切り替わる予定とのことです」(秋篠宮家関係者)
一方の小室さんは、留学中のニューヨーク州にあるフォーダム大学ロースクールが夏休みに突入している。
「コロナが蔓延しているニューヨーク州ですが、小室さんが在学中のロースクールでも感染者が出たこともあり、すべての授業がオンラインに。学生寮も封鎖されたので、おそらく現地に住む知人などを頼っているのでしょう。
5月いっぱいで、留学2年目の授業が修了し、9月ごろに始まる3年目のシーズンまで夏休みに入っています」(皇室ジャーナリスト)
変わらず勉強にいそしんでいます
現在の小室さんの様子や、最近話題になった“起業家の資金調達”をテーマとして執筆した論文などについて、代理人である上芝直史弁護士に聞いてみると、
「大学が休みということは関係なく、授業があったときから変わらず勉強にいそしんでいます。当初から、幅広い分野に興味を持って勉強しているのですが、たまたま(起業家の資金調達をテーマにした分野を)論文にしただけであって、現在もいろいろな分野に目配りしながら勉強していますよ。
もし、その分野が論文を書いたことでひと区切りしたのであれば、今は別のことを学んでいることでしょう。勉強のテーマをしぼっているわけでも、各分野に次々と目移りしているわけでも決してありません」
とのことだった。
今後、アメリカから帰国する予定は当分ないというが、いち学生である小室さんがここまで注目されてしまったのは、眞子さまとの婚約延期に至った“きっかけ”も一因にあるだろう。
'17年12月に週刊女性がスクープした、小室佳代さんが元婚約者男性・竹田さん(仮名)に400万円超の借金を抱えていたトラブルが発覚したことにより、おふたりの結婚にストップがかかったといわれている。
おふたりが“ゴール”するには、秋篠宮さまが求める“金銭トラブルの解決”と“国民から祝福を受ける”ことが条件という見方が強い。
一昨年の2月に婚約延期が発表された際には“お代替わりに関する一連の行事が終わった'20年に改めて、結婚行事のスケジュールを公表する”と、宮内庁は発表したのだが、今年に入ってから、誰もが予想できなかった事態に……。
コロナ影響で“結婚回答”も後ろ倒しに
「新型コロナが流行し、日本も感染者が増加したことで、4月中旬から5月初旬にかけて予定されていた、秋篠宮さまが『皇嗣』になられたことを国内外に宣言する『立皇嗣の礼』に関する行事がすべて延期になりました。
この儀式がお代替わりに関する最後の儀式だったため、『立皇嗣の礼』が終了する5月をめどに、眞子さまのご結婚について“何らかの発表”があると思われていたのですが、儀式の延期とともに“結婚回答”も後ろ倒しになったのです」(前出・皇室ジャーナリスト)
しかも、年内開催で調整されていると報じられた『立皇嗣の礼』だが、実は“再延期”が濃厚だと前出の秋篠宮家関係者が続ける。
「『立皇嗣』はお代替わりの一連の儀式であるので、昨年10月の『即位礼正殿の儀』から1年以内に行いたいという思いはあるのです。
ただ、最近のコロナ感染者数の増加傾向を見ると、今秋までに事態が収束しているとは思えませんし、公務のめどもいまだに見えていません。秋篠宮家の方々は毎週、多くの専門家からコロナ禍の影響について熱心にご説明を受けたり、不足している医療用のガウンを手作りされるなど、国民を案じられています。この状況での開催には正直、賛成しかねると思われます。
それらの事情から、水面下で“年内の開催は厳しい”という判断に至ったそうです」“結婚回答”も、来年に“再延期”されることが濃厚のようだ。
一方で、解決が必須である金銭トラブルの現状を、竹田さんの代理人に聞いた。
「昨年8月に先方の代理人弁護士と竹田さんと私の3人でお会いして以来、連絡すら1度もとっていないし、何の進展もありません。
竹田さんとは4月ごろにお会いしましたが元気はなく、普段のメールでのやりとりでも金銭トラブルの話題は出ていません。
今も借金の全額返済を求めている竹田さんですが、おそらく、これまでいっさい進展がないことで、諦めの気持ちが生まれているのかもしれませんね……」
竹田さんの心が折れかけるのもしかたのない状況の中、佳代さんが“再就職”したのはなぜなのだろうか。
「『マッターホーン』は、スイーツ好きなら知らない人はいない都内の有名洋菓子店です。雑誌の手土産特集の常連で、全国からファンがわざわざ来店するほど。松任谷由実さんや三谷幸喜さんなど、多くの著名人もお気に入り。しかも、佳代さんは一時期、お菓子店の開業も考えていて、自宅近くに土地を探していたという話もあります。
これまで姿を隠していた佳代さんが、わざわざ同じ職場に戻ってきたのは、お菓子へのこだわりと、ブランドイメージの高い『マッターホーン』に、よほど強い思いがあるからだと思います」(前出・宮内庁関係者)
トラブルを解決する思いはあるのか
“こだわりの店”で働き始めたもうひとつの理由は、トラブル解決へ動き出したという声も上がっている。
「佳代さんは、4月から月に数回程度『マッターホーン』で裏方の仕事を始めています。なんでも、彼女の代理人でもある上芝弁護士からお店に連絡があり、“経済的な理由で、佳代さんを再び雇ってほしい”ということで、お店も受け入れたんです。
『マッターホーン』での収入がない中でも、すでに他界している夫の敏勝さんの遺族年金などで生活できていたことから、“借金を返すための資金作りなのでは”と言われているのです」(同前)
佳代さんが再就職した経緯について上芝弁護士に問い合わせると、
「その質問に対して、お答えする立場にはございません」
とのことだった。
そこで、真実を確かめるために6月下旬、佳代さんの動向を追ってみると──。
自宅からタクシーに乗った佳代さんは、最寄りではない遠くの駅に到着すると、そこから電車に乗り、なぜかまた『マッターホーン』の最寄りではない駅で下車。さらにそこから、再びタクシーに乗って勤務先へ出勤した。
夕方に勤務が終わると、商店街で用事をすませた佳代さんは、再びタクシーを近くに呼び寄せたので、記者が「竹田さんとのトラブルを解決する思いはあるのか」といった質問をぶつけると、
「ご苦労さまです……。すみません」
と答えるだけで、タクシーでどこかに消えていった。その1時間後に帰宅した際も別のタクシーだったことから、この日だけで少なくともタクシーに“4回”乗っていることになるのだが……。
すでに借金を返済している?
「佳代さんはこだわりがあるのか、人気コーヒーチェーン『スターバックス』の4000円以上するステンレスボトルに飲み物を入れて、職場に持って来ているそうです。
なるべく人目を避けているのか、自宅近くではなく、勤務先のある商店街の100円ショップで買い物をしたり、そのほかの用事をすませ、病院にも通っているんだとか。
先日は郵便局に立ち寄っているところを見かけたのですが、郵便物などは持っていなかったので、どこかに送金をしていたのかなと思いました」(洋菓子店関係者)
送金が事実だとすれば、留学費用を奨学金などでまかなっている圭さんではなく、竹田さんに“借金を返済している”ことも考えられるのだが、代理人は「送金はないと聞いている」と話す。
ただ、代理人は以前に「今後、進展があった場合、内容を黙秘する可能性も当然あります」と週刊女性に語っており、お金のやりとりがあるという事実を隠していることも否定できない。
「これまでずっと、自宅に引きこもっていた佳代さんが、再就職していたのは驚きです。秋篠宮さまが求める“金銭トラブル解決”のために、少しでも収入を増やすことで、返済に回したいという思惑があるのかもしれません。
来年にズレ込むという“結婚回答”までに、トラブル解決の道筋がある程度見えていれば、眞子さまのご結婚が成就される可能性も高まると思いますよ」(ベテラン皇室ジャーナリスト)
来年は、小室さんの留学が終了する'21年。おふたりの幸せな発表はあるのだろうか──。
外部リンク
'20年6月、初めて“タピオカ恫喝騒動”について語った木下優樹菜
《弊社所属・木下優樹菜は7月1日に活動再開を発表いたしましたが、今後の活動に向け慎重に協議を続ける中で、当社として今後同人との信頼関係を維持することが著しく困難であると判断し、また本人からの申し出を受けたため、専属マネジメント契約は解除、木下優樹菜は芸能界引退する事となりました》(所属事務所のホームページより)
自身のSNSで芸能活動再開を発表したばかりの木下が、1週間もたたないうちに引退に追い込まれた。
「事務所からの発表では、“このような結果になりまして、当社として誠に不本意であり、マネジメント会社としての責任を痛感しております”としているので、双方が同意の上の引退でないのは明らか。後味の悪い結末になってしまいました」(スポーツ紙記者)
実父が娘に送っていたメッセージ
木下は'07年に “ヤンキーキャラのおバカタレント”としてブレイク。‘10年8月にはお笑い芸人の藤本敏史と結婚し、近年はママタレとしても活躍していた。
順風満帆だった彼女が“ヤンキー丸出し”の騒動を起こしてしまったのは、昨年11月のこと。
「木下さんの実姉が勤務するタピオカ店でのトラブルに彼女が介入。《事務所総出でやりますね》と恫喝メッセージを送りつけたことが発覚したことで芸能活動を自粛することになりました。その後も、サッカー日本代表の乾貴士選手との不倫疑惑や、昨年末に離婚した藤本さんと今も同じマンションに住んでいることから“偽装離婚疑惑”が囁かれるなど、なにかと世間を騒がせましたね」(同・スポーツ紙記者)
そんな彼女は、6月中旬に本誌の直撃に対して、
「再開したいというより、母親として再開しなきゃという感じです。いまは、自分がやるべきことをやっています」
と、答えていた。
タピオカ店からの訴訟も考えられる状況での復帰宣言。家族には何か報告していたのだろうか。都内にある彼女の実家で、父親を直撃した。
――木下さんからは、復帰に関して聞いていましたか?
「何も聞いていないね……」
――最後に木下さんとお話ししたのはいつですか?
「タピオカの件で騒動になったとき“人様に迷惑をかけるんじゃない”とメールで伝えました。それが最後です」
本誌が木下に直撃したときは、「最近、実家に帰った」と話していたが、そうではないようだ。
――離婚後、藤本さんとはお話をされましたか?
「それは答えられません。今は温かく見守ってほしいですね。それだけです」
そう答えると車に乗って去っていった。
家族にも伝えていない様子の木下だが、なぜ引退ということになってしまったのだろう。
「事務所としては、若者向けのネット広告を狙って、水面下で必死に営業をしていました。事務所側から契約を解除するとは考えられないので、木下さん側に何か重大な過失があったいうことなのだと思います」(芸能プロ関係者)
6月の直撃時には「ファンの方には、きちんと自分の言葉で話したい」と言っていただけに、引退の真相についても、説明してほしいけど……。
外部リンク
木下優樹菜ファンクラブ『MY HOMMIE 木下組』の会員証(ツイッターより)
業・界・激・震!
そう、芸能活動再開からわずか5日後の7月6日に突如引退を発表したユッキーナこと木下優樹菜である。そのタレントとしての最期はあまりにミステリアスだった。
所属事務所が具体的な説明もなく《今後の活動に向け、慎重に協議を続ける中で、当社として今後同人との信頼関係を維持することが著しく困難であると判断し》と意味深なコメントを残しているからだ──。
アンジャッシュ渡部健が『週刊文春』の報道が出る前に自粛を決め、「視聴者が不快に思うスキャンダルを起こした」とこれまた意味深なコメントを出したことも記憶に新しいが、この“さて、何が起こったのでしょうか! お考えください”的深読みクイズが芸能界のトレンドなのだろうか。
5日前の電撃復帰に際し、ユッキーナが出したコメント《今はただ目の前のことをコツコツ私らしく頑張っていこうと思っています》が、今やダイイングメッセージのような不気味さすら放っている。ママタレの神器であるインスタグラム(フォロワ500万人超)もアカウントごと削除、“事務所総出”を感じさせる幕引きに謎は深まるばかりだ。
ユッキーナファンは引退に何を思うのか
再自粛でなく、即引退。急転直下のユッキーナに、いったい何が起こったのだろうか。“タピオカ恫喝騒動”や“縦読み匂わせインスタ”により浮上したサッカー選手との不倫疑惑などが取り沙汰されてきたが、これ以上の爆弾があるっていうのか……。もしや渡部のパターンと同じく週刊誌に何かとんでもない記事が出るのか? と思い、各週刊誌のWEB媒体がどう報じたのかをチェックしてみたが、みな一様に「〜ではないでしょうか」「〜なのかもしれません」調で、まだ核心にまでたどり着けていないといった感じだ。
しかし、どうしたってもう引退はひっくり返らなさそうである。元夫のフジモンこと藤本敏史も急遽コメントを発表し、《私、藤本敏史は、今後も子供たちを含めて支えてまいります》としつつ、《マスコミのみなさまにお願いです。彼女は、本日を以て、芸能人ではなく一般の方になります。子供や家族、近隣の方々の日常生活の為にも、報道にご配慮いただけますようお願いいたします》とした。
何年も連続で『好きなママタレランキング1位』だった彼女が、昨年のタピオカ騒動を受けて以降、ここまで転がり落ちてしまうと誰が予想できただろうか。彼女にまつわるニュースが出るたびにネット上は厳しい非難の声で埋め尽くされた。今回の「引退」に関しても例外ではない。
ふと気になったのが、“ユッキーナのファンは今回の引退についてどう思っているのか”ということだ。彼女(大抵のファンは女性と聞く)たちからすれば、逆風に立たされながらもついに復帰、またユッキーナを応援できると思ったわずか5日後に引退というまさかの“復帰ドッキリ”という謎の展開にさぞショックを受けただろう。そんなファンたちは、今──。
木下優樹菜のファンはSNSでよくファンクラブの『木下組』(ちなみにファンクラブのイベントのことを“集会”と呼ぶのだそう。さすが元ヤン)にちなんで「♯木下組」というハッシュタグをつけて投稿すると聞く。普通に名前で検索をかけても誹謗中傷のコメントしか見当たらないので「♯木下組」で検索をかけてみた。
「やばっ あーゆーれりー?」
しかし、今回の引退発表で思いを綴っているファンはツイッター、インスタグラム合わせても片手で数えられるほどしかなかった。ついに「引退」だというのにあまりにも彼女を惜しむ声が少なすぎて悲しくなる。もはや木下組の構成員を名乗ること自体が“分が悪い”ことなのかもしれない。現にファンの投稿にはアンチとおぼしき者からの「さびしいですね(笑顔の絵文字三連発) ホントに悲しい(クラッカーの絵文字3連発)」といった煽りコメントが届いていた。
もはやSNSという公の場にはユッキーナのファンの居場所はないということか。タピオカ騒動以来、ずっとファンはこのような迫害を受け、徐々に彼女のことを支えきれなくなったのかもしれない。どおりで投稿が少なくなるわけだ。
ここで私は、ファン最後のサンクチュアリである公式ファンクラブ『MY HOMIE 木下組』に会員登録してみることにした。このコミュニティにならファンが集まっているかもしれない、と踏んだからだ。木下優樹菜最後の日にファンはどんな声をあげているのか。年会費5000円を払ってでも知りたい。
会員登録をするためにまずメールアドレスと任意の仮パスワードを設定し、送信した。すると、《入会手続メールの送信が完了しました》の通知画面が開かれ、その下にユッキーナからのメッセージが表示される。
《おはよ〜〜!! おはこん(ハートマーク) from YUKINA こんばみー やぶんに(ハートマーク) やばっ あーゆーれりー? 題名なし おやすみ前のひとも。おやすみ中のひとも PoN!》
ほぼ解読不能なのは、私が本物のファンでないからか。それとも縦読みすべき文章なのか。「ガチ」と「潜り」をあぶり出す踏み絵の存在に焦るが、'09年に開設されたファンクラブということもあってか、『クイズ! ヘキサゴンⅡ』の時代のキャラが文面いっぱいにあふれていてなんだか切ない。10年間の歴史とその悲哀を感じさせる名文である。
そして私はメールアドレスに届いた入会手続きを完了させるページへと飛んだ。しかし、表示されたのはただただ無機質な知らせであった。
《多くの皆様に多くの皆様にご利用いただきましたが、2020年07月07日をもちまして閉鎖させていただきます。これまでの多くのお客様にご利用いただき心より御礼申しあげます》
ページを何度もリロードするも、繰り返し表示されるのは同じ画面。ふと見上げると、時計の時刻は0時1分を指していた。
……そう、私はファンクラブ閉鎖の瞬間に立ち会ったのである。7月7日の0時をもって木下組という一大勢力は突如として解散の運びとなったわけだ。
「フォロワー500万人超えのインスタ」「ファンクラブ」今まで積み上げてきた全てのものが一夜にして消える。アンチと戦いながらユッキーナへの想いを綴る組員たちの居場所はいずこ。
〈皿乃まる美・コラムニスト〉
外部リンク
'20年、梅雨の晴れ間にスレンダー美女の妻を連れて繁華街のデパートに出かける津田健次郎
折からのコロナ禍で、放送を一時中断することになったNHKの連続テレビ小説『エール』。当面、これまでの再放送でその穴を埋めるという。
そんな『エール』のナレーションを務めているのが、“ツダケン”こと声優の津田健次郎。その低音ボイスで大人気の声優だ。大人気アニメ作品である『薄桜鬼』『テニスの王子様』『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』や、映画『スター・ウォーズ』シリーズの吹き替えも担当。彼の公式ツイッターのフォロワー数は、50万人を優に超える。
「津田さんは、もともと俳優なんです。渡辺謙さんの出身劇団の養成所に入って芝居の道に。『JIN-仁-』『花より男子』といったドラマへの出演経験も」(舞台関係者)
それが、20代半ば、当時の所属事務所からすすめられ、アニメの声優オーディションを受けたところ一発合格。
「今ではすっかり声優のほうが本業です。声優なんですが、写真集も出版されているほどのイケメン。その写真集は、今では定価の6倍ものプレミアムがつくほどの人気です」(アニメ制作会社関係者)
恋愛・結婚にはアイドル以上に神経質
『エール』ナレーターとして津田の起用が発表され、放送が開始するやネット上にはファンの歓喜の声があふれた。
《朝から魅惑ボイスが毎日聞ける幸せ》《ツダケン聞くためのドラマになってる》《表現力がやばい》
実際、回を追うごとに津田の“語り”が、存在感と評価を増しているという。
「一般の視聴者の方からも、そして制作スタッフや出演者からも“バックに音楽がかかっている中でも、よく聞こえる”“津田さんの声が落ち着いていて心地いい”“高齢者にも聞き取りやすいし、何よりうまい”と絶賛されているんですよ」(NHK関係者)
だが、そんな津田には、今まで1度も語ることがなかった大きな“秘密”があった。
「実は津田さん、結婚しているんです。籍を入れたのは、もう10年以上前のことだと聞いています。お子さんもいらっしゃるそうで。津田さんに近しい関係者や知人の間では、公然の秘密です」(前出・舞台関係者)
声優専門誌やアニメ専門誌をはじめ、数多くのインタビューに答えている津田だが、これまで結婚についてはもちろん、私生活すらも、ほとんど語っていない。
「取材では“恋愛観や女性観、過去の恋愛話についての質問はNG”というのが暗黙の了解。まぁこれは津田さんに限らず、声優業界……特に男性声優さんでは、よくあることですけどね。声だけで表現する仕事ですから“出演作品や演じるキャラクターのイメージを損なわないように”ということを気遣うんです。最近でこそ、交際や結婚をオープンにする声優も増えてきましたが、ある意味、アイドルよりも恋愛や結婚については神経質な業界なんです」(前出・アニメ制作会社関係者)
「本当に厳しかった」交際初期
その一方で、ファンの間では以前から、津田の“結婚説”が囁かれ続けてはいた。
「昔、彼と仲のいい声優が“津田さんは結婚してお子さんもいますよね?”と公の場でポロッと発言したことがあったんです。ただ、それは気の置けない仲間同士の軽口みたいなノリだったので、当時は結局“ただの冗談でしょ”という結論になって」(同・アニメ制作会社関係者)
インターネット上に《ツダケンが夫婦で買い物をしていた》といった目撃談が何度か書き込まれたこともあったものの、どれも真偽不明の話ばかり。結婚説は噂や憶測の域を出なかった。
6月下旬、閑静な住宅街にある津田の自宅を訪ねると、はたして、噂は本当だった。
「男の子と女の子、お子さんは2人いらっしゃって、いつもにぎやか(笑)。この間もご自宅の敷地に“鳩が巣を作った!”って、ご家族みんなで、そっとのぞき込んでいましたよ」(近所の住民)
ある日の昼下がり、妻とおぼしき女性と外出した津田。白いTシャツに黒いジャケットとパンツを合わせ、足元はショートブーツ─モノトーンでまとめた着こなしは、とても49歳には見えない。女性のほうもモノトーンでそろえさながらペアルックのよう。繁華街での買い物を終えるとふたりはそろって帰宅した。
津田が家庭を持っていることは疑うべくもない。日を改めて、津田本人に話を聞くと、言葉を選びながらも、はっきりと語ってくれた。
「結婚して15年……いやもう少したっていますね。妻とは僕が駆け出しの役者のころに出会いました。大学を出た後に劇団の養成所には入ったんですが、劇団員にはなれなくて。フリーで役者をやっていたころに出会って、すごく長く付き合っていたんです」
当時を振り返り、「本当に厳しかった」と苦笑いする。
「売れなくて売れなくて……。ドラマにもちょろちょろ出ていたりはしたんですが、セリフもひと言だけ、とか。今も再放送を見ることがあったりすると“うわぁ……恥ずかしい!”って。ファンの方は“ツダケンが出てる”と言ってくださるんですが、出てると言えるほどでは(苦笑)」
「家族は絶対に守りたかったので」
俳優の仕事だけでは当然、生活はできない。
「バイトしながらで、すごく貧しかった。もちろんヒモではなかったですけれど(苦笑)、ずっと彼女が精神的に支えてくれていたんです。なんとか食えるようになってきたときに普通に結婚をして普通に子どもが生まれて……。今、子どもは2人です。息子と娘が1人ずつ。家族で僕の出演作品を見ることはあまりないんですが、ただ、めっちゃ仲よくはやっています」
なぜ糟糠の妻と、わが子の存在を公にしなかったのか?
「隠していたという表現には違和感があって。仕事場で自然と家族の話になることもありましたし。ただ、オフィシャルに質問されたことが、そもそもないんですね。気がついたら、こういう形をとっていた……というのが正しい表現かもしれません。
ちょうど結婚直後に、身の危険を感じるような怖い思いをしたこともあって、“あえて結婚を発表するのはちょっと……”と考えた部分もあります。僕に危害が加えられるのはかまわない……いや、かまわなくはないんですが(苦笑)、家族は絶対に守りたかったので」
自身のファンへ話が及ぶと、津田は少し間を置いた。
「応援してくださる方々がどう感じるかは、やっぱりすごく気にしています。もしも、ショックを受ける方がいらっしゃったら、本当に申し訳ない。ただ、願わくは、みなさんの人生のポジティブな彩りのひとつにしていただけたなら、ありがたいです。こんなしょぼい人間を応援してくださる方々には感謝しかありません。これからもいい仕事を精いっぱいしていくことが、いちばんのお返しになると思っています」
津田のこれからに週刊女性もエールを贈りたい─。
外部リンク
渡部建
「タクシーチケットを使っての乗車なのに“領収書をくれ”と言われたんです。20年以上も運転手をやっていますが、そんなの初めてでした」
そう証言するのはベテランのタクシー運転手。5年ほど前のことで、乗せた客は“トイレ不倫”で自粛中のアンジャッシュ渡部建だったという。
「日本テレビの麹町スタジオに呼ばれました。『行列のできる法律相談所』の収録帰りだったようで、目黒区のマンションまで乗せたら、支払いのときに領収書をくれと」
タクシーチケットは、契約している会社が後で一括して乗車賃を支払う仕組みだ。
「日本テレビはタクシー会社と契約して、チケットを発行しています。1回限り使えるものを、収録後にマネージャーさんに渡すことが多いですね。後でテレビ局が支払うことになりますから、運転手とお金のやりとりはありません」(日本テレビ関係者)
悪質なものは刑事罰の対象に
お金を払っていないのだから、領収書をもらう必要はない。それでは何に使うのか。同じタクシー会社の運転手によると、
「チケットでタダ乗りしたのに、領収書をもらって経費精算して節税をする“二重取り”が問題になっています」
つまり、渡部には“脱税”の疑いが浮上しているのだ。
渡部が領収書を要求したのはこのときだけではない。別のタクシー運転手も証言する。
「麹町スタジオから渡部さんを乗せました。チケット利用でしたが、降りるときに“レシートないの?”と聞かれたので領収書を出しました。二重取りかと思いましたが、客商売なので断れません」
渡部の乗車したタクシー会社に問い合わせると、
「降車の時点ではお金をいただいていないので、領収書は発行しません。かわりに未収書をお出しします。支払料金を確認するためのものです」
しかし領収書の発行のほうが簡単で、客に求められれば渡す運転手は多いようだ。
もし経費を不正請求した場合、罪に問われる可能性はあるのか。税理士法人リライトの白石真敬さんに聞いた。
「タクシーチケットの利用者が領収書を受け取り、個人で経費計上すれば、脱税になります。発覚すれば重加算税が課され、悪質なものは刑事罰の対象になります。タクシー代を経費として計上すると、中小企業の場合は領収書額の3割程度が節税になります」
渡部はなぜ領収書を要求したのか。所属事務所を通じて本人に確認すると、
「タクシーチケットで乗車した際、普段から金額の確認のため、未収書を受け取っています。誤って経費に計上されないよう、本人と税理士がダブルチェックしているので、まざることはありません」
そもそもテレビ局が支払う乗車賃の金額を確認する必要があるのかは疑問だが、お金の管理はキチンとしているようだ。トイレに呼び出していた女性に1万円を渡して不倫したときも領収書を求めたなんてことは、まさか、ね?