時代が「昭和」へ帆を揚げた1928(昭和3年)年、大崎水産も広大な食品製造という海に漕ぎ出しました。創業地の広島・草津は、瀬戸内海の恵まれた漁場で知られ、良質の魚を使う「かまぼこ」作りで栄えた街。1935(昭和10年)年に実家を継いだ二代目・大崎勝一は、1950(昭和25年)年に従来の板かまぼこ製造から珍味かまぼこ製造へ新たな舵を取る英断をくだしました。それは当時の草津だけでも80近くのかまぼこ製造業者が共存していた時代、大崎勝一は「競合の潰し合いでは発展がない、それなら自分の発想とアイデアで新しい商品を創る」と行動へ移し、この想いが独自の揺るぎないブランド創造へつながっていくのです。
同業他社に競合しない製品開発、それがオオサキのブランド発想。
第二代社長・大崎勝一と千慧子夫妻。
商品だけでなく生産の機械まで製造するアイデアマンだった勝一。まさに二人三脚の愛情と多くの仲間があってこそ現在のオオサキはあります。
進化するブランド「フィッシュスチック」。
珍味製品として製造していた「かに胡瓜」がフィッシュスチック誕生のきっかけでした。これは胡瓜をくり抜き魚のすり身とカニ肉を詰めたもので、その製造機に残る魚肉とカニ汁が混ざると、カニのような味になることに着目。この小さなひらめきが大きな変革になったのです。
カニのような赤色は日本酒の色付けにも使われる紅麹から取った天然色素、納得いくまで何度も製造ラインの改良を重ね、大量生産の自動化に成功。開発から販売・輸出まで4年の歳月を経て、「フィッシュスチック」は「カニカマ」の代名詞となる存在へ進化していきます。戦後の食品三大発明と言われる「インスタントラーメン」「レトルトカレー」「カニカマ」。その一つに評価されるブランド誕生は、私たちが挑戦を重ねた結晶そのものです。
世界の「食文化」を支えるトレンド、
それに根差した「美味しさ」を各国のお客さまにお届けしています。
当社の主力製品「フィッシュスチック」は、北米を中心にアジア、ヨーロッパなど、世界40か国の取引実績を持っています。海外でも「カニカマ」は優れた料理素材として機能性・汎用性が認知され、幅広いメニューに活用されています。こうした強みと発展性に満足するばかりではなく、今後も各国の食文化や習慣・味覚に合った新しい献立など、楽しみ方のさまざまな提案にも注力し、長く愛され続けるグローバル&オリジナルな商品をお届けしていきます。