本コラムでは、国内MBAの難易度について説明します。難易度と言いましても、大学受験のような偏差値という概念は、国内MBA受験にはありません。
そこで国内MBAの難易度を測る目安として、ここでは受験倍率を取り上げて、倍率が高い大学院を難易度が高い国内MBAと定義します。
その上で、難易度が高い国内MBAはどこの大学院か、その大学院を素人が目指すには、受験の何か月前くらいから勉強を開始すべきかについて説明します。
目次
【飯野一講師が動画で解説!】
アガルートアカデミー国内MBA試験の飯野一講師が、人気のビジネススクール、青山学院大学、神戸大学、慶應義塾大学、筑波大学、東京都立大学、一橋大学、早稲田大学の倍率について解説します。
合格倍率を公開しない大学も多いですが、気になるポイントかと思います。
ぜひ参考にしてみてください。
国内MBAの難易度
国内MBAの難易度を測る目安として、受験倍率をMBA大学院ごとに紹介します。
国内MBAを開講する大学院も近年は数が増えて50校を超えています。
この50校がすべて難易度が高いかというと、そんなことはありません。
国内MBAの場合は、難易度が高い大学院はごく一部です。
そこで、本コラムでは、難易度が高い(倍率が高い)国内MBAをご紹介します。
難易度(倍率)が高い国内MBA
- 京都大学経営管理大学院
- 慶應義塾大学大学院
- 神戸大学大学院
- 筑波大学大学院
- 一橋大学大学院
- 早稲田大学大学院
京都大学経営管理大学院
1つ目は、京都大学経営管理大学院です。
京大は実務経験がなくても受験できる一般選抜と、社会人が対象の特別選抜に分けられます。
2021年度の一般選抜は203名出願して、27名の合格者ですから、倍率は7.52倍となっています。
特別選抜は、71名受験して、31名合格ですから、受験倍率は2.29倍となっています。
| 2020年度 | 2021年度 | |
|---|---|---|
| 一般選抜 | 5.80倍 | 7.52倍 |
| 特別選抜 | 2.00倍 | 2.29倍 |
※参考:入試データ
慶應義塾大学大学院
2つ目は、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)です。
KBSには全日制のMBAと実務経験15年以上の方を対象としたE-MBAがあります。
全日制の方は、2021年度は391名受験して104名の合格ですから、3.76倍となっています。
E-MBAは、81名受験して58名の合格ですから、1.40倍となっています。
| 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
|---|---|---|---|
| MBA | 2.70倍 | 3.08倍 | 3.76倍 |
| EMBA | 1.28倍 | 1.43倍 | 1.40倍 |
※参考:入学試験要項
神戸大学大学院
3つ目は、神戸大学大学院経営学研究科です。
2021年度の入試は、141名受験して、71名合格ですから、受験倍率は1.99倍となっています。
| 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
|---|---|---|
| 1.87倍 | 1.80倍 | 1.99倍 |
※参考:2021年度入学生情報
筑波大学大学院
4つ目は、筑波大学大学院ビジネス科学研究科です。
ビジネス科学研究科には、経営学専攻と国際経営プロフェッショナル専攻の2つのコースがあります。
2021年度入試の経営システム科学専攻は95名受験して、38名合格ですから、受験倍率は2.5倍。
国際経営プロフェッショナル専攻は90名受験して、35名合格ですから、受験倍率は2.57倍となっています。
| 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
|---|---|---|---|
| ビジネス科学研究群 | 3.50倍 | 2.78倍 | 2.50倍 |
※参考:入学試験実施結果
一橋大学大学院
6つ目は、一橋大学大学院経営管理研究科です。
一橋大学大学院経営管理研究科には、実務経験がなくても受験できる経営分析プログラム、社会人対象の経営管理プログラム、金融・財務を学ぶ金融戦略・経営財務プログラムがあります。
2021年度の経営分析プログラムは、132名受験して、62名合格ですから、受験倍率は2.13倍となっています。
経営管理プログラムは、317名受験して、65名合格ですから、受験倍率は4.88倍となっています。
金融戦略・経営財務プログラムは秋入試と冬入試に分かれていまして、2021年の秋入試は76名受験して、31名合格ですから、受験倍率は2.45倍となっています。
冬入試は34名受験して、11名合格ですから、受験倍率は3.09倍となっています。
| 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
|---|---|---|---|
| 経営分析プログラム | 2.48倍 | 2.26倍 | 2.13倍 |
| 経営管理プログラム | 3.27倍 | 3.14倍 | 4.88倍 |
| 金融・財務プログラム (秋入試) | 3.35倍 | 3.03倍 | 2.45倍 |
| 金融・財務プログラム (冬入試) | 3.67倍 | 4.22倍 | 3.09倍 |
※参考:合格実績
早稲田大学大学院
7つ目は、早稲田大学大学院経営管理研究科(WBS)です。
早稲田大学大学院経営管理研究科(WBS)には全日制、夜間主総合、夜間主プロフェッショナルの3つのコースがあります。
受験者数、合格者数などの受験情報は大学ホームページ等では公式に発表されていません。
そこで筆者が以下の方法で2021年度の秋入試に関する情報を入手して独自に倍率を計算しましたので、その結果を掲載します。
多少の誤差はあるかもしれません。
この点をご理解いただいたうえで、以下の数字を参考にしてください。
2021年度の秋入試は、夜間主総合が212名受験して66名合格で倍率3.21倍となっています。
夜間主プロフェッショナルは、100名受験して42名合格で倍率2.38倍となっています。
なお、全日制に関しては、合格発表の受験番号情報だけでは正確に把握することはできませんでした。
そのため全日制の掲載は控えておきます。
| 2021年秋 | |
|---|---|
| 夜間主総合 | 3.21倍 |
| 夜間主プロフェッショナル | 2.38倍 |
中小企業診断士を取得できるコースも倍率が高い
その他、倍率が高い国内MBAとして、兵庫県立大学大学院経営研究科があります。
同研究科の地域イノベーションコースは114名受験して31名合格で3.68倍となっています。
同研究科が倍率が高くなっている理由は、中小企業診断士の2次試験が免除になるため。
同様のことが、法政大学大学院イノベーションマネジメント研究科にも言えます。
倍率が2倍未満の国内MBA
では、受験倍率が2倍未満の大学院(例えば、1.4倍)はどこがあるのでしょうか。
こちらも大学院では公開していませんので、アガルートの受講生でその大学院を受験した方々から得た情報をもとに本コラムは執筆します。
- 中央大学大学院 戦略経営研究科
- 法政大学大学院 経営学研究科(一般入試は倍率が高いが、社会人入試は低い)
- 明治大学大学院 グローバルビジネス研究科
- 立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科
- 関西学院大学大学院 経営戦略研究科
は、アガルートから受験している方がいますが、その方々に聞くと、倍率は2倍に届いていないようです。
中には、1.2倍とほぼ全入の大学院もあります。
国内MBAでは、こういった倍率が低く全入に近い大学院がけっこうあると筆者は推測しています。
経営学を1から学ぶ人が難易度の高いMBAに合格するには?
最後に、経営学に関する知識がない方が、先に説明した倍率2倍以上の難易度の高い国内MBAに合格するには何ヶ月前から受験勉強をすればよいか説明します。
先ほど説明した難易度が高い国内MBAでは、筆記試験として小論文が課せられています(神戸大学と一橋大学経営分析プログラムは英語も筆記試験があります)。
そして、この小論文以外に、志望理由書や研究計画書といった出願書類、そして面接の計3つが課せられています。
小論文、研究計画書、面接、どれをとっても経営学の基本的な知識が必要になります。
そのため、経営学の知識がない方が、難易度の高い国内MBAを受験する場合は、出願の6か月前には受験勉強を開始するのが望ましいです。
まずは、経営学の基礎知識をインプットして、それができたら小論文の論述の練習、そして研究計画書の作成という順番で勉強すればいいと思います。