東映の元社長で昨年10月に死去した高岩淡さん(享年90)の「お別れの会」が4日、東京プリンスホテルで行われ、俳優の里見浩太朗(85)、北大路欣也(79)、女優の三田佳子(80)、富司純子(76)ら約600人が献花を捧げた。
祭壇は同社作品のトレードマーク「荒磯に波」のパネルを用い、空(青)、波しぶき(白)、岩(茶)を融合させたデザイン。トルコキキョウやコチョウランなど約4500本の花が使われた。
場内で流された在りし日の映像には、「映画とはパッションや」と語っていた高岩さんが母校、九大で講演時(01年)、高倉健さんがサプライズで登壇したときの様子も。48歳で常務になるスピード出世だったが、過去の映像からはスター俳優、スタッフ、社員に慕われる人望の厚さをうかがわせた。
高岩さんは自身が命名し、日本のテーマパークの先駆けともなった京都・東映太秦映画村の開村にも尽力。映画制作とレジャーを合体させることに成功した。放送中のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜・前8時)では「条映」として登場しているが、邦画の世界が再注目されている。
里見は「いつも笑顔で高岩さんの怒った顔を見たことがない。かつてテニスをされていて私や私の家内たちとよく一緒に汗を流したことを思い出します」と懐かしそう。かつて東映の専属女優だった三田は「高岩さんたちが育んだ東映の人たちの精神があってこそ、いまの私がいます」と感謝していた。
◇主な参列者 阿川佐和子、浅田次郎、梶間俊一、かたせ梨乃、北大路欣也、木村大作、小林綾子、小林稔侍、阪本順治、里見浩太朗、山東昭子、周防正行、舘ひろし、壇ふみ、中井貴一、中山忍、名取裕子、平山秀幸、富司純子、藤真利子、三田佳子(五十音順、敬称略)