2021.05.30
日本とアメリカとヨーロッパ、じつは「自由」の“意味”がここまで違っていた…!
日本社会には本当の意味での自由がない「自由」の本当の意味
自由はいいなあ。自由に生きたい。誰もが自由にあこがれる。
では、自由とはなんだろう。
自分の思うとおりに、何でもできること。制限や束縛がないこと。——確かに。でもこれは、自由の一面にすぎない。
自由を、まるごと理解する。すると、まったく違った世界がみえてくる。
「自由」という日本語は、新しい。明治になって、よく使うようになった。
自由という言葉だけなら、古くからあった。仏教や儒学のテキストに書いてあった。いい意味とは限らなかった。でも欧米では、自由はとてもいいことらしい。翻訳された本を読んで、みんなそう思った。
自由民権運動があった。明治10年代に、議会の開設、憲法制定を求める声が、日本中に広まった。政府もしぶしぶ、それに応じた。
「自由!民権!」薩長の藩閥政治に対して、全国の人びとが声をあげた。自由は、政府は勝手をしないでくれ。民権は、自分たちの言うことも聞いてくれ、である。
自由民権運動が成功したのは、「自由」という言葉が手に入ったからだ。自由はよいものである。自由を叫ぶのは、正しいことなのだ。
逆に言えば、「自由」という言葉がないと、自由を主張できない。自分が自由かどうか考えることもできない。言葉は世界を変え、自分の考えをつくっていくのである。