米・欧・日が支援するウクライナ「ネオ・ナチ政権」の正体
~ オデッサの虐殺(6)~
暫定政権の正体
暫定政権の正体
【連載の趣旨について】
本ブログで連載しているウクライナ関連のシリーズは、敢えて我が国のマスコミの論調とは反対の視点から書いているものです。 私は、ウクライナに関する我が国のマスコミ報道は余りにも事実を無視した一方的なものだと思っています。 読者の皆様は、マスコミ報道と本シリーズの記事、そしてできれば、ネットや雑誌などの他の記事を比較し、何が真実かをご自分で判断して頂きたいと思います。(U)
(1) ネオ・ナチ政権とユダヤ・オリガルヒの共同体
ティモシェンコが長らくネオ・ナチと同盟関係を結んでいたことは前回述べた通りだが、この度の暫定政権は、よりあからさまにネオ・ナチとの一体性を強め、更にはユダヤ系有力者とオリガルヒを政権内部に引き入れることによって「ネオ・ナチ&ユダヤ・オリガルヒ共同体」を形成している。
暫定政権の首相アルセニー・ヤツェニュク(Arseniy Yatsenyuk)はユダヤ系で、以前からウクライナで三本の指に入るユダヤ系大富豪イゴール・コロモイスキー(Igor Kolomoisky)の支援を受けていた(本ブログ「オデッサの虐殺3」の注1参照)。
コロモイスキーはウクライナのみならず、欧州ユダヤ共同体の会長をも務めた人物で、 クーデター以後は、暫定政権によって自分の経済活動の本拠地ドゥニプロペトロフスクの知事に任命されている。
jpudates.com
イゴール・コロモイスキー (Igor Kolomoisky)
また、ヤツェニュク政府は、鉱業・金属関係で財をなしたオリガルヒ、セルゲイ・タルタ(Sergei Taruta , またはSerhiy Tarutaとも表記されている)をドネツク州の知事に任命した。
kyivpost.com セルゲイ・タルタ (Serhiy or Sergei Taruta )
デフォルトが不可避と言われるような貧しい国家において、オリガルヒたちがどのような手段で短期間に巨万の富を築き上げたのかは定かではないが、今度は自分たちの経済活動拠点で行政の最高責任者の地位を分け合うというのだから、こうなるとウクライナは一種の経済マフィア国家なのではないかと疑いたくもなってしまう。
ヤツェニュク首相がユダヤ系である以上は、彼がユダヤ教関係者と緊密な関係にあっても何ら不思議はない。
下の写真はヤツェニュク首相とユダヤ教の首席ラビYaakov Dov Bleich(正確な読み方は分からないが、ヤーコフ・ドフ・ブライヒだろうか)が並んでいるところである。
Yaakov Dov Bleich はニューヨーク生まれのユダヤ人で、ベルリンの壁が崩れた1989年にウクライナに移住し、何と、翌90年にはキエフとウクライナ双方の首席ラビの座に就いた。
現在は欧州ユダヤ会議の副議長も務める大重鎮である。(注1)
ヤツェニュクとラビが並んでいても何ら不思議はないが、ユダヤ教徒ではないトゥルチノフ大統領代行が騒乱中にラビと話し込んでいるのは余り自然とは思われない。

次の写真の上段はBleichがアメリカ副大統領ジョン・ケリー(John Kerry)と並んでいるところである。
ケリーはカトリック教徒だが、元々はチェコから移住して改宗したユダヤ系一家の出だという(wikipediaによる)。
上の写真と次の写真は、今年の3月初旬から中旬にかけてケリーが。ネオナチ・テロリスト暫定政権を激励するためにキエフを訪問した時のものだから、ウクライナのユダヤ社会がネオ・ナチと同盟関係にあり、これをアメリカ政府が公然とバックアップしていることを如実に示すものでもある。
かくして、次のような画像が作られることになる。
ネオ・ナチを支援しているのはアメリカやウクライナ国内のユダヤ系だけではない。
イスラエルは、何と、ライト・セクターの指導者ドミトリー・ヤロシュと接触しているのである。
3月7日付け“The Jewish Daily Forward” の記事(注2)によれば、在キエフのイスラエル大使は、ヤロシュと会談し、「挑発行為を予防するため」に両者間にホットラインを設置することに合意した。
そして、大使によれば、この会談でヤロシュは次のように強調したのだそうである。
Yaakov Dov Bleich はニューヨーク生まれのユダヤ人で、ベルリンの壁が崩れた1989年にウクライナに移住し、何と、翌90年にはキエフとウクライナ双方の首席ラビの座に就いた。
現在は欧州ユダヤ会議の副議長も務める大重鎮である。(注1)
ヤツェニュクとラビが並んでいても何ら不思議はないが、ユダヤ教徒ではないトゥルチノフ大統領代行が騒乱中にラビと話し込んでいるのは余り自然とは思われない。
europauniversal.blogspot.com
ヤツェニュク首相と首席ラビのBleich
Vosizneias.com
トゥルチノフ大統領代行とBleich
次の写真の上段はBleichがアメリカ副大統領ジョン・ケリー(John Kerry)と並んでいるところである。
ケリーはカトリック教徒だが、元々はチェコから移住して改宗したユダヤ系一家の出だという(wikipediaによる)。
上の写真と次の写真は、今年の3月初旬から中旬にかけてケリーが。ネオナチ・テロリスト暫定政権を激励するためにキエフを訪問した時のものだから、ウクライナのユダヤ社会がネオ・ナチと同盟関係にあり、これをアメリカ政府が公然とバックアップしていることを如実に示すものでもある。
vosizneias.com
krakov.usconsulate.gov
トゥルチノフとケリーとヤツェニュク
かくして、次のような画像が作られることになる。
Vita Twitter
johnhenryhill.wordpress.com
ネオ・ナチを支援しているのはアメリカやウクライナ国内のユダヤ系だけではない。
イスラエルは、何と、ライト・セクターの指導者ドミトリー・ヤロシュと接触しているのである。
3月7日付け“The Jewish Daily Forward” の記事(注2)によれば、在キエフのイスラエル大使は、ヤロシュと会談し、「挑発行為を予防するため」に両者間にホットラインを設置することに合意した。
そして、大使によれば、この会談でヤロシュは次のように強調したのだそうである。
「ライト・セクターは、あらゆる合法的な手段を用いて、あらゆる人種差別、とりわけ反ユダヤ主義と対決するつもりである。」
イスラエル大使はこの言葉に納得した。
もっとも、ネオ・ナチ集団がマイダンで武装闘争を展開していた段階で、既にイスラエルの退役兵士が戦闘部隊を率いてウクライナ国内で活動していたのだから(注3)、イスラエル大使とヤロシュの会談は、「挑発行為を予防するため」というよりは、「同士討ちを避けるため」の相互確認行為であったと言った方が適切かもしれない。
下の写真は、ヤヌコビッチ政権が倒された直後の2月28日に配信されたもので、「ブルーヘルメット」と呼ばれる戦闘集団の指揮官「デルタ」の姿を撮影したものである。
(普通、「ブルーヘルメット」というのは、国連のPKO部隊のニックネームだから、こうした呼び名自体が欺瞞作戦の一環とも言えるだろう。)
JTA.org
ユダヤ系メディアのためにポーズをとるデルタ
(ということは、パルビーの指揮下で動いていたということなのだろう。)
彼らイスラエル軍のOBは、中東ガザ地区での市街戦の経験を生かしてマイダンのデモ隊を支援し、その「活躍」をイスラエルのメディアが称賛しているのだという。
ネオ・ナチ政権をユダヤ教の宗教指導者が励まし、ユダヤ財閥が財政支援を行い、イスラエル軍のOBがその指揮下に入って戦うとは、ヒトラーもアンネ・フランクもさぞや驚いていることだろう。
(この項続く)(U)
(注)
(注1)http://www.worldjewishcongress.org/en/biography/105
(注2)Israel Envoy Meets With Ukraine 'Anti-Semite' Dmitry Yarosh
http://forward.com/articles/194014/israel-envoy-meets-with-ukraine-anti-semite-dmitry/
(注3)
☆ Jewish Telegraphic Agency (JTA), “ In Kiev, an Israeli army vet led a street-fighting unit. ”(2014.2.28)
http://www.jta.org/2014/02/28/news-opinion/world/in-kiev-an-israeli-militia-commander-fights-in-the-streets-and-saves-lives
☆ 上記の記事を基にした日本語記事はこちら。
童子丸開「ウクライナ・ネオナチ司令部の下で動くイスラエルの特殊部隊」
http://bcndoujimaru.web.fc2.com/fact-fiction/Ukraine-Israeli_Special_Forces_Unit_under_Neo-Nazi_Command.html
☆ 「Press TV」の記事(2014.6.10)は、イスラエル政府が、騒乱の最中からウクライナのユダヤ人に対して「安全確保のため」の資金を援助するとともに、イスラエル国防軍の退役将校が反政府活動家を指導することによって政権転覆に重要な役割を演じていると語っている。
これは上記JTAの記事を裏付けるものである。
更に同記事は、イスラエルの情報機関「モサド」が、ウクライナの政権転覆のため、煽動要員として働いたと指摘している。
『イスラエル政府機関がウクライナのユダヤ人に援助金を拠出』
Israeli agency sends aid to Ukraine Jews(Press TV Jun 10, 2014)
http://www.presstv.ir/detail/2014/02/23/351931/israeli-agency-to-aid-ukraine-jews/
(参考)
☆ ウクライナの“民主化”と反ユダヤ主義―その1― rockway〔no.1105〕
☆ ウクライナの“民主化”と反ユダヤ主義―その2― rockway〔no.1106〕
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