屈伏・屈服(読み)くっぷく

精選版 日本国語大辞典「屈伏・屈服」の解説

くっ‐ぷく【屈伏・屈服】

〘名〙 (古くは「くつぶく」)
① 勢いに恐れて従うこと。力尽きて服従すること。負けを認めること。
※太平記(14C後)五「資明卿理を尽して責められければ、宣房卿顔色誠に屈伏(クツフク)して」
坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉六「どうせ、こんな手合を弁口(べんこう)で屈伏させる手際(てぎは)はなし」 〔荘子‐大宗師〕
② かがみ伏すこと。相手を敬って平伏すること。
日葡辞書(1603‐04)「Cutbucu(クツブク)」 〔後漢書‐周党伝〕
[語誌]本来の用字は、①が「屈服」、②が「屈伏」である。中世の節用集の多くは「屈伏」を用いているが、明治末になると「屈伏」「屈服」が併用されるようになる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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