愛飢男(山口淳•ﾌﾗﾝｸﾘﾝ)ブログ

『俺だって母さんの子じゃないか！』
なのに...

だから...
お兄さんのことを
好きではありません
憎んでます
理解しようとはしません

『働けるのに！』
ホームでも、
日中活動をしない利用者さんに対して
厳しいです

この厳しさのおかげで
立ち直れている人を
僕は知っています

実家に居て、
この厳しさを
お兄さんに
伝え続けていたら...

僕は、考えてしまいます


今の
障害福祉の考え方とは
違います

でも、
確実に立ち直れた人を
僕は知っています

何故なら、
僕が
その彼と一緒に
やったからです



いつものように、
話が脱線しつつある
フランクリンより

若くしてホームレス
アルコール依存症
暴力

お父さんを殴り続けて、
もう少しでお父さん...
死ぬところだったそうです

お父さんは今、
その時の後遺症で
心も身体も
やられてしまい、
一生...
ベッドの上です


数年前...
お父さんの状態が悪化
もう、もたないかも...

どうする？

お母さまからの
連絡でしたが
僕から
伝えました

僕との関係性は
とても
良好でした

どうする？

この言葉で、
一瞬で
目付きが
変わります

「なんでアンナ奴の為に行かなきゃなんないの！」

答えは
明瞭でした

そこに、
僕の入る隙間は
全く
ありませんでした



やっぱり話が脱線している
歯っ欠けフランクリンより

コツコツコツコツ...
橋の下で酔っ払って寝ていると
軽快な革靴の音が...

見ると、
格好いいネクタイに
ビシッとスーツを着て
ビジネスバッグを持ち
コツコツコツコツ...

たまらなく
かっこ良かった...


この、
たったこの
一言だけを頼りに
僕は、
「やりゃいージャン！やってみよーぜ！」
「なに夢みたいなことを言ってるんですか」
「やってもいないのに結果を出すなよ！」
「だって...」
「はい、今からやるよ！」


同じ法人の
日中活動に行ってた彼を
一般就労に
結び付けていきます

こんなの、
グループホーム職員の
仕事ではありません（笑）

名前を入力するだけで
ネットに出てくる
福祉では有名な方...
連絡をしました

老人ホームの
管理者さんでした



昔から無茶ぶりの
フランクリンより

快く話を聞く場を
作ってくれました

一度、会ってみたいな！

法人に話を通します
すると、
『先方から来てもらうように』

どう思いますか？
ウチの法人の利用者が
これから
世話になるかもしれない
先方に
ウチに来い、と...

非常識も甚だしい

その後、暫くして
一般就労出来そうな
企業を
探したり、
紹介してほしい
と話があった時には、
声を大にして
反論したものです


残念ですが、
僕から
お詫びの品を持参で
説明と謝罪を
してきました



血の気の多いのは変わらない
キュートなフランクリンより

さぁーて、
どーしたモンかのぉ！

市が主催でやる
合同面接会に
参加することを
勧めました

ビックリするほどの人が
集まります

そんな中で、
彼の良さを
見つけてくれるのだろうか？


がっこいいネクタイ
ビシッとスーツ
革靴コツコツ...

その頃には
掃除の仕事を
やっていました

ラフな格好で
行ってました

一般就労、とまでは
いかなかったけど、
真面目さを認められ
時給も上がり、
朝早くからの仕事だから
ホームに
帰ってきていいと言っても
法人の
日中活動に顔を出し...

誰の目にも
明らかに
変化は見られました



今は独り...
相談室で待たされ
暖房が暑くて熱くて
暴れる寸前の
フランクリンより
アツー！

ホームに入ってきて
暫くした頃に、
日中活動の職員から
ショッカー...
僕のパートナーですね！
聞かれていました
「何回くらい殴られましたか？」
「...え？...いや、全然...」
「ウソですよ！彼、直ぐに殴るじゃないですか！」

そう言えば
ホームに来てから
一度も
暴れていませんでした


目標を持った...
目標を持たされた（笑）彼は、
生き生きとしていました

朝の出発は６時
掃除は、
お客様が来られる前に
との会社の考えから
早かったです

一言も文句を言わず、
それに、
ホームの床と階段を
雑巾で拭いてから
行ってました

生き生きとしていました

そんな最中の
合同面接会...

見抜いてくれよ！
心から
思っていました



暖房止めてもいいのかな...
色んな意味の汗をかきながらの
フランクリンより

彼が面接に行ったブースは、
紳士服屋さんです

TVでもチラシでも、
あなたの町に一つ位はある
有名な紳士服屋さんです

だってぇ～
かっこいいネクタイでしょ？
ビシッとスーツを着てでしょ？
革靴履いてコツコツコツコツ...でしょ？

こんなピンポイントな職業...
他にある？

え？なになに？
だからと言って...？
スーツを着て？
行く必要が？
あるかって？

じゃあさ、
スーツを着てくんな！
っていう会社...
ある？

自由だったらさ、
スーツ着てけば？
その先が
紳士服屋さんだったら
誰も文句言わねーべさ！

その何日か前から
ワイシャツの袖のボタンはめ、
ネクタイの締め方、
スーツのかっこいい着こなし方、
他の利用者さんも巻き添えにして（笑）
皆んなで応援しました

泣きながら、
ワイシャツの袖のボタンを練習しました
泣きながら、
ネクタイの締め方を練習しました
結果...
両方とも
出来なかったです...



そろそろ
フランクリンの干物が...
それが目的か！
と疑うフランクリンより

先にお伝えをしておきます
いつかは、
彼のことを、書かなきゃいけない日が
くるとは思っていました

ただ…
長くなるんです
どーしても…

途中、僕の歯のように
抜けながらでも
続けて打ちたい！
そう思っています

どうか、
お付き合いください



合同面接会の結果は、
残念ながら
落ちました…

本人は、
泣きながら僕に
謝ってきました

『お前さんの良い所も見抜けないような会社だったんだよ！気にすんな！』
また、探そうぜ！
と、なりました


日中活動でも、
次の企業を探しては
本人に提案をしていましたが、
一向に良い返事はなく
諦めてしまったと
関係者間で
話をしていました



昨日、初雪だったとニュースで知り
やっぱりな！と思ったフランクリンより

彼は、ずっと真面目でした
彼を怖がっていたお母さまも
ホームに足を運んでくれて
ご対面

まぁ、この辺りも…
後のお母さまの話では
僕らに見せていた彼とは
お母さまの前では
全く違っていたのですが…


１年後だったのかなぁ…
半年後か…
次の合同面接会の前に
彼はあらたまって
『話があります』
と…

『前に落とされた所をまた受けたいんです！』
頭を下げてきました

素直には受け取れない
ノミの神経の
フランクリン…

『止めとけ！あんな会社！』

複雑でした
でも僕の口から出てきた言葉は
ソレでした



小っちぇーフランクリンより

嫌なことがあると、
それを理由に
酒に逃げる…

僕の名刺を持たせていたおかげで
僕の携帯に警察の
パトロール隊員から
連絡が入る

グループホームを開設する時に
近所から大反対にあった

赤橙を回されたまま
ホームにパトカーが停まることを
僕は嫌った

だから、
24時間いつでも
確保された場所まで
迎えに行った

ある時、
パトロール隊員の方から
『携帯電話の番号を覚えちゃいました！』
と笑って言われた

何度も何度も頭を下げた



理不尽なことが最近多くて
怒りが爆発しそうなフランクリンより