行政書士になろう!と決めたとしても、どれくらいの勉強をいつから始めれば良いのか、気になりますよね?
もちろん、必要な勉強時間には個人差がありますが、計画的かつ効率よく合格するためには、どれくらいの時間をいつから勉強し始めるべきか知る必要があります。
ここでは、行政書士合格に必要な勉強時間と効率的な時間活用法について解説したいと思います。
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目次
合格に必要な勉強時間と開始時期
勉強時間の目安は?
大手予備校や通信講座のカリキュラムを参考に必要な学習時間を算出してみましょう。
法律初学者が、講座を利用しつつ行政書士試験に合格するのに必要な学習時間の目安は600時間程度となります。
内訳は、講義に200〜300時間程度、復習に400〜300時間程度です。
独学者であれば、800時間~1000時間の学習時間の確保が必要といえます。
行政書士試験は、法令科目5科目・一般知識3科目の合計8科目、択一式・記述式合わせて60題を3時間かけて回答する試験です。
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法令科目の配点が8割を超えるので、法律知識を必要とする資格の有無や、法律系の資格取得者であるかによって、合格までに必要な学習時間には非常に個人差が生じます。
例えば、宅建資格の取得者であれば、権利関係(民法)の基礎知識があるのでその分は学習時間が少なくてすみます。
出題範囲が広く、記述式もある行政書士試験では、頻出箇所や効率的学習方法、行政書士に適した教材選びが必須です。
なぜなら独学者はこういった情報収集に相当時間を取られるためです。
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勉強の開始時期は?
ここでは、以下の場合でシミュレートしてみたいと思います。
①社会人
②初めて法律を勉強する
③講座を利用する
法律初学者(600時間)の学習時間に対して、1日平均何時間確保できるかで4パターン想定してみました。
1日当たりの学習時間 | 週当たりの学習時間 | 必要な月数 |
---|---|---|
5時間/日 | 35時間/週 | 4ヶ月 |
4時間/日 | 28時間/週 | 5ヶ月 |
3時間/日 | 21時間/週 | 6ヶ月と20日 |
2時間/日 | 14時間/週 | 10ヶ月 |
勤務時間や家庭環境などにもよりますが、社会人の方が1日平均4〜5時間の学習時間を確保するのは、非現実的です。
4〜5時間だと、途中休憩なども必要になります。
1日平均3時間で1週間あたり合計21時間ほどが限界と考えられます。
実際の内訳として、平日は2時間、週末に5時間ずつといったところでしょうか。
このペースを維持できるのであれば、だいたい7ヶ月ほどかかるので、少なくとも4月から始める必要があります。
もっとも、急な残業、おつきあい、出張、家族の都合、体調不良など、学習時間が確保できないことも多々あります。
また、実際に学習を始めてみると、さらに時間が必要になることが予想されます。
なので、余裕をもって1月や2月からスタートするのが得策ですし、祝日やお盆休みなども勉強にあてる覚悟が必要です。
なお、通学講座を利用される場合は、講義と復習以外にも通学時間がかかることを忘れないようにしてください。
例えば、予備校まで片道20分かかるのであれば、1週間に2日講義があって受講終了までに6ヵ月要した場合、32時間が更に必要になります。
効率的な勉強時間の使い方
学習時間の確保について、なかなか厳しいことをお伝えしましたが、心配は無用です。
なぜなら、行政書士試験の合格者の半数以上が40代以上で、合格率が最も高いのは30代というデータがあるからです。
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仕事・家事・育児などをこなしながら学習時間を確保して合格するのが、行政書士は一般的なのです。
ここでは、具体的にどのようにして学習時間を捻出し、かつ効率的に時間を活用するのかについて触れましょう。
場所を選ばす細切れに
まとまった時間がなければとか、机の前に座らないと、といった思い込みを捨てれば学習時間は飛躍的に増えます。
- 朝起床してから自宅を出るまで通信講座の音声を聞き流す。
- 通勤電車の中で解く過去問のページを切り離してポケットに入れておく。
- 今日は疲れているけど10分だけ通信講座を聴こう。
- 寝る前に1問だけ過去問を解くことにする。
まとまった学習時間を取れない平日は、5分単位で学習すればいいのです。10回繰り返せば50分です。
ネット配信の「通信講座」であれば歩きながらでも講義を受けることができます。
場所を選ばず、細切れ学習を積み重ねれば、いつの間にか時間は確保できているものです。
例えば、
①日曜日に7時間学習して、次の日曜日まで一切教材を開かない。
②月曜日から日曜日まで毎日1時間学習する。
どちらも、1週間の学習時間は7時間ですが、②の方が圧倒的に効率的です。
時間の間隔を空けすぎると前に学習した内容を忘れてしまい、思い出すのに時間がかかってロスが大きくなるからです。
小まめに反復継続することが効率的時間活用になります。
ノートは作らない
講座で提供された教材以外にノートは作るべきではありません。
ノートを作るのは時間対効果が悪く、自己満足でしかないし、受験に必要な道具をいたずらに増やすべきではないからです。
講義を聞いた内容、気づいた点、過去問からの情報は全てテキストに書き込めばいいのです。
ここで注意点があります。初学者は、最初はどこもかしこも重要な気がして、あちこちに線を引いたり、必要以上に書き込みをしがちです。
なので、最初のうちは、消せる筆記用具を利用されるといいでしょう。簡単に剥がせる付箋(大きめで罫線があるもの)をメモがわりに使用するのもいいと思います。
学習が進むにしたがって、不要になった部分を消していけば、いつの間にかスッキリした自分だけの教材が完成です。
暗記は寝る前が効率的
資格試験には、大なり小なり暗記が必要です。
学生時代、定期試験の直前に徹夜で一夜漬けをされた経験はないでしょうか?あれって、すぐに忘れますよね。
暗記は寝ることで定着します。なので、1日の学習のうち、学習は寝る直前がお勧めです。
くれぐれもスマホで通信講座を寝る直前まで見てはいけません。睡眠の質が低下するからです。学習のために睡眠時間を削るのもやめるべきです。
「合格のためにはしっかり寝る」これが鉄則です。
気分転換を意識的に
長丁場の行政書士試験ですから、時にはどうしてもやる気が起きない時もあります。
そんな時は、きちんと息抜きをしてください。きちんとです。
◯月◯日の◯時〜◯時 勉強しない、と予定表に書いてください。
その日は何があっても勉強しないことです。すると、それまではなんとか頑張れます。
また、何が何でも勉強しなければ、逆に勉強したくなるものです。
「息抜きも合格のために必要なこと」と考えて、予定の中に組み込めば罪悪感なく息抜きができるはずです。
行政書士合格を目指せば、日常も変化させざるを得ませんが、その変化を楽しみながら、時間を有効活用して一気に合格しましょう。
試験までに学習時間を確保できない場合は?
行政書士本試験までの間に、どうしても600時間の学習時間を確保するのが難しい場合はどうすれば良いでしょうか。
選択肢は2つあります。
予備校の速習コースを活用する
1つ目は、各資格試験予備校が用意している速習コースなどの活用です。
速習コース(予備校によって名称は様々ですが)は、通常のコースに比べて短い期間でカリキュラムが消化できるように組み立てられています。
なので、講義内容もメリハリがつけられていて、出題数の多い科目に重点を置き、頻出分野に集中するのが一般的です。
通常のコースを受講するのに比べると、詰め込みで厳しいかもしれませんが、逆に学習期間が短くなるので集中力が維持しやすいともいえます。
何としても、1日当たりの学習時間を捻出して、今年の合格を勝ち取りたいと考えるならチャレンジしてみる価値はあります。
また、仮にその年が不合格に終わったとしても、翌年の合格に向けた基礎固めがすでに出来上がります。
したがって、翌年の合格可能性は飛躍的に向上しますし、余裕もできるので他の資格とのダブル受験も狙えるようになるかもしれません。
翌年の合格を目指す
2つ目は、翌年の合格を目指して、じっくりゆっくり学習することです。
早くから学習を開始するということは、反復を繰り返す期間が増えることであり、合格の可能性が高くなります。
特に1週間あたりの学習時間を十分に捻出することが難しい方は、早くから始めて毎日少しずつ積み重ねるのが適切な学習スタイルといえるでしょう。