SPECIAL OTHERS(通称スペアザ)は1995年に横浜で結成されたジャムバンドです。
日本のインストミュージック・シーンを牽引しているバンドで、キャッチーな解放感にあふれるサウンドは幅広い層から人気を集めています。
デビュー15周年を迎えたSPECIAL OTHERSは、数多くの名曲を世に送り出しています。
本記事では、
「SPECIAL OTHERSに興味があるけど、何から聴けば良いのか分からない」
「心地よいグルーヴと胸が高鳴るようなメロディを楽しみたい」
と思っている方にピッタリの、キャッチーな代表曲をご紹介します。
目次
SPECIAL OTHERSの魅力とは:横浜生まれジャムバンド育ち、洗練されたオーガニック・サウンド
SPECIAL OTHERSの魅力は、ジャムバンドらしいピースフルな空気感とJ-POP的な耳馴染みの良さにあると言えるでしょう。
ギター、キーボード、ベース、ドラムスの4人が鳴らす音楽には様々なジャンルのエッセンスが贅沢にブレンドされており、ワクワクするような軽快さと身を委ねたくなる心地よいグルーヴが唯一無二のオリジナリティが創りだしています。
また、野外フェスが好きな方にとっても馴染み深いバンドでしょう。
SPECIAL OTHERSの音楽は自由に体を揺らす解放感や自然豊かな風景とマッチしており、オーガニックな爽快感をもたらしてくれます。
「最近、外の空気を吸う機会が少ないな……」
と感じている方にも、心が澄みわたる音楽体験をさせてくれるでしょう。
SPECIAL OTHERS の代表曲10選:心地よいグルーヴとピースフルな空気感
AIMS
曲の冒頭からSPECIAL OTHERSの楽しさがぎっしり詰まった、ライブでの定番曲です。
ローズピアノの軽やかなイントロから、なだれ込むようにしてアップビートで解放感あふれるサビへ展開していきます。
勢いに乗ったエレキギターが鳴らすメロディには心が弾むような鮮烈さが満ちており、その高揚感は溌剌(はつらつ)として晴れやかです。
Aメロではジャムバンド的な即興演奏も聴かせてくれますが難解な印象は一切なく、自然体のグルーヴを聴かせてくれます。
そして、そこから一転してまたアップビートに…という切り替えを繰り返しながら、最高潮の盛り上がりへ突き進んでいく展開が、我々を笑顔にする朗らかな躍動感を巻き起こしています。
シンプルだからこそ鮮やかなインパクトを残す、フレッシュなナンバーと言えるでしょう。
※タワーレコード限定のシングルとして2006年にリリースされました。
※1stアルバム『Good Morning』に収録されています。
Laurentech
バンド最大の代表曲と言える『Laurentech』の魅力は、軽やかなサウンドがじわじわと盛り上がった先にある解放感です。
小気味よい8ビートの疾走感とエレキギターやキーボードの軽快なサウンドを軸にして、楽曲は進んでいきます。
潮の満ち引きのような緩急を繰り返しながら少しずつ盛り上がっていき、やがて歓喜のクライマックスへ発展していきます。
即興演奏的な構成にも感じられますが最初から最後までメロディアスな旋律を散りばめることによって、SPECIAL OTHERSらしいポップなサウンドを築きあげています。
楽曲が終わるその瞬間までポップな多幸感が胸いっぱいに広がりつづける、素晴らしいナンバーです。
※タワーレコード限定のシングルとして2007年にリリースされました。
※2ndアルバム『QUEST』に収録されています。
Sailin’
『Sailin’』はDragon AshのKjをボーカルにフィーチャーした人気曲です。
SPECIAL OTHERSが奏でる伸びやかな疾走感とKjの前向きな歌詞がマッチした、優しくてポジティブなサウンドが特長と言えるでしょう。
キメの効いたイントロから始まり、ボーカルの導入と共にロックなビートに切り替わるメリハリが心地よく、歌詞に描かれている冒険とリンクした広大なサウンドへ展開していく爽快感は圧巻の一言に尽きます。
我々を励ますような暖かさと旅立ちの高揚感が、聴き終わった後もきっと心に残るでしょう。
※2011年にSPECIAL OTHERS & Kj(from Dragon Ash)名義のシングルとしてリリースされました。
※コラボ作品集『SPECIAL OTHERS』に収録されています。
Uncle John
『Uncle John』の特長はリラックスした空気感と素朴なメロディが紡ぐ、じんわりと心に染みる心地よさです。
ベースとドラムスは人間味のある大らかなグルーヴを生み出し、エレキギターとキーボードはほんのり切ないトロピカルななサウンドを鳴らしています。
また、サビで歌われる英詩ボーカルの存在感も印象的で、優しい旋律がポップな親しみやすさを楽曲に添えています。
のどかで、メロウで、ちょっぴりセンチメンタル。
心安らぐひと時を過ごせる、ピースフルなナンバーと言えるでしょう。
※2ndミニアルバム『UNCLE JOHN』に収録されています。
Wait for The Sun
『Wait for The Sun』は、ポジティブな爽快感だけでなくクールな一面も印象的です。
心地よい疾走感、エレキギターとローズピアノが生みだす芳醇(ほうじゅん)なアンサンブル。
SPECIAL OTHERSらしい魅力が満載です。
オーガニックなテイストは変わりません。我々を一気に惹きつけるロックな迫力もあります。クライマックスへ向けた高揚感だってバッチリです。
ただ、それと同じくらい成熟を感じさせる雰囲気も漂っています。
SPECIAL OTHERSの楽曲のなかでも、自然体の余裕がひときわ引き立つナンバーと言えるでしょう。
※4thアルバム『THE GUIDE』に収録されています。
※『Wait for The Sun』はワンマンライブのチケットに付属するシングルとして発売されました。しかし、公演日より前にチケットが完売したため、発売日(つまり、ライブ当日)よりもシングルが完売するという異例の事態を引き起こしています。
loop
『loop』は04 Limited SazabysのGenをゲストボーカルに迎えた楽曲です。
レゲエの影響を感じさせるリズムとアジアな旋律が織りなすサウンドにGenの少年的な歌声が乗っかって、ドリーミィで甘酸っぱい一曲に仕上がっています。
瑞々しい言葉選びが印象的な歌詞ですが、実はGenの亡くなった祖父母がテーマになっており、切っても切れない夫婦関係の複雑さが表現されています。
サビで繰り返される「堂々巡りのループは続く」というフレーズが、リラックスしたグルーヴと絶妙にマッチしています。
※コラボ作品集『SPECIAL OTHERSⅡ』に収録されています。
PB
『PB』も不動の人気を誇る、バンドを代表するナンバーでしょう。
丁寧でメロディアスなサウンドが、『PB』の大きな魅力です。
SPECIAL OTHERSらしいピースフルな空気感だけでなく、どこか都会的な匂いも印象に残るのが『PB』の特徴でしょう。
ローズピアノとエレキギターが紡ぐ優美なアンサンブル、堅固なベースライン、軽快な16ビートのドラムス。
落ち着いたムードからリラックスした疾走感に展開し、さらにポジティブでメロディアスなサビへと突入していきます。
サビの主旋律を奏でるギターは瑞々しい躍動感だけでなく、自然体の落ち着きも感じさせます。
洗練されたヴィンテージ感とJ-POP的な耳馴染みの良さが心地よいナンバーです。
※2009年にリリースされたタワーレコード限定のシングル『PBEP』に収録されています。
※3rdアルバム『PB』に収録されています。
STEADY
アコースティック編成によるプロジェクト、SPECIAL OTHERS ACOUSTICからの一曲です。
いつものSPECIAL OTHERSとは少し違う、素朴で繊細なサウンドが『STEADY』の魅力でしょう。
ガットギターのノスタルジックなリフで始まる冒頭から、儚い(はかない)叙情性が胸に押し寄せてきます。
そこにグロッケンシュピール、ピアニカ、アコースティックベース、ソフトなドラムスが加わり繊細な音色を緻密に積み重ねていくことで、飾り気のない透明感を創りあげています。
ノスタルジーだけでなくシックな雰囲気も漂っているのが印象的で、MVのロケ地になったプラハの街並みにも通じる落ち着きを感じます。
※SPECIAL OTHERS ACOUSTICの2ndアルバム『Telepathy』に収録されています。
始まりはQ(9)CUE
RIP SLYMEをフィーチャーしたナンバーで、メロウでグルーヴィなサウンドが特長でしょう。
ほんのりノスタルジックで穏やかなムードのなかで、RIP SLYMEのメンバーによる軽やかなマイクリレーが繰り広げられます。
チルで大人びた色気が漂うサウンドには、ずっと聴いていたくなる安心感が満ちています。
不意にアップテンポな展開を見せる遊び心も含めて、魅力的な大人を感じさせる自然体のかっこよさがとにかく素敵です。
気配り上手な友人宅にお邪魔した時のような、居心地の良さを楽しめます。
※コラボ作品集『SPECIAL OTHERSⅡ』に収録されています。
Good morning
ナチュラルな空気感とキラキラとした高揚感が、ピースフルなひと時を創りあげているナンバーです。
ジャズファンクの影響が感じられるミドルテンポのグルーヴを、J-POP的でメロディアスなサウンドへ見事に昇華させています。
イントロやAメロではエレキギターとローズピアノが紡ぐアンサンブルがゆったりと揺らめき、サビでは英詩ボーカルによるキャッチーなメロディが高らかに響きわたります。
多幸感にあふれているのに屈託のない朗らかさが一貫しているのも、『Good morning』の素晴らしいところでしょう。
胸にじんわりと染みるような、優しい解放感を楽しめます。
※1stアルバム『Good Morning』に収録されています。
最後に
本記事では、SPECIAL OTHERSに興味を持っている方や心地よいグルーヴと胸が高鳴るようなメロディを楽しみたい方に向けて、SPECIAL OTHERSの代表曲をご紹介しました。
もしSPECIAL OTHERSの奥深い世界に足を踏み出すきっかけになれたのなら、大変嬉しく思います。
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