ディスクシステムとは?
 ディスクシステムの不思議な魅力
 このように波乱万丈の歴史を歩んできたディスクシステムだが、最終ソフトのリリースを
書き換え専用ソフトとして1992年12月22日に行い、その歴史の幕をひっそりと閉じた。

 悪い部分ばかり目立ったかのようなディスクシステムだが、オールドゲームブームの今、
当時のゲームが見直されつつある。

 特異なハードであるディスクシステムは、多くのマニアに愛され、現在も
 「ファミコンミニ ディスクシステムセレクション」として任天堂よりリバイバルされている。

 ディスクシステムが愛される理由は多種多様であり、人それぞれであるようだ。

リバイバル発売された
ファミコンミニ ディスクシステムセレクション
●磁気ディスクドライブからデータを読み出すというギミック

 機械的な動きをするディスクシステムはいかにも

 「読み込んでいます」 「書き込んでいます」

と言わんばかりの仕事をする。
 純粋なゲーム機として磁気ディスクを記憶媒体としたものはディスクシステムが初ではないだろうか。

 読み込みエラーになりつつも何度もリトライし、やっとの思いでゲームが開始する姿を見ると
怒ることを通り越し、心が和むという。

 時間に追われた現代人も、ディスクシステムの読み込みの長さを体感すると、古きよき昭和当時の
情景が浮かんでくる。



●名作揃い

 正直に言うと両極端なソフトラインナップである。

 名作はとことん名作、駄作はとことん駄作、当たり外れがすさまじいハードと言えるだろう。
 また、ほとんどが外れ側に傾いているという非常にリスキーなハードでもあった。

 小学生にとって数ヶ月も小遣いを我慢して買ったソフトがとてつもないものだと、そのときの
奈落感といったら計り知れないものがあった。

 当時は殺意を抱いたソフトも多数あったが、今となっては手作り感が味わえる、あたたか味のある
アットホームなソフトに哀愁を覚える。



●独特の空気

 現代のゲームマシンでは絶対に味わえない雰囲気がここにある。

 現代の主力ゲームマシンであるPlayStationはSONYチェックというものがあり、一定の水準や基準を
超えたソフトでないと発売できないような機構がある。

 ディスクシステムのソフトは全体的にダークな、独特な雰囲気を持ったゲームが多い。

 当然、ハードの特性である同時発色数の問題や音源の貧弱さからくる部分が大きいであろうが
当時の発展途上であったゲーム製作技術や、涙ぐましい開発者の苦労などをゲームを通じて
垣間見ることが出来る。

 ゲーム画面は明るく、パステル調でもなぜかその中にある暗い、怪しい雰囲気が見え隠れする
不思議な世界観。そのような感じが漂う。雰囲気で言うと

「雨の日の夕方、窓の外が暗くなってきたころに明かりを点けない部屋の中、たった一人で
      古ぼけたフィルム撮影の殺人ドラマを見て、おどろおどろしい映像に、音声に、怯えている」


 このようなイメージのソフトが多い。

 様々な方面でこのことについて指摘があり、かくゆう管理人もディスクシステムのそういった部分
に惹かれている一人である。

 ここで特筆すべきものは「スーパーマリオブラザーズ2」。
 これは歴代スーパーマリオシリーズの中でも最高の難易度を誇っており、ステージの配色や
トラップなど、とてもコンテニューなしではクリアできず、理不尽な仕掛けが多数設けられており、
途中で投げ出すプレイヤーが多発したほど。
 明るい雰囲気のスーパーマリオシリーズの中でも、唯一暗い面が見え隠れするゲームに仕上がっている。


 ディスクシステムは失敗作だったと言う人もいる。

 確かに工業製品としては欠陥部位がある製品であるし、商品としてのセールスも決して良いと言える数字ではなかった。
今となっては反省点も多く見られ改善の余地があるところも多数ある。

 しかし、幼少時代、リアルタイムにディスクシステムに触れてきた世代にとって、ディスクシステムはかけがえのない
存在となっているし、なによりゲームをプレイすると、不思議とゲームを取り巻いていた当時の情景が浮かんできてノスタルジー
な雰囲気に浸れるのもオールドゲームプレイの醍醐味の一つと言って良いだろう。

 十数年間、ディスクシステムで遊ばなくなってしまった方も、これをきっかけに息抜きとしてディスクシステムで遊んで頂きたい。
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