プーチン・ロシア大統領のテレビ演説要旨
ロシアのプーチン大統領が現地時間21日夜(日本時間22日未明)、約55分間に及ぶテレビ演説で、親ロシア派武装勢力の占領地域の独立承認を表明した。主な内容は以下の通り。
【ウクライナ】ウクライナは単なる隣国ではない。我々自身の歴史、文化、精神的空間の切り離しがたい一部なのだ。現代のウクライナは完全にロシア、正確には共産主義のロシアによってつくられた。レーニンや同志たちがロシアの歴史的領土を切り離すという方法でつくった。
【米欧との関係】(米国は)なぜ我々を敵にしようとするのか。答えはただ1つ、問題は我々の政治体制にあるのではなく、他のことにあるのでもない。単にロシアのような大きな独立した国家が必要ないからだ。
【米国、北大西洋条約機構(NATO)との安保協議】NATOの東方拡大停止など基本的な問題に関する我々の提案には回答がなかった。我が国にとっての脅威の水準は大きく高まる。ロシアは自らの安全保障を確立するための対抗策を講じる完全な権利を持つ。
【ウクライナのNATO加盟】ウクライナのNATO加盟とそれに続くNATOの施設の展開はすでに決まったことだと考えるあらゆる根拠がある。NATOの文書で我々は公式に、直接的に欧州大西洋の安保の主要な脅威だと宣告された。ウクライナがロシアを攻撃するためのNATOの前線基地になる。
【親ロシア派占領地域の独立承認】きょうの決定(独立承認)を宣言し、ロシアの国民、すべての愛国的勢力が支持してくれると確信している。(ウクライナに)直ちに軍事行動をやめるよう要求する。そうでなければ、これから続く可能性がある流血のすべての責任は完全に、ウクライナ領を統治する政治体制の良心が負うことになる。
ロシアがウクライナに侵攻しました。NATO加盟をめざすウクライナに対し、ロシアはかねて軍事圧力を強めていました。最新ニュースと解説をまとめました。