【2月26日 時事通信社】ロシア軍の侵攻を受けるウクライナから大量の市民が脱出し、ポーランドなど近隣諸国に避難する動きが加速している。現地の報道によると、ウクライナでは18~60歳の男性の出国が禁止されており、難民の多くは女性や子供、高齢者。このため、国に残ってロシア軍と戦う決断をした夫や父親と離れた人も多いという。

 AFP通信によると、ポーランド政府当局は26日、ロシア軍の侵攻開始以降、ウクライナから10万人が入国したと発表した。ポーランドは昨年、ベラルーシから中東の難民らが押し寄せた際は鉄条網付きフェンスを設置するなど厳しい対応を見せたが、今回は医療や食事の提供など全力で難民の受け入れに当たる方針だ。

 モルドバ、ルーマニアにも多くの難民が到着しており、27日には欧州連合(EU)が緊急の内相会合を開く。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、夫をウクライナに残し、がんを患う3歳の息子を連れてポーランドの国境の町メディカに到着した女性(25)は「国が戦うために男性が必要なのは分かる。でも私の方がもっと彼(夫)を必要としている」と語った。(c)時事通信社