目次
合格に向けた基本戦略
測量士補試験の対策
測量士補試験は,すべて多肢択一式の問題になっており,450点/700点で合格という試験です。
問題数は28問で,すべての問題が1問あたり25点となっていますので,28問中18問取れれば,合格という計算になります。
65%程度の正答率でよいので,一通り知識をインプットした後,過去問を数年分繰り返せば,十分合格が可能です。
土地家屋調査士の午前試験の免除が目的の方は,前哨戦という位置づけになりますので,あまり深入りせず,過去問演習で安定して7割程度とれるようであれば,十分だと考えましょう。
土地家屋調査士試験の対策
不動産登記法が学習の中心
下記の表の通り,不動産登記法は,多肢択一式の配点の80%を占めており,また,記述式試験を解く上で必要となる知識もそのほとんどが不動産登記法に関するものになります。
そのため,学習の中心は不動産登記法になります。
また,記述式試験は,暗記では乗り切れず,理解や全体の手続の流れを押さえる必要があります。
不動産登記法の学習に当たっては,暗記するだけではなく,そのような理解についても意識しながら学習を進めていきます。
試験 | 科目 | 配点 | 合計 |
多肢択一式 | 民法 | 7.5点 | 50点 |
不動産登記法 | 40点 | ||
土地家屋調査士法 | 2.5点 | ||
記述式 | 土地に関する出題 | 25点 | 50点 |
建物に関する出題 | 25点 |
民法も土地家屋調査士法も捨てず,多肢択一式試験で満点を目指す
土地家屋調査士試験の午後の部では,多肢択一式と記述式の試験が課されます。
多肢択一式と記述式いずれにも基準点(足切り点)があり,さらに,両方の点数を足した点数が,合格点に達していなければ,合格にはなりません。
そのため,まずは基準点を目標に学習していくことになります。
そして,基準点の合計と合格点の差は概ね10点程度で推移していますので,基準点突破後は,さらに10点の上積みを狙っていくことになります。
ここで,記述式試験は,5~6ページにわたる問題文から事例を読み取り,必要な登記を解答したり,図面を書いたりする試験になります。特に図面を書くのは難しい上に時間がかかるため,合格者でも途中答案になってしまうことがある試験です。
そのため,安定して高得点を取ることは容易ではありません。
そこで,10点の上積みは,多肢択一式試験で稼ぐのがよいです。
多肢択一式試験の基準点は,32.5点~37.5点で推移していますので,ここに10点を加算すると,42.5点~47.5点になります。
つまり,多肢択一式試験では,満点に近い点数を狙っていくことになります。
民法・土地家屋調査士法で3問/4問,不動産登記法で15問/16問くらいを安定して取れるようにならないと,安定して合格点をとれるようにはならないのです。
年度 | 多肢択一式基準点 | 記述式基準点 | 合格点 |
令和3年度 | 32.5問(13問) | 30.5点 | 73.5点 |
令和2年度 | 32.5点(13問) | 30点 | 71.0点 |
令和元年度 | 32.5点(13問) | 33点 | 76.5点 |
平成30年度 | 35.0点(14問) | 33.5点 | 81.0点 |
平成29年度 | 37.5点(15問) | 36点 | 81.0点 |
平成28年度 | 30.0点(12問) | 31.5点 | 74.5点 |
平成27年度 | 32.5点(13問) | 30点 | 73.5点 |
平成26年度 | 35.0点(14問) | 30点 | 74.5点 |
平成25年度 | 30.0点(12問) | 30点 | 71.5点 |
平成24年度 | 40.0点(16問) | 29点 | 72.5点 |
平成23年度 | 30.0点(12問) | 24点 | 60.0点 |
平成22年度 | 32.5点(13問) | 29点 | 67.0点 |
平成21年度 | 32.5点(13問) | 35点 | 70.5点 |
平成20年度 | 35.0点(14問) | 31点 | 73.0点 |
平成19年度 | 32.5点(13問) | 38点 | 78.0点 |
平成18年度 | 35.0点(14問) | 27点 | 67.0点 |
多肢択一式を反射的に解答できるようになるまで繰り返す
土地家屋調査士試験が難しい理由は,もう一つあります。試験時間が非常にタイトなことです。
午後の部は多肢択一式20問と記述式2問を150分で解答しなければなりません。
記述式試験では,座標値の計算や図面の作成など,かなりの時間が取られるので,理想的には1問1時間ずつ,合計2時間は確保したいところです。
そうすると,多肢択一式試験は1問あたり2分で解かなければなりません。
悩む時間がないので,理解をしたら反射的に答えが出るようになるまで反復継続していきましょう。
記述式は道具の使い方で点数が変わる
記述式試験で求められる知識は,多肢択一式試験対策で十分に身に着けることができますので,新たに知識を補充する必要はありません。
むしろ,時間内に解ききるために素早く正確な計算機の使い方,図面を正確に作成するための定規の使い方といった技術を身に着けることが要求されます。
合格者でも途中答案が散見される試験ですので,道具の使い方を身につけて,最後まで答案を書ききることができれば,一気に点数が向上します。