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中核派民主派宣言
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2000年3月
- 書店発売日
- 2000年3月1日
- 登録日
- 2015年8月22日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
紹介
新左翼最大党派、革共同・中核派の現状をその結成以来の最高幹部が初めて執筆。60年-70年安保闘争を闘った中核派が、なぜ軍事主義・官僚主義・セクト主義に変質したのかと、その変革的再生を願って叙述。同時に新左翼運動の再生の途を提言する。
目次
序 章 革共同・中核派の変革的再生
ハード・スターリン主義に回帰した中核派
「内ゲバ戦争」の検証
ソ連崩壊に象の皮膚感覚の中核派
党内民主主義の完全喪失
第1章 清水丈夫の独裁体制
第1節 白色テロル的襲撃を暴露する
書籍一〇〇〇点などの強奪
政治局会議を開催すると演じて略奪
「内々ゲバ」を宣言した秋山勝行
第2節 政治局員を次々に粛清する清水丈夫
「極左戦術」を理由に粛清された秋山勝行
高木徹議長代行の任命
第2章 革共同の歴史的総括の視点
第1節 日共五〇年分裂とスターリン批判の開始 モスクワの伝統的手法
六全協とスターリン批判以後の弁証法研究会
トロツキーの永続革命論
黒田寛一の限界
ブントと革共同の結成をめぐる諸問題
第2節 中核派の運動と組織の検証
本多書記長暗殺をどうとらえるか
ゲバを嫌っていた本多書記長
軍事委員会による政治局の代行
党組織の準軍隊化
分派活動の自由
第3章 デマゴギー政治に転落した清水一派とカクマル
第1節 「反革命白井朗」のレッテルをはる中核派
私の批判から逃亡し、誹謗中傷に転落
清水本人も信じていないスパイ説
略奪を党組織活動と居直る清水一派
帝国主義的民族主義への変質・堕落
第2節 カクマル謀略文書の批判
「白井小冊子」の偽造
『新世紀』の白井批判は清水一派と同一
第4章 仲山『資本論の研究』の批判
第1節 仲山本は中核派の組織決定ではない
資本論解説を組織決定に
理論問題の党組織決定はスターリン主義
本多書記長は二度殺された
第2節 支離滅裂かつ時代錯誤の宇野経済学批判
アンチ・マルクス主義に転落した清水・黒島
宇野を純粋科学主義と誹謗
第3節 宇野三段階論の核心は帝国主義段階論
宇野による日本資本主義論争の止揚
帝国主義段階での農業問題の解明
第4節 宇野原理論の核心・価値論と恐慌論
仲山本の抽象的人間労働論
偽書・仲山本を廃棄処分にせよ
第5章 中核派の万年危機論・万年戦争論
第1節 清水デューリング学説はアンチ・マルクス主 義
清水のデューリング学説
清水デューリング学説の唯物史観
清水唯物史観の批判
歴史観を否定した清水
第2節 清水の社会主義論とスターリン主義論
清水の社会主義論
清水社会主義論の批判
レーニン国家論の再検討
反スターリン主義創立者の精神
第3節 清水デューリング学説の資本主義論・帝国主 義論
清水の帝国主義論
帝国主義の「いっさい不変」説批判
帝国主義戦争の必然性論
両体制間矛盾論に屈服した清水
ドル価値維持に協力せざるを得ない日本
前書きなど
はじめに
こんにち中核派は、あらゆる意味で末期症状にある。反白井キャンペーンは党内恐怖政治をつくりだし、自由な意思表明は窒息させられ、いちじるしく活力を低下させている。
すでに二名の自称政治局員が「もう運動と組織を辞めて静かに暮らしたい」と外部の人に話した事実が、私に伝わってきている。内部でいっさいの発言と討論の自由が否定されている悲劇の表白である。
反スターリン主義の思想など、もはやどこにも見いだすことはできない。私を中傷した内部文書は、九四年三月の謀略・略奪について弁解し、革共同に反対する者の財産は略奪するのが当然と開きなおって、今後も批判者には同様の行為を働くことを公然と声明した。
彼らの共産主義とは、先輩同志の知的財産をペテンによってすべて奪って「共有」するというレベルの思想にすぎないことを、自称政治局の文書は認めたのである。
いまや革共同・中核派は、清水一派のもとで正真正銘のスターリン主義党に堕落・変質をとげた。日本共産党・ソフトスターリン主義派と同一の本質をもつ、日本共産党・ハードスターリン主義派という本質規定が清水一派には妥当するのである。
一九三〇年代のコミンテルン型スターリン主義は、フルシチョフ以降の平和革命を唱えるソフトスターリン主義と区別されたハードスターリン主義であり、清水一派は世界革命と国際主義、七・七路線を捨てた戦術左翼として、ハードスターリン主義に先祖帰りしたのである。
私の著作『二〇世紀の民族と革命』を組織内で禁書にしている事実は、思想闘争、知的闘争、論争の禁止によってしか組織が延命できない反知性主義の象徴である。『前進』二〇〇〇年二月一四日付(一九四四号)の私への批判は、中核派がカクマルと同一化した事実を告げ知らせている。『前進』は革命的新聞であることを止め、『解放』と同じデマ新聞に堕落・変質したのである。
いま清水一派は、「民主主義ナンセンス」と言って「純粋の党の強化」という極端なセクト主義におちいっている。そのことによって事実上党の支持基盤をみずからの手で掘り崩し、衰退と自滅の途を急ぎつつある。
歴史的に公正な総括をおこないつつ、思想的・組織的な変革的再生の途を真剣に追求しなければならない。
二〇〇〇年三月一五日
著者
版元から一言
中核派の現状について書かれた本は、初めてです。これを機に議論が活発になることを期待します。
関連リンク
上記内容は本書刊行時のものです。