モデル 牧野紗弥「嫁ではなく、牧野紗弥でありたい」
それでもなお、なぜ私たちは「結婚」という言葉を意識してしまうのでしょうか。周囲の目が気になるから? 愛を形として残したいから? それとも、孤独だから? 1人1人が自由に生きられる時代に、他の誰かと生きる理由ってなんだろう。
今回は牧野紗弥さんに、「結婚の形を変えるのはなぜか?」をお伺いしました。結婚12年目の決断とその胸の内に迫ります。

思ったことを家族全員が言語化できる。それが、子供に伝えたい家族のあり方
「結婚したのは25歳のとき。祖母から姓を残して欲しいと言われていたし、元の姓である『牧野』は私自身のアイデンティティでもありました。
本当は姓を変えたくなかったけれど、当時は知識もなく、早く結婚したい気持ちも強くて『この話はまたいつか』と心にしまって結婚。でもやっぱり、『夫に感謝しなさい』と言われるたびに、『嫁いだ』という感覚を拭えませんでした」
気づかないふりをしていた家族内ジェンダーバイアス
「笑うことができなくなって。そのとき初めて自分が『男性が外で仕事をして、女性が家庭を守る』という役割意識=『ジェンダーバイアス』に強くとらわれていたことに気づいたんです」
そう気づいた牧野さんは、夫と話し合いを重ね、まずは家庭内での役割を変化させた。この変革を機に、誰かが我慢することで成り立つ家族は私たちらしくない、と思うように。
「今度は、もっと枠を取り外すような取り組みをしようと決めました」
そこから、何度も弁護士に相談し、事実婚のメリットやデメリットを理解した上で、家族にプレゼン。子供たちにも包み隠さずに話をし、家族全員で問題に向き合った。
「結婚って、一見自由がなさそうに見えますが、自分たちに合うようにアレンジもできる。子供たちに対しても、生き方には選択肢があることを伝えたいんです。違和感を覚えたらそれを言葉にして共有し、どうしたらいいかを考えられる、そんな家族でありたいと思っています」
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