スタジオにウイルス学が専門の広島大学大学院坂口剛正教授にお越し頂いています。
いわゆる第6波になってからの感染者の推移。先週1500人を超え、少し減った日もあったが、27日はまた増えてきている。
Q広島県の感染状況の現状をどう見る?
【広島大学大学院・坂口剛正教授】
「これ以上増えていないので頭打ちだと思うが、なかなか減らない状況」
Qピークアウトの時期は?
【広島大学大学院・坂口剛正教授】
「2月の初旬にピークアウトしてくれればいいという予想がある。ただ心配なことは、今、東京や大阪で増えているので、これまで広島は東京・大阪が増えてから(感染者が)増えてきたというところがあるので、もしかすると2つ目のピークが来るという可能性もある」
Qオミクロン株、感染力が強く早く伝染するということで、逆に収束は早いのでは?という見方もあるが?
【広島大学大学院・坂口剛正教授】
「東京・大阪の影響がなければ、潜伏期が短いので早く上がった分、早く下がる可能性もある」
Q政府分科会の尾身会長から「人流抑制」より「人数制限」だという発言もあるが、まん延防止等重点措置が延長の効果をどう見る?
【広島大学大学院・坂口剛正教授】
「議論があるところだが、尾身会長が言われたのは、もう人流抑制をしても効果がないということだと思う。国の方針として「封じ込める」ということでやっているので、おそらく広島県、地方自治体はそれに従わなければならないというところもある」
Q,自宅待機、自宅療養がどんどん増えている。デルタ株と同様に「PCR検査して隔離」というのがオミクロン株でも必要かどうか?
【広島大学大学院・坂口剛正教授】
「保健所のほうも対応ができない状況になっている。もうしなくてもいいのではないかという意見がでてくることも納得できるところがある。しかし、これも国の方針としてやっていることなので、今のところそのやり方は変えられないのではないかと思う。
現場では試薬が足りないなど、いろいろな問題も起こっているので、重点的に検査をするなどの工夫はなされている」
また新たな「ステルスオミクロン」というのも出てきている。
オミクロン株が更に変異を重ねた亜種で、従来のオミクロン株がBA-1、それに対しBA-2という増殖が従来より早いもので、日本を含め40カ国以上で確認されている。
Q感染力がさらに強いとも言われているが、このステルスオミクロンはどういった特徴がある?
【広島大学大学院・坂口剛正教授】
「これはあくまでもオミクロン株が少し変わったもので「亜種」ということ。拡がりやすいということなので、さらに拡がっていくことが考えられるが、問題は、より重症化するかどうか。それに関しては、今のところオミクロンより重症化するという話は出ていない。それからWHOは問題となる株に関しては「VOC(問題となる変異株)」に指定するが、これはまだ指定されていない。これから様子を見ていく必要がある」
Qオミクロン株に感染した人が、ステルスオミクロンに感染する可能性はある?
【広島大学大学院・坂口剛正教授】
「似たウイルスなので、オミクロンに感染すると免疫ができていて、ステルスオミクロンには感染はしないと思う。ただしコロナウイルスに対する免疫は時間が経つと弱くなる。オミクロンにかかって半年、1年経つともしかするとかかる可能性はあるかもしれない」
Qオミクロンと置き換わり第7波となる可能性は?
【広島大学大学院・坂口剛正教授】
「それはあるかもしれない」