件名:大事なお話だよー！

きょうはシャカールのお誕生日だね！
みんなとトレーナーさんとお祝いしたかったから
がくえんで言ってもよかったけど
すぐにでも祝いたかったからメール送ったんだ
きっと驚いてるかもしれないけど、
でも、おめでとうを早く言いたかったんだ
すこしでも伝わると良いな　メール慣れてなくてごめんね

たてよみ？

イマイチ変換できてないのかわいい

時計の針が頂点を回っても目は冴えたままだった。
今日は何も変わらない、いつもと同じ一日。
そう自分に言い聞かせる。
ましてやこの歳なら尚更だ。
それでも――

全くロジカルじゃない感情に軽く悪態をつき、寝返りを打った――その時。
枕元から振動を感じた。
暗がりに煌々と光る液晶には、着信を知らせるアイコンと『大事なお話だよー』という一文だけ。
差出人は見なくてもわかった。

通知をタップした。
本文を読んだ。
文面の不自然さに気がついた。
心臓が跳ねた。
スマホの電源を落とした。
メールを読まなかったことにした。
布団をかぶり直した。
目を瞑った。
寝不足になるな、と思った。