【2月24日 時事通信社】バイデン米政権がロシアによるウクライナ侵攻への対抗手段として発表した経済制裁について、野党共和党は「侵攻抑止には足りない」と訴え、強化を求めている。11月の中間選挙をにらみ、バイデン大統領の「弱腰」を印象付ける狙いもありそうだ。

 トランプ前大統領は22日、「戦略的価値の高い国を乗っ取ることに比べれば、弱い制裁など取るに足らない」と述べ、金融部門を柱とする一連の制裁には効果が見込めないと指摘した。党下院執行部も声明で「バイデン氏は常に融和政策を選ぶ」と批判。ロシアの金融機関や軍需産業に対する追加制裁を求めた。

 マコネル上院院内総務は「(昨年8月の)アフガニスタンからの拙速な米軍撤収がなければプーチン大統領はウクライナ国境に軍を展開しなかった」と主張。バイデン政権の外交姿勢が危機を招いたと強調している。

 シカゴ大などが18~21日に行った世論調査では、53%が「ロシアの影響力拡大は米国への脅威だ」と回答。昨年8月調査の45%から上昇し、米国民のロシアに対する警戒感は強まっている。こうした材料を手がかりに、共和党は外交面で政権批判を強める構えだ。(c)時事通信社