早朝に電撃的発表=ウクライナ侵攻でロシア大統領
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【2月24日 時事通信社】ロシアのプーチン大統領が24日、ウクライナでの軍事作戦に踏み切った。ウクライナの親ロシア派からの軍事支援要請の発表から約6時間後の24日早朝。プーチン氏は国営テレビを通じた国民向け演説で電撃的に軍事作戦の開始を宣言し、世界中に大きな衝撃を与えた。
プーチン氏は21日に署名した大統領令で、ウクライナ東部の親ロ派支配地域に「平和維持」名目でロシア軍を派遣するよう指示。22日の記者会見では「今すぐ部隊が行くとは言っていない」と語っていたが、国際社会はプーチン氏にまたも裏をかかれる形となった。
ロシアとウクライナは歴史的にも文化的にも結び付きが強く、両国には互いに親族がいる人も多い。ウクライナ侵攻に関し、専門家の間には「政治的には準備ができていない。国民はおびえており、戦争を望んでいない」(軍事評論家パベル・フェリゲンガウエル氏)と、国民の支持は得られないとの見方もあった。フェリゲンガウエル氏ら多くの専門家は、ロシアが長年、親ロ派を軍事支援してきたことから、正規軍が平和維持部隊として介入しても状況は大きく変わらないと予想していた。しかし、プーチン氏はロシア軍による大規模な軍事侵攻を選択した。
プーチン政権は先週以降、ウクライナに対する国民の反感をあおる大規模なプロパガンダを続け、軍事作戦に向けて国内的な環境づくりを図ってきた。ただ、戦争を積極的に支持する国民は多くないもようだ。ロシア軍にも犠牲が出るなど事態が泥沼化すれば、プーチン氏が国内でも厳しい批判にさらされる可能性がある。(c)時事通信社