ロシア軍、ミサイル160発超発射=ウクライナ政府「無力化」狙う―3方向から侵攻、チェルノブイリ制圧
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【2月25日 時事通信社】ロシア軍が24日に開始したウクライナへの本格侵攻について、米国防総省高官は同日、ロシアがミサイル160発以上を発射し、軍事施設や滑走路を攻撃したと明らかにした。ロシア軍は3方向から侵攻し、チェルノブイリ原発などを掌握。最終的には首都キエフを制圧し、中央政府の「無力化」を狙っているとみられる。
高官によると、夜明け前に始まった侵攻では開戦直後に短距離弾道ミサイルや巡航ミサイルなどが発射された。爆撃機約75機も約10カ所の滑走路を標的にした攻撃に参加した。
ただ、攻撃に加わっているのは国境地帯に集まった部隊のわずか一部に過ぎず、攻撃は「大規模侵攻の初期段階」とみられるという。
ロシアは目下、(1)ベラルーシから南下(2)クリミア半島から北上(3)ロシア南西部からウクライナ北東部ハリコフに進軍―の3ルートで進軍している。高官は「これらの部隊がキエフを目指していることを考えると、ロシアには基本的にウクライナ政府を無力化し別の統治体制を導入する意図がある」と分析した。
国防総省によると、戦闘はキエフ中心部から約32キロの地点でも行われている。現地からの報道では、ロシア軍は24日夜までにキエフ北方のチェルノブイリ原発やその周辺地域を制圧。クリミア半島付近やハリコフ一帯でも交戦が続き、ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、これら地域でウクライナ軍が懸命に抵抗していると語った。
キエフではロシア軍の攻撃に備え、午後10時から午前7時までの夜間外出禁止令が発令された。この間、公共交通機関の運行は停止されるが、地下鉄駅はシェルターとして市民に開放されるという。(c)時事通信社