ロシアのプーチン大統領は24日、ウクライナ東部での「特別な軍事作戦」の実施を決めたと発表しました。ウクライナメディアによると、同国の複数都市で爆発音が聞かれたとの情報もあります。混迷と緊張の度合いが高まるウクライナ情勢の最新状況をタイムラインでお知らせします。
(タイムスタンプは日本時間。括弧内は現地時間)
■■■日本時間2月24日■■■
21:40(ブリュッセル13:30)
NATOとEU首脳が会談 事務総長「結束している」
北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)の首脳が24日昼、ブリュッセルのNATO本部でロシアのウクライナ侵攻への対応をめぐって会談し、結束を強めることを確認した。
記者会見でEU首脳会議のミシェル常任議長は「ロシアの攻撃は国際法に違反し、法に基づく支配を力による支配に変えようとするものだ」とロシアを厳しく非難した。また、「平和と繁栄を目ざすEUの礎への攻撃でもある」と危機感をあらわにした。
EUは24日夜に緊急の首脳会議を開き、対ロシア制裁を議論する。EUの行政トップ、フォンデアライエン欧州委員長は、米国や英国のほか日本などとも連携したうえで対ロシア制裁を強化すると説明した。
NATOのストルテンベルグ事務総長は「NATOとEUは自由と民主主義の価値観を守るべく結束している」と語った。フォンデアライエン氏も「ロシアは我々を分断させようとしたが、結果は逆だ。より団結し、より決意を固めている」と語り、「ひとつのEU、ひとつの同盟だ」と応じた。(ブリュッセル=青田秀樹)
21:30(イタリア13:30)
ドラギ首相「無条件での軍撤退をプーチン氏に求める」
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、イタリアのドラギ首相は24日、「イタリアや欧州連合(EU)、全ての同盟国は、流血の事態を即座に終わらせ、国際的に認められているウクライナの国境の外に無条件で軍を撤退させるようプーチン大統領に求める」と述べ、ロシア側に即時撤退を訴えた。
一方、キエフのイタリア大使館は業務を続けており、ウクライナ当局と連絡を取り合っているとし、ウクライナに残っている約2千人のイタリア人の保護にあたると述べた。(ローマ=大室一也)
21:30(フランス13:30)
マクロン大統領がロシアを非難「著しく平和を侵害」
フランスのマクロン大統領は24日、国民向けに演説し、ロシアによるウクライナ侵攻を「国連憲章違反だ」と非難し、プーチン大統領が「この数十年で最も著しく欧州の平和を侵害した」と強調。「ウクライナ国民の自由は我々の自由でもある」として、ウクライナを支える考えを示した。
ロシアへの制裁については「軍事的にも、経済的にも、エネルギーの面でも、我々は強く対応する」と述べた。フランス政府はこれまでウクライナへの派兵は否定しており、大統領府によると、ウクライナの隣国ルーマニアでフランスの軍事的プレゼンスを強める方針だという。
21:00
国連難民高等弁務官が声明「犠牲者の報告受けている」
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は24日、声明を出し、「犠牲者や、安全を求めて家を退避し始めた人たちの報告を受けている」として、他の機関などとともに人道支援にあたる意向を示した。また、近隣諸国に対し、安全や保護を求めて逃げてくる人たちのために国境を開放しておくよう呼びかけた。
グランディ氏は、ウクライナで起きている状況に深い懸念を表明。「一般市民の命や民間のインフラは国際人道法に従い、常に保護され、守られなければならない」とし、ロシアを念頭に一般市民や生活基盤を攻撃しないよう求めた。(ローマ=大室一也)
20:50(トルコ14:50)
プーチン氏と会談したばかりのトルコ大統領「拒絶する」
トルコのエルドアン大統領は24日午後、ロシアによるウクライナ侵攻について「受け入れられず、拒絶する」とツイート。「地域の平和や安定への重大な打撃だ」と訴えた。エルドアン氏は前日に、プーチン大統領と電話会談をしたばかりだった。
一方、エルドアン氏は同日にウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談したという。ロシア、ウクライナ双方と軍事協力などを含めて密接な関係を築くエルドアン氏はこれまで、緊張緩和に向けて仲介する考えを示していた。
20:10
外務省、邦人の安全確保で緊急対策本部を立ち上げ
ウクライナ情勢の緊迫化を受け、外務省は林芳正外相をトップとする緊急対策本部を立ち上げたと発表した。「現地の状況を的確に把握し、邦人の安全確保に万全を期すための対応を検討するため」としている。
緊急対策本部では、これまでにとった措置を点検。現地の動向に関する情報収集を早急に進め、邦人の安全確保などに向け、政府として更なる対応を検討していくという。
20:00
EU「厳しい制裁、日本とも連携して」
林芳正外相は24日、欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表と電話で協議し、緊密に連携していく方針で一致した。
日本外務省の発表によると、林氏はロシアのウクライナ侵攻について、「国際法の重大な違反であり、決して認められない。力による一方的な現状変更は、国際秩序の根幹を揺るがすものだ」と強調。これに対し、ボレル氏は「EUとして、これまでにない厳しい制裁を科す予定だ。日本とも連携して対応していきたい」と話したという。
19:10
林外相が駐日ロシア大使に抗議、大使は反論
ロシアがウクライナへの全面的な侵攻に踏み切ったことを受け、林芳正外相は24日、ロシアのミハイル・ガルージン駐日大使を外務省に呼び、「直ちにウクライナへの侵攻をやめ、ロシア国内へ撤収すべきだ」と抗議した。ガルージン氏は「ロシアによるウクライナへの侵攻というようなことは起こっていない」と反論した。
面会の冒頭、林氏は「ロシアが行った侵攻は、ウクライナの主権と領土の一体性の侵害にほかならず、明らかに国際法違反だ。力による一方的な現状変更は断じて認めることはできない」と主張。ウクライナにいる日本人などの安全を求めた。ロシアは親ロシア派組織が名乗る「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認。ガルージン氏は今回の行動を2共和国の「住民の保護」と説明した。
面会後、ガルージン氏は記者団に「(林氏に)軍事作戦は自衛と強調した」と説明。「侵略ではなくて、特殊な軍事作戦だ。ロシアの安全に対する脅威からの自衛であり、(自衛権を認める)国連憲章51条などに基づいている」と述べた。
18:50(スイス10:50)
国際NGOが懸念「核兵器使用の危険は高まっている」
スイス・ジュネーブに国際事務局を置くNGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)がホームページで声明を発表した。ロシアのウクライナ侵攻を非難し、プーチン大統領の発言などから「核兵器使用の危険は高まっている」と懸念を示した。
声明は「(ロシアが)核兵器を使用するという事実上の威嚇を行っている」と指摘し、「核兵器の使用が常に選択肢に入っていることは明らか」と警鐘を鳴らした。
18:50
広島市長「一日も早い平和的解決を」
被爆地・広島市の松井一実市長がコメントを発表した。「ウクライナにおける武力衝突は、市民の犠牲を生んでいます。今後決して、核兵器を使用することがあってはなりません。一日も早い平和的解決に向けた外交努力を強く要請します」とした。
18:40(キエフ11:40)
ウクライナ、ロシア双方に死者多数の情報
ロイター通信は24日、ウクライナ大統領府の情報として、ウクライナ軍の兵士40人以上が死亡し、数十人が負傷したと報じた。また、国境警備隊員が3人死亡したほか、ウクライナ東部の中心都市ハリコフ地域ではビルへの砲撃で少年が死亡した、とも報じた。
同通信は東部ルガンスク州で…
- 佐藤優作家・元外務省主任分析官2022年02月24日19時13分 投稿
【視点】 ロシアによるウクライナへの攻撃は、力による国際秩序を変更するもので、容認されません。岸田文雄首相がロシアを厳しく非難したのは当然です。日本もG7と協調して本格的な対ロシア制裁に踏み切ります。
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ここでは価値判断をとりあえず、括弧に入れて