【ss】生徒会ウララ概念

某日。トレセン学園へ赴いた我々取材陣は、現生徒会長であるナイスネイチャへインタビューを行った。

「はじめまして。現生徒会長のナイスネイチャです。本日はお忙しい中お越しいただき、ありがとうございます」

───早速ですが、インタビューを始めてもよろしいですか？

「はい、問題ありません。お答えできる範囲であれば何でも答えますよ」

───まず、生徒会長としては同期のトウカイテイオー氏も有力候補だったと思います。ナイスネイチャさんが選出された理由などに心当たりは？

「アタ……私もトウカイテイオーの方が投票数多いと思ってたんですよ。ただ、テイオーは人の上に立つ事に関心はなくて、どちらかというと広報などの交渉や事務作業の方が向いてたみたいです。前生徒会長のシンボリルドルフと同じくらい有能な娘なんですけどね〜」

───成程、ありがとうございます。次にですが、今の生徒会の人選は貴女が行っているのでしょうか？
そうであれば、選出した理由などもお聞かせください

「大体はトウカイテイオーが見つけた娘をアタ……あ、喋り方はもう好きにしていい？ じゃあ……アタシが仕事を振り分けて適正を見分けるって感じですね。テイオー、人を見る目は確かなので、そこに甘えてる部分は大きいです」

そうしてインタビューを続けているうちに、トラブルが発生した。

「ネイチャっ！ ヤバイよヤバイよ！！」

「ちょっ、いま取材中なんだけど！？」

トウカイテイオー氏が応接室へと入室してくる。手に持ったタブレットをナイスネイチャ氏へ向けると、彼女の表情が青くなる。

「あぁーもう、なんでアポ無しにコラボ企画持ち込む輩が減らないの……いや、もう、仕方無い。スミマセン、取材は一旦中断で」

ナイスネイチャ氏はこちらからの取材を一旦切り上げると、懐からスマートフォンを取り出し、コールをかける。

「もしもし？ うん、またなんだ。連続出走になっちゃうんだけど。時間稼げる？ こちらの記者さんも急いでるだろうからさ。うん。一時間は余裕？ 助かる〜！ 場所はいつもの喫茶店で待ってて！ 資料や対談相手の情報も送るし、テイオーも応援に向かうから。うん、よろしく！」

ピッ、と電話を切る。トウカイテイオー氏はいつのまにか部屋からいなくなっており、部屋には我々取材陣とナイスネイチャ氏だけが残っていた。

───今の相手は？

「あぁ、こういう時のための要員。アタシは会長……いや、ルドルフさん程万能じゃないからさー。予期しないトラブルを先延ばしにするのも一苦労なんだよね」

───時間稼ぎ要員？

「ハルウララ、って知ってる？ ほら、かなり前に高知レース場を救ったって言われてるウマ娘。あの娘こそテイオーがスカウトした娘の一人で、応接対応に特化してる娘なんだよね」

───我々の知るハルウララは、天真爛漫で明るい子ではあるものの、こういう時のトラブル対応が出来るとは思えなかったのですが

「失礼だけど、アタシも少しそう思ってた。でも、逆なのさ。その場しのぎをさせるにあたって、ハルウララ以上に向いてる娘はいないかもね。あの娘は企業における受付役みたいなもの。アタシやテイオーといった権限を持つ人材が動けない時に時間を稼いでくれる娘なんだよね」

そう言いながら、ナイスネイチャ氏はノートパソコンとタブレット端末を叩きながら我々の質問に答えていく。

「ふぅ……一段落ついたー。じゃ、取材の続きに戻りましょっか。えーと……何を聞きたいんでしたっけ？」

───質問事項が打ち合わせと変わっても問題はないでしょうか？

「ん、あぁ大丈夫だよー。多分だけど、ウララの事でしょ？」

───ありがとう御座います。ハルウララ氏を生徒会役員に起用したきっかけなどがあれば教えて下さい

「テイオーから聞いた話なんだけどね。まぁ今日みたいにブッキングが起きて揉め事になりそうだったんだけど、その時たまたまウララが対談相手とテイオーが話してる所に通りがかって、相手の主張を耳に挟んだみたい。その内容に興味を抱いたウララがあれよあれよと相手の主張を引き出しつつ時間を稼いだ事により事なきを得る……といった流れかな」

───偶然スカウトした、と？

「そうなるね。テイオーも、それをきっかけにウララをスカウトしたみたいだし。ウララも、面白いコラボ企画や提案を聞くだけでいいなら、って乗り気になってくれたんだ。あれから数年たって、ウララも役員らしく色々出来るようにはなったから本当に助かってるなぁ」

───今回のトラブルは、頻繁に起きるのですか？ 連続出走と仰っていましたが……

「いや、流石にそんなことはないよ。ウララは基本的に話し相手というか、受付役みたいなものだから、今みたいな時期だとウララも少し忙しくなるんだよね。早めに来訪した相手や、企画の持ち込み等も一旦ウララに話が通るし。まぁ事務作業はテイオーがこなしてくれるんだけど、やっぱり企画を持ち込む人って話を聞いてもらいたいだろうからさ。聞き手としてウララは適役なんだよね」

───つまり、今回の取材もハルウララ氏に話が一旦通ってたのですか？

「そうだよ。でもまぁ、企画とかの持ち込みじゃないし、あくまで生徒会長である私が受け答えするだけのものだから、ウララも特に何も言わなかったね。コラボ企画とかの持ち込みをする場合、あの娘がどんな場所にワクワクを感じるかどうかを基準に話し合いをするよ」

───なるほど。最近のトレセン学園のコラボ企画やタイアップの裏側には、ハルウララ氏が関わっていたのですね

「そうだねぇ。でも関わっていない人がいるのか、と言われたらそれも違うな。さっきも言ったけどアタシは万能じゃないからさ、全員の力を少しずつ借りないと手が回らないんだよね。一つの企画に、色んな人の力を借りる。キラキラ光る力を借りてる。そのおかげで今の生徒会が成り立ってる……なんて、クサいかなーははは……」

トレセン学園の新生徒会。人の入れ替わりが起き、スタンスなどが大きく変化しても、彼女達の歩みが衰えることは無さそうだ。今回の取材にてその裏側を追求したが、確かにナイスネイチャ氏はシンボリルドルフ氏のようなカリスマ性は無いかもしれない。しかしその親しみやすさは、新しい空気をトレセン学園に呼び込んでくれるだろう。

以上
テイオーは生徒会長より事務のが向いてそうだと思った
ウララは応接に完全特化させても良いかな、と。人と話しても疲れなさそう

復活して良かった、焦った

おかえりー

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書いたやつまとめたやつのまとめ

>>10

ここに載せるのは確かに久しぶりかも……

自分用のヤツとかはたまに書いてる（載せてないけど）

本当は昨日、あのスレに投げておきたかったんだけどいつの間にか埋まってたんだよね
まぁ30分かけてたらどちらにせよ埋まってたか