昨日のぞろ目
>無題Nameとしあき 22/02/23(水)01:26:20No.16965011+
>ぞろ目ならクアトロの「うわっキツ」ファッションショー
ラスレス
>無題Nameとしあき 22/02/23(水)01:30:10No.16965016+
>ラスレスならノーヴェ師匠の衣装が裸エプロンになる

フーカとリンネの模擬戦という激闘は終わった
2人は試合終了と同時に倒れる様に眠りに落ちてしまう
あれだけ激しい戦いを繰り広げたのだから無理もないだろう
殆ど1日眠り続けた2人は現在は目を覚ましてテラスにいる
ホテルアルピーノのテラス席でフーカとリンネ2人だけのティータイムだ
　「このケーキ美味いのぅ」
　「本当に美味しい…」
　「院の頃を思うと夢の様な生活じゃ」
2人が育った施設は決して裕福ではない
ひもじい思いをする事は無かったが満たされる事も無い
そんな場所で育ったフーカからすれば今の生活は幸せそのものだろう
お腹いっぱい食べられるし仕事にもありつけている
幸せなティータイムを満喫するフーカにリンネはある事を切り出した

エリオとフーカと決勝と＜繋いだ手の中で＞

　「フーちゃん…あの…今度ナカジマジムに行ってもいいかな？
　　高町選手やリナルディ選手…それからアツェレイ選手にも
　　きちんと謝って…お礼が言いたいの」
　「お礼はともかく…お2人は謝られても困るじゃろうなぁ
　　それに…レイさんは淡々と返しておしまいじゃろう」
頭の中では謝罪するリンネと困りながら遠慮するヴィヴィオとミウラが見えた
思わず苦笑するフーカだったが
　「『レイさん』…アツェレイ選手の事をそう呼んでるんだ」
　「おう、ワシのバイト先の上司でハルさんと同じく師匠の1人じゃ」
　「そうなんだ…羨ましいな（ﾎﾞｿｯ）」
　「来るんじゃったら普通にジムに遊びに来ればえぇ
　　スパーリングや技術交流が出来ればヴィヴィさん達も喜んでくれるはずじゃ」
　「うん、そうするね」
リンネはどこか落ち着かない様子である
何かを切り出したいがそのきっかけが掴めない様なもどかしさを

　「どうしたリンネ？まだ何か溜め込んでおるのか？」
フーカがそう切り出してくれた事でリンネはようやく口を開く
　「…………フーちゃん昨日の試合中に言ってくれたよね
　　私の事を…友達だって…親友だって…」
その事はフーカもよく覚えている
あの時リンネが周りの全てを否定する様な言葉に思わず出た言葉
紛れもなく本心ではあるのだが今考えると恥ずかしく思えてくる
　「あの時…凄く嬉しかったの…
　　あんなに酷い事を言って…喧嘩してた私の事を…
　　それでも友達だと言ってくれた事が…」
　「リンネ…」
　「昨日の試合中何度も思ったの…フーちゃんの拳が重たく痛い
　　実力やキャリアでは私の方が上のはずなのに…って
　　最後の方はフーちゃんに勝てるヴィジョンが全然見えなかった
　　その理由が最後の最後でようやく分かったよ」

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衣装を変えるたびにアツェレイが犠牲になるショーか…

　「誰かを想う気持ちが強ければ強い程どんな相手にも負けないんだって
　　フーちゃんは…私の事を強く想っていてくれたから強かったんだって
　　私はそうじゃなかった…勝てるはずがないのは当たり前だったんだ
　　ずっと自分の事が嫌いで許せなかった
　　力が無いのが…弱いのが許せなくて…自分が嫌だった
　　そんな私の目を覚まさせてくれたのはフーちゃんの言葉と拳だったよ
　　今はすごく…すごく目が覚めた気持ち
　　お父さんとお母さんにも…ずっと話せていなかった事
　　今ならちゃんと向かい合って話し合えると思う
　　今までの事も…これからの事も…ちゃんと」
　「考えすぎてまたドツボにはまるなよ？」
　「大丈夫、悩んだり迷ったりした時は
　　今度こそ父さん、母さん、コーチやヴィクターさんとちゃんと話し合う
　　本当に悲しい時、泣きたい時にはフーちゃんに会いに行くから
　　だけど…そうならない様に…強くなるよ…今度は心もね」

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割と真面目にどうして開催することになったのか…

>割と真面目にどうして開催することになったのか…
レンカにお願いされて断れなかったとか
クアットロはレンカに甘い所があるし

フーカの目にはいつの間にか涙が浮かんでいた
それは大粒の涙として目からあふれ出ており頬を伝う
ずっと願っていた事、思っていた事
それが叶ってフーカは涙を流せずにはいられなかった
思えばこうなる為に格闘技を習い始めたと言ってもいい
とても長い時間がかかったとさえ感じる程に今フーカは充実感に満ち溢れていた
　「後ろばかり気にして前を見ようともしていない
　　そう教えてくれたフーちゃんの言葉の意味が今なら分かる
　　私は…前を向いてもいいんだって…
　　ありがとうフーちゃん…大好きだよ」
　「あぁ……あぁ……」
2人はしばらくの間ゆっくりとした時間を過ごし
そして次元航行船の発着場に行く時間になるとルーテシア達に挨拶をした
これからミッドチルダに戻りフーカは次の試合の為の練習をする為に
リンネは今度こそ両親ときちんと話し合う為に

ミッドチルダへと戻ったフーカはリンネと別れナカジマジムへ
そこで先に戻っていた先輩達にお出迎えされたのである
　「フーカさんお帰りなさーい！」
　「リンネさんとお話出来ました？」
　「仲直り出来ました？」
　「お体大丈夫ですか？」
　「決勝の準備の方は？」
取り囲まれて質問攻めである
これにはフーカも困り顔でしかない
だがそれを無下に出来ないのもフーカであった
自分の事の様にフーカを心配してくれた先輩達の心遣いなのだから
　「みんな揃ってるなー？」
皆に遅れてノーヴェ会長が選手ジムに姿を見せる
フーカは自分が元気な姿である事をアピールする為に元気よく答えた
　「押忍！」

　　「お帰りフーカ」
　　「押忍！ただいま戻りました！」　《にゃーん！》
元気そうなフーカの姿を見て安心したノーヴェだったが
すぐに困った顔になりフーカに告げる
　　「それでな…お前の決勝の相手なんだが…
　　　困った事にとんでもない強敵なんだわ」
　　「知ってます、嫌という程」
　　「でも負けさせるつもりはない…勝つ気でいくぞ！」
　　「押忍！」
　00「張り切るのはいいですがフーカの体調や状態確認
　　　それを忘れないで下さいよノーヴェ会長」
　　「レイさん！」
　00「お帰りフーカ、いい顔になったな」

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