ANA、おからなど原料のカツ丼 健康志向の機内食
全日本空輸(ANA)は22日、健康や環境に配慮した機内食を3月1日から提供すると発表した。おからとこんにゃくを原料とする代替食材を使ったカツ丼と、食品廃棄物を使った堆肥で生産したソフトケールを使ったサラダの2種類のメニューを用意する。
カツ丼は国際線ビジネスクラスの軽食メニューとして提供する。一部を除く日本発の北米、欧州、インド、オセアニア便が対象。ディーツフードプランニング(奈良県橿原市)が開発したおからとこんにゃくを原料とする植物性代替食材「ディーツ」を肉の代わりに使用した。大豆の臭みが少なく、違和感なく食べられるという。ごはんには白米とこんにゃく米を半分ずつ配合し、うまみを残しながらカロリーを抑えた。
カツ丼全体のカロリーは約350キロカロリーと、通常のカツ丼に比べ4割低減し、脂質も5割カットした。摂取カロリーを気にする人や健康に気をつかう人に楽しんでもらいたいという。開発を担当した森誠剛和食料理長は「肉らしい食感にこだわって試行錯誤を繰り返した」と話す。
日本発の国際線エコノミークラスでは、3月から機内食の調理時に出る残さから作った堆肥を使って栽培したソフトケールをサラダとして提供する。ソフトケールは通常のケールに比べて柔らかく、苦みが少ないのが特徴。これまで提供してきたキャベツやコーンなどが入ったミックスサラダの一部に加えた。
調理過程で発生する残さは全て堆肥や飼料としてリサイクルしてきたが、この堆肥を使って生産された食材を機内食として提供するのは同社で初めての取り組みとなる。残さを循環させる仕組みを導入し、SDGs(持続可能な開発目標)に貢献する。
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