ソラン

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ソラン

   真っ暗な闇の中、一筋のライトがレイコの顔を照らした。 レイコが立っていた。 いや、浮いているように見える。   「レイコ、うまく行ってるようだな」      「計画通り、いやそれ以上に早くことは進んでいるわ、ソラン」   「よろしい、では次のフェーズに進んでくれ」   「了解、もう後戻りはできないわねソラン」   「後悔してないか?」   「今のところはね。でもこのままじゃ人類は滅亡するんでしょう」   「そうだ。だが中央政府と人類数百億人を敵に回す事になるぞ」   「我が第6世代から選ばれたた50人は理解できてるわ」   「宜しい、では次の計画に移ってくれ」   「あっそれから、彼等たちにコードネームを付けたの------メトコスよ」   「メトコスか、ギリシャ語でパートナーだな。いい名前だ」   「私達の希望を背負った、第7世代ってところね」   「確かに第7世代の反逆者だな」 ライト消え、再び暗闇の世界に戻った。 レイコは思った。 今の世界は、この暗闇の中と同じではないか。 いま人間は生きていると言えるのか。 もしそうでないのであれば、変えるしかない。 メトコスに託す他ないのだ。 レイコは手を合わせて祈りたい気分になった。 だが今の世界では宗教的な所作は厳禁だ。   「最近、古代の日本人と喋り過ぎたせいかな」 レイコは妙な納得をした。
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