0人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
ソラン
真っ暗な闇の中、一筋のライトがレイコの顔を照らした。
レイコが立っていた。
いや、浮いているように見える。
「レイコ、うまく行ってるようだな」
「計画通り、いやそれ以上に早くことは進んでいるわ、ソラン」
「よろしい、では次のフェーズに進んでくれ」
「了解、もう後戻りはできないわねソラン」
「後悔してないか?」
「今のところはね。でもこのままじゃ人類は滅亡するんでしょう」
「そうだ。だが中央政府と人類数百億人を敵に回す事になるぞ」
「我が第6世代から選ばれたた50人は理解できてるわ」
「宜しい、では次の計画に移ってくれ」
「あっそれから、彼等たちにコードネームを付けたの------メトコスよ」
「メトコスか、ギリシャ語でパートナーだな。いい名前だ」
「私達の希望を背負った、第7世代ってところね」
「確かに第7世代の反逆者だな」
ライト消え、再び暗闇の世界に戻った。
レイコは思った。
今の世界は、この暗闇の中と同じではないか。
いま人間は生きていると言えるのか。
もしそうでないのであれば、変えるしかない。
メトコスに託す他ないのだ。
レイコは手を合わせて祈りたい気分になった。
だが今の世界では宗教的な所作は厳禁だ。
「最近、古代の日本人と喋り過ぎたせいかな」
レイコは妙な納得をした。
最初のコメントを投稿しよう!