最新の調査によると、虫歯のある人は40代でなんとほぼ100%!毎日欠かさず歯みがきをしているのにどうして?
そこで今回、国民の虫歯を大きく減らすことに成功したスウェーデンを徹底取材。見つけたのは、歯みがき後に「口をゆすがない」という衝撃の歯みがき法!さらに虫歯がなくても年に1度は歯医者に行き、「プロケア」という施術を受けることが、虫歯や歯周病予防にとっても大切と言います。
これまでの常識が180度覆る、健康な歯を残す秘けつをお伝えしました。
虫歯予防の強い味方!歯みがき粉の“フッ素”
日本で初めてフッ素配合の歯みがき粉が登場したのは昭和23年のことです。そして1990年代後半になってその市場占有率は5割を超え、今では9割の歯みがき粉にフッ素が配合されています。お持ちの歯磨き粉がフッ素配合かどうかを調べるには、商品の原材料名をご確認ください。「フッ化ナトリウム」または「モノフルオロリン酸ナトリウム」と記載されていればフッ素が配合されています。
そもそも虫歯は、口の中にいる細菌が引き起こすと言われています。食べ物や飲み物に含まれる糖質をエサに、ミュータンス菌などの虫歯菌が酸を作り出します。その酸が歯に含まれるカルシウムなどを溶かしてしまうのです。
歯が溶けると、唾液に含まれるカルシウムなどが歯を修復します。これは再石灰化と呼ばれています。このときフッ素が唾液中などに含まれていると、再石灰化が促進されます。さらにフッ素が唾液中のカルシウムなどと反応して酸に溶けにくい物質を作り、その物質で歯の表面がコーティングされたような状態になります。すると虫歯菌が酸を出しても、歯が溶けにくくなる、というわけです。
スウェーデンで発見!新★歯みがき法
1995年にスウェーデンの研究者たちは“イエテボリ テクニック”と呼ばれる新たな歯みがき法を発表しました。実験によると、通常の歯みがき方法と比べて虫歯の予防効果が40%以上高いことがわかったのです。その最大の目的は、歯みがきの後に口の中にフッ素を残すこと。
現在スウェーデンの歯科医院などで指導されている歯みがき方法のポイントをご紹介します。
<ポイント1>
フッ素配合の歯みがき粉をたっぷりと使う(目安は2cm)
<ポイント2>
歯全体に歯みがき粉が行き渡るように意識して2分程度歯みがきを行う
<ポイント3>
口の中の泡などをしっかり吐き出したあと、口をゆすがない
ゆすぎたい場合は水を少量にして、回数も少なくする
<ポイント4>
歯みがきのあと、2時間飲食をしない(最低でも30分)
番組で歯みがき後の唾液中に残るフッ素濃度とゆすぎの回数との関係を調べたところ、次のような結果でした。
ただしイエテボリ テクニックの対象年齢は12歳以上です。
小さいお子さんにはオススメしていませんのでご注意ください。
インプラントをご使用の方へ
フッ素がインプラントに与える影響についてはさまざまな研究があります。
心配な方は主治医にご相談ください。
歯みがき粉は使用上の注意にしたがってお使いください
歯の健康を守る!「プロケア」のすすめ
スウェーデンでは多くの人が、虫歯はなくても、定期的に歯科医院を訪れると言います。目的は歯科衛生士による「プロフェッショナルケア(通称プロケア)」を受けること。もちろんプロケアは日本の歯科医院でも受けることができます。
虫歯や歯周病を引き起こす細菌は、口の中にたまった歯こうをすみかにしています。歯科衛生士は特殊な器具を使い、ふだんの歯みがきではなかなか取りにくい、歯と歯ぐきの間にたまった歯こうも丁寧に取り除いてくれます。プロケアを受けると、虫歯や歯周病のリスクが大きく減ると言われています。
フッ素は一度に過剰に摂取したり、長期間に渡って大量に摂取し続けたりすると、悪心・おう吐や、歯や骨に異常が出るなどの中毒症状が起こることが報告されています。そのため、海外ではフッ素摂取量の上限を決めている国もあります。番組ではアメリカの医学研究所が1997年に発表した摂取許容量(9歳以上で1日10mg)をご紹介しました。
これに対し、歯みがき粉2cm(約1g)に含まれるフッ素の量は、およそ1mgです。今回番組でご紹介したスウェーデン式の歯みがき法を1日数回行ったとしても、口に入れたフッ素のほとんどは吐き出されるため、フッ素による悪影響は出ないと専門家たちは考えています。
フッ素入りの歯みがき粉は、適切に使う事で虫歯予防に効果が得られることが広く理解されています。その安全性については今回あらためて複数の専門家に確認を行った上で、番組でご紹介いたしました。