ゲーム難易度 ★★★★☆
英語難易度 ★★★★☆
コンソール…PC: Windows, OS X
価格 ¥980
Created by Dingaling
LISA: The Painfulとは、2014年にSteamにて発売された古き良きRPG(ロールプレイングゲーム)です。こちらのゲームの魅力は、濃厚かつダークなストーリー、プレイヤーに媚びない世界観、そして退廃した世界だからこその一周回って笑えるダークコメディ要素です。ゲーム難易度としては少し難しく、ポケモンやファイナルファンタジー等の同ジャンルのゲームに慣れていないと序盤は特に苦労するかもしれません。しかし、レベルを上げれば勝てるというシンプルな解決法があるので、ご安心ください。日本語版は有志の方が制作されたMODがありますが、最大限に楽しめるのはやはり英語版です。激しいアクション要素は無いので、辞書を片手にのんびり進めても問題ありません。
なぜこちらの作品を取り上げたかというと、筆者のゲーム生活の中で一番心を動かされた作品だからです。今回はこのLISA: The Painfulの盛り沢山な魅力のうち3つを、ご紹介させていただきます。
露骨なネタバレは避けているので、ご安心して記事をお楽しみください。
1.濃厚かつダークなストーリー
Bradというカラテが上手いハゲ親父がある日、女性が絶滅し荒れ果てた世界で一人の赤ん坊を見つける。性別はなんと女の子。Bradは過去の過ちを悔い改めるように、友人たちとひっそり赤ん坊を育てる。Buddyと名づけたその子は無事に成長し、だが穏やかな日々はBuddyが誘拐されたことにより崩壊する。Bradは歪な関係の仲間をかき集め、愛しの我が子を探しに旅に出るのであった。
この旅の過程で、あなたはBradの罪とトラウマを、そしてLISAとは誰なのか知ることになります。生き延びるために手段を選ばない男たちが、容赦なくBradを襲う。LISA: The Painfulには、ヒーローが悪を倒してめでたしハッピーエンド、という結末はありません。終点にあるのはBradの幸せ、それのみです。
2.プレイヤーに媚びない世界観
一言で表すなら、鬼畜です。ものすごく難易度が高いという訳では無いのですが、体力を回復するために休んでいたら襲撃されたり、仲間が人質にとられたり、アイテムの盗難にあったりはまだ可愛いもので、復活不可能で仲間が永久離脱してしまう攻撃がたまに襲ってきます。とはいえ、もはやネタのような敵も存在します。罵倒や下品さは天を貫いています。この二極性が非常にいいバランスで、一歩一歩進むたびに、次は何を見せてくるのだろうか…?という期待を持たざるを得ません。
30以上のキャラクターを仲間にできるのですが、この男たちも非常に個性あふれて飽きることはありません。強いやつは大体薬中で、禁断症状が酷いです(薬物を摂取していないと、なかなか思うように動けない)。ただだからと言って弱いキャラクターがいるわけでもなく、成長させればみんな頼りになる、いい仲間です。
このゲームを進めるにあたって一つアドバイスを挙げるならば、状態異常はかなり便利です。状態異常をまとめた看板が道中にあるので、スクショをして(または攻略サイトを見て)そちらを参考にバトルをすると、どんな敵でも撃ち破ることができます。…ですが一部、絶対に勝てない敵、いわゆる負けイベ(負けることでストーリーが進むイベント)があるので、圧倒的に無理!と思っても落ち込まないでください。
3.退廃した世界でのダークコメディ
ダークコメディとは、Black humor(ブラック ユーモア)とも呼ばれており、タブーを風刺的に表したり、ネガティブまたは猟奇的な内容をジョークとして表現したもの。この手の冗談は、慣れていないと面白さが伝わらなかったり、冗談ではなく深刻な問題として受け止めたりなど、少し複雑な表現です。英語圏のドラマや映画に慣れた方であれば割と楽しめるのですが、そうでない方は、それでも肩の力を抜いて遊んでみることをお勧めします。
ダウンロードサイト(steam):
https://store.steampowered.com/app/335670/LISA_The_Painful/?l=japanese
おまけ
こちらにはLISA: The Joyfulという短い続編があります。The Painfulのその後の世界なので、気になる方は是非遊んでみてください。The Painfulで謎だった部分が説明されていたり、新たなキャラクターたちとの戦いを楽しめます。The Painful(苦しい)で負った心の傷を、もしかしたらTHE Joyful(幸せに溢れた)が少しでも癒してくれるかもしれません。もっとも、この作品がさすJoy(歓喜)はあまり良いものではありませんが…。
サウンドトラックもイチオシです。予告動画の音楽に、お!と惹かれるものがあれば、他の音楽も気に入るでしょう。続編のThe Joyfulと結構お得なセットでの販売もされているので、そちらも要チェックです。