野球「独立リーグ」に経営者が続々と挑む背景事情 全国に27の球団、「淘汰の時代」に入りつつある

この3人の経営者は、それぞれプロスポーツチームの経営で苦労しながら経験値を高めてきた。しかも進取の気質に富み、新たなビジネスの創出に意欲的だ。リーグをまたいでの交流、連携が新たな展開につながる可能性は大きいだろう。

2005年に四国に独立リーグが誕生して来年で17年、四国アイランドリーグplus、ルートインBCリーグなどに所属する独立リーグ球団は、経営の徹底的な合理化を図り、損益分岐点を下げて、地域密着型の営業、マーケティングを展開してここまでやってきた。今ではNPBとは異なるビジネスモデルを曲がりなりにも確立したといってよい。

「淘汰の時代」を迎える独立リーグ

しかしながら、将来性、発展性を考えたときに、既存の独立リーグにどんな「次のビジョン」があるのか、やや疑問があるのは否めないところだ。新規参入する独立リーグ球団は、既存リーグ、球団にとって大きな刺激となるはずだ。

さらに言えば、独立リーグは今後、「淘汰の時代」を迎えるそうだ。
現在、独立リーグ球団は全国に27もある。

四国アイランドリーグplus 4球団
ルートインBCリーグ 8球団
日本海オセアンリーグ 4球団
さわかみ関西独立リーグ 4球団
ヤマエ久野九州アジアリーグ 3球団
北海道独立リーグ 3球団 
単独(琉球ブルーオーシャンズ)1球団

存立基盤も運営体制もさまざまではある。今後は、「人材輩出」「地元貢献」「新たなビジネス」など何らかの独自性、先進性を打ち出せない球団は淘汰される可能性もあるだろう。

今オフの多くのトライアウトによって優秀な人材が多数独立リーグに入団した。来年以降、独立リーグの実力はさらに上がるはずだ。

コロナ禍で経営的に大きなダメージを受けたNPB球団は、今も独立リーグとさまざまな形で連携しているが、さらに結びつきを強める可能性はある。しかしそのときにパートナー足りうるのはしっかりしたビジョンと、それを実行できる経営手腕を持った球団に限られるだろう。

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