環境認識
2022/02/20 Sun
私が環境認識を重要視していることは、読者の方ならご存知でしょう。
ところがこの環境認識という言葉、初心者にとっては、いやはや何とも厄介でよくわからないことの筆頭でもあると思います。
相場が上手な人が「環境がよくない」「今は地合いが悪いから」とか「場味がどうもよくない」「センチメントは強い」とかよく使いますが、ほんと何のこっちゃと思われている方も多いのではないでしょうか。
相場巧者は、常に意識していることですが、初心者にとっては、意味不明で曖昧、よくわからないことの筆頭がこの環境認識でしょう。
ここで出てくる言葉だけを取っても、環境、地合い、場味、センチメント、と人によって様々な言葉使いをしますし、その定義も実に曖昧。
なので多くの投資家は避けて通っていることも多いと思いますが、私から見れば、ちょっと待った~、それはダメだよ、ってことなんです。
この環境認識という言葉の定義は、狭義にも広義にもできる、人によって違うふわふわとして定義ですので、私が考えている環境認識を書いておこうと思います。
そして、何故環境認識が重要なのか、相場で勝つためには避けて通れないのか、実は言葉にするのはすごく難しいのですが、その理由にも挑戦してみます。
まず、狭義の環境認識といえば、テクニカル的な要素だけを言う人が多いです。
つまり、
自分が使っている時間軸よりも上位の時間軸を環境と定義している
ということです。
例えば、日足で売買している人は、週足、月足を見て、今がトレンドなのか、レンジなのか、高値安値など、長期の値動きを環境として認識する、ということです。
私は、この狭義では、全く不十分だと考えていて、もっと広義に環境を認識しています。
私の考えている環境は、自分の時間軸のテクニカル的な要素以外を全て含みます。
コメント欄で、ある方が、デイトレはファンダメンタルなど関係ない、と言われていましたが、私は、めちゃくちゃファンダメンタルを見ています。
今月前半までは、四半期の決算発表でした。
私は、このトレンドが出やすくなる決算発表シーズンの環境を得意としていますので、ここでは、冬眠前のヒグマが鮭をたらふく食べるように脂肪をつけていました。
今月前半までの決算発表シーズンという環境で、その環境に適応した戦略を使って勝負するわけです。
では、今の環境はどうでしょう。
今の環境を一言で言えば、ヘッドライン相場です。
ヘッドライン相場とは、ニュースのヘッドラインに振り回される相場環境のことです。
今の環境は、ウクライナ問題に対する要人発言に日々揺り動かされる状態で、かつ、インフレリスクに対するFRBの姿勢次第で大きく動く状態です。
この2大ヘッドラインで、リスクオン、リスクオフの間を揺れ動き、世界中の株価や為替が行ったり来たりという状況で、一番難しい状態になっています。
多く投資家は、テクニカル的に相場を見て、相場を分析しています。
しかし、そういった
テクニカル = 内部要因、需給
というのは、外部要因が穏やかな通常時には通用しますが、ヘッドラインで揺れる相場の前には完全に無力です。
いくら緻密な分析をしたとしても、明日ロシアがウクライナに進行したら、そんな分析など吹っ飛びます。
また、FRBがインフレの進行を前にして、どう利上げに来るのか、次回3月16日のFOMCに向けて調整に入っていますが、相場も3月16日のFOMCの利上げに向けての動きがこれから始まります。
その間の雇用統計や米消費者物価指数など重要指標に一喜一憂する相場展開が容易に読めるわけです。
このような状況は、海の家に例えれば、お天気が続く環境では、海水浴客が大勢訪れて、かき氷や焼きそばなどを売って商売が盛況なわけですが、ひとたび台風が来ると、店じまいして、台風に備えることになります。
これは、
お天気な環境なのか、台風が来るという環境なのかという環境で商売が左右されるのであって、台風の時に如何にして焼きそばを売るのかという工夫の問題ではない
ということです。
ここが重要な考え方のポイントです。
多くの人は、相場の環境のことをほとんど意識していません。
なので、ひたすらに、いつでも、どんな時でも上か下かを予想して、当てようともがいています。
そして、台風の時に如何に焼きそばを売るのかを一生懸命工夫しているのです。
これは、普通に考えて、ものすごくナンセンスなことだとは思いませんか。
私なら、台風の時は、店じまいします。実に簡単なことです。
ヘッドラインでリスクオン&リスクオフで揺れ動く相場を読むことは、至難の技です。
どんなにすごい人工知能であっても、世界最大のヘッジファンドであっても、今の相場を読むことは不可能です。
チャートをどう分析しても、ヘッドライン次第で相場が動くのだから、値動きの因果関係がわかっていれば、分析の無駄なことはわかると思います。
恐らく、今の相場を簡単に読めるのは、世界広しと言えどもプーチンだけでしょう。
ロシア系ファンドがあれば、そのファンドが売りなら売り、買いなら買いで間違いないです。
ただ、残念ながら、そういうファンドは知りませんが。。
また、未だにコロナの影響も相場に出ていますが、アメリカでの旅行レジャー関連の動きなどを見ることによって、コロナによるリスクオンオフの動向がわかります。
このように、外部環境やファンダメンタル、そしてヘッドラインを見ることで、相場の環境を認識し、その中で、最適な戦略をケースバイケースで考えていくわけです。
1つのやり方を知ったからといって、それで「完全思考停止」して相場を当てられる、という手法万能論の方には申し訳ないことですが、そんなことで相場を読めるということは、こういう理屈から考えれば、非現実的であることがはっきりとわかると思います。
今なら、プーチン発言一つで動く相場を、どうやってテクニカルで読むのか、という実に非論理的なことをやろうとしているからです。
こういった色んなファクターの結果が値動きなのだから、チャートが先付けすることはありません。
さて、ウクライナ問題がある程度決着すれば、次はいよいよインフレと利上げに焦点が当たります。
こちらは、基礎的ファンダメンタルの要件の中でも、金利動向と中央銀行の緩和と引き締めという最大級に相場を動かすドライバーとなります。
この中央銀行の政策によって、相場の方向性が決まるといっても過言ではないので、相場の土台とでも言うべきもので、環境認識派としては、最大級に注意を払うべきものとなります。
2012年12月にスタートしたアベノミクスによって、どのような相場が演出されたのかは、記憶に新しいところでしょう。
アベノミクスによる経済政策と金融の大幅緩和というドライバーが相場を動かしたのです。
仮に民主党政権があのまま続けば、あれだけの相場が出ることはなかったわけで、テクニカル分析でどうのこうのということではないのです。
トレンドが出たかどうかはチャートでもわかりますが、そのトレンドが続くかどうかはドライバー次第ということになります。
相場の環境認識とは、このように相場をその時その時に動かしているドライバー(推進装置、エンジン)を読む作業、と言い換えてもいいのかもしれません。
今の相場は、何によって動いているのか、どういう原因があって動いているのか、そう考えると、環境認識も少しはわかりやすいかもしれません。
そして、認識した相場環境に応じた戦略をチョイスするのが次の作業になるわけです。
環境さえ読んでしまえば、もう8割方は相場の分析も終わりです。
後は、シンプルな汎用の道具からチョイスして、シンプルな手法で相場を攻めればいいだけです。
ここに特別な手法とか秘密のチャートなどの道具は不要です。
というかごちゃごちゃしたテクニカル分析など邪魔ですらあります。
あくまでも、環境が先にあって、手法や戦略は従となります。
この逆はあり得ません。
多くの投資家は、自分のやり方を相場に押し付けているというテレコをやっているから相場に追い出されるのです。
泣く子(ヘッドライン)と地頭(基礎的相場環境)には勝てぬ
聞き分けのない子や横暴な地頭とは、道理で争っても勝ち目はないから、無理を言われても黙って従うしかないということ。
これが私の基本的な相場認識です。
相場は、ドライバー(推進装置)がなければ、需給要因で行ったり来たりを繰り返すしかありませんが、ひとたび大きなドライバーがかかれば大きな方向転換や巨大なトレンドが発生します。
その時こそ順張り派が活躍する場面であり、逆張り派は逃げておく場面になるわけです。
今は、何が相場を動かしているのか、決算なのか、ヘッドラインなのか、中央銀行なのか、内部需給だけなのか、経済指標なのか、果たしてコロナなのか。
それぞれのドライバーがあって、注目されているファクター(要素)があって、そこへ向けて相場がどう反応するのか、それを一つ一つ紐解いていくのが環境認識だ、と私は考えています。
そして、それぞれの相場の環境に応じた戦略を使って相場に乗っていく、これが私にとっては、勝てる相場だと考えています。
じゃあ、今はどうなのだ、と問われたら、プーチン次第でわかりません!!
そうです。
個人投資家最大の優位性である高見の見物戦略、見ているだけ手法
を使う時です。
この
待つことの重要性
に比べれば、小手先の手法ややり方など、どうでもいいことなのです。

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ところがこの環境認識という言葉、初心者にとっては、いやはや何とも厄介でよくわからないことの筆頭でもあると思います。
相場が上手な人が「環境がよくない」「今は地合いが悪いから」とか「場味がどうもよくない」「センチメントは強い」とかよく使いますが、ほんと何のこっちゃと思われている方も多いのではないでしょうか。
相場巧者は、常に意識していることですが、初心者にとっては、意味不明で曖昧、よくわからないことの筆頭がこの環境認識でしょう。
ここで出てくる言葉だけを取っても、環境、地合い、場味、センチメント、と人によって様々な言葉使いをしますし、その定義も実に曖昧。
なので多くの投資家は避けて通っていることも多いと思いますが、私から見れば、ちょっと待った~、それはダメだよ、ってことなんです。
この環境認識という言葉の定義は、狭義にも広義にもできる、人によって違うふわふわとして定義ですので、私が考えている環境認識を書いておこうと思います。
そして、何故環境認識が重要なのか、相場で勝つためには避けて通れないのか、実は言葉にするのはすごく難しいのですが、その理由にも挑戦してみます。
まず、狭義の環境認識といえば、テクニカル的な要素だけを言う人が多いです。
つまり、
自分が使っている時間軸よりも上位の時間軸を環境と定義している
ということです。
例えば、日足で売買している人は、週足、月足を見て、今がトレンドなのか、レンジなのか、高値安値など、長期の値動きを環境として認識する、ということです。
私は、この狭義では、全く不十分だと考えていて、もっと広義に環境を認識しています。
私の考えている環境は、自分の時間軸のテクニカル的な要素以外を全て含みます。
コメント欄で、ある方が、デイトレはファンダメンタルなど関係ない、と言われていましたが、私は、めちゃくちゃファンダメンタルを見ています。
今月前半までは、四半期の決算発表でした。
私は、このトレンドが出やすくなる決算発表シーズンの環境を得意としていますので、ここでは、冬眠前のヒグマが鮭をたらふく食べるように脂肪をつけていました。
今月前半までの決算発表シーズンという環境で、その環境に適応した戦略を使って勝負するわけです。
では、今の環境はどうでしょう。
今の環境を一言で言えば、ヘッドライン相場です。
ヘッドライン相場とは、ニュースのヘッドラインに振り回される相場環境のことです。
今の環境は、ウクライナ問題に対する要人発言に日々揺り動かされる状態で、かつ、インフレリスクに対するFRBの姿勢次第で大きく動く状態です。
この2大ヘッドラインで、リスクオン、リスクオフの間を揺れ動き、世界中の株価や為替が行ったり来たりという状況で、一番難しい状態になっています。
多く投資家は、テクニカル的に相場を見て、相場を分析しています。
しかし、そういった
テクニカル = 内部要因、需給
というのは、外部要因が穏やかな通常時には通用しますが、ヘッドラインで揺れる相場の前には完全に無力です。
いくら緻密な分析をしたとしても、明日ロシアがウクライナに進行したら、そんな分析など吹っ飛びます。
また、FRBがインフレの進行を前にして、どう利上げに来るのか、次回3月16日のFOMCに向けて調整に入っていますが、相場も3月16日のFOMCの利上げに向けての動きがこれから始まります。
その間の雇用統計や米消費者物価指数など重要指標に一喜一憂する相場展開が容易に読めるわけです。
このような状況は、海の家に例えれば、お天気が続く環境では、海水浴客が大勢訪れて、かき氷や焼きそばなどを売って商売が盛況なわけですが、ひとたび台風が来ると、店じまいして、台風に備えることになります。
これは、
お天気な環境なのか、台風が来るという環境なのかという環境で商売が左右されるのであって、台風の時に如何にして焼きそばを売るのかという工夫の問題ではない
ということです。
ここが重要な考え方のポイントです。
多くの人は、相場の環境のことをほとんど意識していません。
なので、ひたすらに、いつでも、どんな時でも上か下かを予想して、当てようともがいています。
そして、台風の時に如何に焼きそばを売るのかを一生懸命工夫しているのです。
これは、普通に考えて、ものすごくナンセンスなことだとは思いませんか。
私なら、台風の時は、店じまいします。実に簡単なことです。
ヘッドラインでリスクオン&リスクオフで揺れ動く相場を読むことは、至難の技です。
どんなにすごい人工知能であっても、世界最大のヘッジファンドであっても、今の相場を読むことは不可能です。
チャートをどう分析しても、ヘッドライン次第で相場が動くのだから、値動きの因果関係がわかっていれば、分析の無駄なことはわかると思います。
恐らく、今の相場を簡単に読めるのは、世界広しと言えどもプーチンだけでしょう。
ロシア系ファンドがあれば、そのファンドが売りなら売り、買いなら買いで間違いないです。
ただ、残念ながら、そういうファンドは知りませんが。。
また、未だにコロナの影響も相場に出ていますが、アメリカでの旅行レジャー関連の動きなどを見ることによって、コロナによるリスクオンオフの動向がわかります。
このように、外部環境やファンダメンタル、そしてヘッドラインを見ることで、相場の環境を認識し、その中で、最適な戦略をケースバイケースで考えていくわけです。
1つのやり方を知ったからといって、それで「完全思考停止」して相場を当てられる、という手法万能論の方には申し訳ないことですが、そんなことで相場を読めるということは、こういう理屈から考えれば、非現実的であることがはっきりとわかると思います。
今なら、プーチン発言一つで動く相場を、どうやってテクニカルで読むのか、という実に非論理的なことをやろうとしているからです。
こういった色んなファクターの結果が値動きなのだから、チャートが先付けすることはありません。
さて、ウクライナ問題がある程度決着すれば、次はいよいよインフレと利上げに焦点が当たります。
こちらは、基礎的ファンダメンタルの要件の中でも、金利動向と中央銀行の緩和と引き締めという最大級に相場を動かすドライバーとなります。
この中央銀行の政策によって、相場の方向性が決まるといっても過言ではないので、相場の土台とでも言うべきもので、環境認識派としては、最大級に注意を払うべきものとなります。
2012年12月にスタートしたアベノミクスによって、どのような相場が演出されたのかは、記憶に新しいところでしょう。
アベノミクスによる経済政策と金融の大幅緩和というドライバーが相場を動かしたのです。
仮に民主党政権があのまま続けば、あれだけの相場が出ることはなかったわけで、テクニカル分析でどうのこうのということではないのです。
トレンドが出たかどうかはチャートでもわかりますが、そのトレンドが続くかどうかはドライバー次第ということになります。
相場の環境認識とは、このように相場をその時その時に動かしているドライバー(推進装置、エンジン)を読む作業、と言い換えてもいいのかもしれません。
今の相場は、何によって動いているのか、どういう原因があって動いているのか、そう考えると、環境認識も少しはわかりやすいかもしれません。
そして、認識した相場環境に応じた戦略をチョイスするのが次の作業になるわけです。
環境さえ読んでしまえば、もう8割方は相場の分析も終わりです。
後は、シンプルな汎用の道具からチョイスして、シンプルな手法で相場を攻めればいいだけです。
ここに特別な手法とか秘密のチャートなどの道具は不要です。
というかごちゃごちゃしたテクニカル分析など邪魔ですらあります。
あくまでも、環境が先にあって、手法や戦略は従となります。
この逆はあり得ません。
多くの投資家は、自分のやり方を相場に押し付けているというテレコをやっているから相場に追い出されるのです。
泣く子(ヘッドライン)と地頭(基礎的相場環境)には勝てぬ
聞き分けのない子や横暴な地頭とは、道理で争っても勝ち目はないから、無理を言われても黙って従うしかないということ。
これが私の基本的な相場認識です。
相場は、ドライバー(推進装置)がなければ、需給要因で行ったり来たりを繰り返すしかありませんが、ひとたび大きなドライバーがかかれば大きな方向転換や巨大なトレンドが発生します。
その時こそ順張り派が活躍する場面であり、逆張り派は逃げておく場面になるわけです。
今は、何が相場を動かしているのか、決算なのか、ヘッドラインなのか、中央銀行なのか、内部需給だけなのか、経済指標なのか、果たしてコロナなのか。
それぞれのドライバーがあって、注目されているファクター(要素)があって、そこへ向けて相場がどう反応するのか、それを一つ一つ紐解いていくのが環境認識だ、と私は考えています。
そして、それぞれの相場の環境に応じた戦略を使って相場に乗っていく、これが私にとっては、勝てる相場だと考えています。
じゃあ、今はどうなのだ、と問われたら、プーチン次第でわかりません!!
そうです。
個人投資家最大の優位性である高見の見物戦略、見ているだけ手法
を使う時です。
この
待つことの重要性
に比べれば、小手先の手法ややり方など、どうでもいいことなのです。
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コメント
No title- あああ / URL :
- 2022-02-20 10:59 :
- 編集
アベノミクスも、チャートが上向きます。
チャートが下向いていれば売って、上を向いていれば買えばよいのです。
頭と尻尾はくれてやれです。
No title- 難平太郎 / URL :
- 2022-02-20 11:32 :
- 編集
No title- koki / URL :
- 2022-02-20 11:55 :
- 編集
感謝、感謝です
No title- k2 / URL :
- 2022-02-20 17:41 :
- 編集
環境認識の割合は低い方
結局どっちか行く+ほんのちょっとの経験値の差分
出来高も決算もないCFDだしね