情報収集

某月某日
 私は同じ建物で自分の監視や嫌がらせを担当している人物たちの情報を集めたかった
 集合ポストから自分あての郵便物を回収しようとする人物を観察する
 どの部屋番号の郵便受けから回収しているのか直接見ることができなくとも、郵便物を回収されたポストは空かそれに近い状態になっているはずである
 集合ポストはダイヤル式であったが、ダイヤル錠を解く番号を知らなくても取り出し口を手で押して中身を確認することは可能だ
 姿形はインターホンのカメラ越しでもある程度観察できるので、ポストを開け閉めする音、階段を下りる音が聞こえたらインターホンのカメラを起動して張り付くという習慣が始まった
 
 ある日、201から人が外出するような気配がした
 後姿を確認すると男性のようだった
 また、音を観察していると彼は集合ポストから荷物を取る際にガサガサ音を立てることが多かった
 ある日、集合ポストからガサガサ音がするときに外に出る
 正面から姿形を確認すると、中年の男性のようだった
 私は201の男に報復を考えるようになっていた
 
 私は201の男がいつ外出するかをインターホンのカメラ越しに観察するようになる
 そんな時、不審な人物を見かける
 一見201の男に似ているが、違う人物だ。服装と背格好は似ているが、容姿は異なる
 また、彼はわざわざこちらに顔を見せるような挙動をしていた
 彼は201の男の身代わりであると私は考えた
 身代わりであるのであれば、相応の心得があるはずである
 私は彼を201の男であると誤認して攻撃すると、返り討ちに遭ってしまう可能性を考え、恐れた
 
 そうしているうちに、隣の102に男女二人組が出入りしていることを確認した
 男は険しい顔つきでいることが多かった。私は内心怯えた一方で、私を怯えさせるための演技にも感じられた
 また、女性の容姿が私の知る隣人のそれとは異なったので、不審に思った
 私は隣人が監視の輪に加わった上でこの女性に身代わりを依頼したか、もしくは監視者たちに部屋を明け渡したのだと考えた
 インターホンのカメラに張り付く習慣を継続していると、男のほうは度々姿を現すようになった
 階段の足音からして上の階に住んでいるようだ
 足音から男が部屋に戻るのを確認して、郵便受けのチェックを行うと202が空になっている
 男は202の住人のようだった

 ある日、201の男を再度見かける。髪を切っていた。私に攻撃されないように外見を変えようとしたのだろうか
 また、201の身代わりの人物はかつらをかぶった202の男だった可能性を疑った(なぜだかは忘れた)。 


この記事へのコメント