2022.02.17
# 飲食

このままでは日本料理が消滅する…?銀座の「世界的料理人」が危機感を覚えるワケ

あらゆる伝統文化も一緒に衰退していく
奥田 透 プロフィール

学校給食にもっと和食を!

同じく、5年ほど前から和食給食応援団という学校給食の和食化を目指す団体にも参加して活動を行っています。

学校給食の現状はいろいろ複雑な問題はありますが、1週間のうち、5日間の給食でご飯が出るのが2~3日、あとはパン食でご飯の日のおかずは全てが和食ではなく、中華の日も多く、パン食の日はもちろん洋食の献立になっています。

和食のおかずを作ると生徒の多くは見たことのないものが多く、残食が一番多いのが和食の現状だそうです。

 

献立を考える栄養士さんも、今日が和食であれば次の日は中華か洋食と、そこに何も悪気はありません。トータルで見れば、1カ月間、とてもバラエティに富んだ献立にはなっています。

家庭でも子どもたちは和食を食べる機会が少なく、朝はパンでスタートして、昼は給食で洋食を食べ、夜はパスタで締める。一日を通して当たり前のように和食と触れ合うことがなく終わる。

もしかしたら我が家でもそんな日常が当たり前のように起こっているのかもしれませんが、夫婦が共働きになり仕事に追われる時間が増え、どうしても食事を作る時間、食べる時間にしわ寄せがきています。

最近では、大手食品メーカーからたくさんの便利な洋食や中華の冷凍食品やレトルト食品が発売されていて、かなりレベルも高くなっています。

時間短縮になりバリエーションも豊富でクオリティも高く、文句の付け所がありません。

和食はというと、特に家庭では大変で時間がかかり、面倒くさいものになってしまっています。確かに、そういった要素もありますが、気軽にできて、おいしい和食もまだまだたくさんあるのです。

日本人が和食を必要としない日常があるのであれば、こんな悲しい現状は私には耐えられません。もっともっと身近に和食の素晴らしさを伝えていかなければいけないと思っております。

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