守屋元防衛次官収監へ 汚職事件、上告取り下げ実刑確定
防衛省の装備品納入を巡る汚職事件で、収賄と議院証言法違反(偽証)の罪に問われた元防衛事務次官、守屋武昌被告(65)が31日までに、上告を取り下げた。懲役2年6月、追徴金約1250万円とした一、二審の実刑判決が確定した。防衛行政の要職を長年務め、防衛庁の「省」格上げを果たした元実力次官は、近く収監される見通し。
取り下げは8月27日付。守屋被告は今年7月、自らがかかわってきた沖縄の米軍普天間基地の移設交渉の内幕を描いた書籍を出版。弁護人によると、同被告は、出版で訴えたいことを主張でき、ひとつの区切りがついたと判断したという。
情状面以外に争いがなく、最高裁でより有利な判決を得る見通しが立たないことや、年齢を考え早めに裁判を終わらせたいと考えたことも、理由に挙げた。
一、二審判決によると、守屋元次官は防衛装備品の納入で便宜を図った謝礼として、2003年から07年にかけて、防衛専門商社「山田洋行」側から120回にわたってゴルフ接待を受けたほか、妻名義などの銀行口座に364万円の送金を受けた。衆参両院の証人喚問では「ゴルフでは毎回1万円を支払った」などと偽証した。