渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

89式小銃

2021年06月24日 | open


マーティンは「Dにじゅうはち」とか「D
よんじゅうご」と呼ぶ。
しかし、89式は「はちきゅうしき」だ。
44マグナムを「よんよんまぐなむ」と日本
語で呼ぶのに類似している。
号数の数字は一つ一つ読むのが日本式。
英語ならばマグナムフォーティフォーで
しかない。フォーフォーとは言わない。
ただし、日本的な呼び方も米国にもある。
.308弾のことはスリーオゥエイトと呼ぶ。
これ極めて日本的。日本ではマルハチと
略称する。7.62ミリ口径銃の弾薬の事だ。
ブレットの直径は銃身の口径よりもやや
太くなる。でないとライフリングのギザ
に食いついて回転しないからだ。
銃の口径とは銃身の内径の事で弾丸の径
の事ではない。銃弾はすべて口径よりも
やや大きい。5.56ミリ口径銃の新NATO
弾で弾丸径は5.7ミリ程だ。それが0.14
ミリ分弾頭が銃身に食い込んでツイスト
でジャイロ回転を与えられて飛ぶ。
金属同士を高速で圧着擦過させているの
で、銃身にはそれぞれ規定の寿命がある。
また、銃身内部のツイストのライフリング
は個性があるため、指紋と同じく弾痕には
その銃特有の旋条痕が残る。なので、弾頭
を回収できれば、どの銃から発射された
弾頭かは科学的に判明する。

自衛隊、海上保安庁、警察庁が採用して
いる国産の89式小銃は、砂浜での作動不
良頻発の欠点はある。
国際的標準ではオハナシにならない程に
回転不良を起こす。
どれくらいかというと、海岸でAK装備の
軍隊と銃撃戦になったら、自衛隊が全員
射殺されてしまう位のジャム率。
要は、まともに動かない鉄の塊。

しかし、砂地以外ではきちんと回転する。
軍用銃としては64式に続いて全く使い物
にならないダメ銃なのだが、そんな銃で
も隊員は与えられた物で何とかするしか
ない。自衛隊の国産武器がへっぽこなの
は隊員のせいではない。
そして、友人の隊員は私に言っていた。
「89無くなったらないちゃう」と。
常に肌身離さず89式は武士の刀のように
身のそばにある。内勤の時にでもだ。
そして、将校なのでけん銃も持っている。
ベース外に出る時には勿論武装はしていな
いが、営内では常時武装だ。
まあ、89式は本当に武士の刀のような存在
なのだろう。
89式の不具合は、次期の20式の熟成で改善
されている事を期待する。
動かない銃持たされて国防しろなんてのは
無理だから。




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