魔法科高校の『触れ得ざる者』   作:那珂之川

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人物設定③(護人・百家・国内外)

<護人>

<護人・上泉家>

 旧群馬県高崎市に本拠を持つ。戦国時代の剣豪上泉信綱を開祖とした家で、数々の剣術の大本となった新陰流(しんかげりゅう)を発展させた新陰流剣武術(しんえいりゅうけんぶじゅつ)を確立。広く門戸を開いており、上段者クラスでは内情(内閣情報管理局)や公安(警察省公安庁)の職員・捜査官、国防軍の将校クラスを輩出している。

 先述した部分で剣術家として大成しているが、上泉家そのものは広義的に陰陽道系古式魔法の大家に位置する。その根拠として上泉の血を引くものしか修得が許されない秘術の一つに陰陽道系古式魔法“天神魔法”が存在し、表の『天照(アマテラス)』を受け継いでいる。

 神楽坂家と並んで『護人』と呼ばれる家系であり、十師族・魔法協会といった魔法師社会、国防軍や警察などの治安組織に対して非常に強い影響力を有している。現当主は上泉剛三(~九校戦編)、上泉元継(九校戦編~)。

 

上泉 剛三(かみいずみ ごうぞう)

 上泉家現当主(九校戦編まで)にして新陰流剣武術総師範。非公式ではあるが戦略級魔法師の一人。

 年齢は入学編開始時点で87歳、九島烈と同い年だが外見は40代にしか見えない。

 「六爪(ろくそう)」の異名を持ち、現在の十師族現当主達から「尊師」と呼ばれ、諸外国から「雷龍(ライトニング)」の名で恐れられる。世界群発戦争の超法規的鎮圧部隊に参加をしており、新ソ連の日本侵攻をたった一人で食い止めた。

 四葉家の大漢復讐戦に元造との親友の誼で参加し、戦略級魔法を使わずに単独で1000人(非公式記録では100万人以上)を死に追いやった。その折に魔法演算領域を負傷し、長時間・高出力の魔法展開が極めて難しくなった。

 元造から彼の娘たちに託された手紙を封印し、新陰流の為に余生を過ごそうと決めていたが、悠元に見つけられて叱咤される。悠元の『領域強化』によって戦略級魔法の使用も可能となり、上泉家当主たる姿勢を貫くことを決意。日本の政財界の“黒幕”である東道青波を上から目線で語れる数少ない一人。

 武術のことを除けば身内に非常に甘く、才溢れる悠元に対して自身の戦略級魔法である『雷霆終焉龍(ヘル・エンド・ドラゴン)』を教えようとして門下生総出で止められる事態に発展する。

 本人としては上泉家の現当主も新陰流剣武術の総師範も後進に譲りたいが、自身の子が全員娘しかいないため、上泉の血を引く三矢家次男こと元継が自身の孫娘である千里と結婚したことに一番喜び、九校戦の直前に家督を譲っている。

 なお、神楽坂家の人間となった悠元に新陰流剣武術総師範を継がせようとしたため、それを知った元継をはじめとした剣武術の門下生全員で止められる羽目になった。

 日本のあらゆる分野を支配する『元老院』の四大老の一角を担うが、自らの手を汚そうとしない者には一切容赦せず、基本的に自ら手を下すことを信条とする。四葉家筆頭執事の葉山の派遣主である。

 

上泉 元継(かみいずみ もとつぐ)

 三矢家次男、上泉家に婿入りして上泉の姓を名乗る。

 年齢は19歳(追憶編)→22歳(入学編)。誕生日は12月25日。

 先天的な認識阻害魔法を有し、その影響で狙撃などといった遠距離攻撃は苦手。その反面、近・中距離における魔法の多彩さは群を抜く。本来なら30年以上掛かる新陰流剣武八奥義免許皆伝を20歳の時点で認められている(元継本人曰く『弟に良い刺激を受けただけ』)

 兄弟の中では現代・古式魔法のみならず、あらゆる魔術の対認識阻害、対隠蔽系統、対障壁魔法に最も秀でている。真っ向から十文字家の秘術『ファランクス』と渡り合える数少ない人物。対遠距離攻撃の為だけに本来習得が難しい知覚系魔法まで会得した埒外の一人。

 武術には鋭いが、恋愛に関しては鈍感どころか朴念仁すら超えたレベルで、千里が『最終手段』を用いてやっと気付いたとのこと。その一件で千里とそのまま結婚まで至った経緯がある。

 一高在籍時代はクロス・フィールド部に所属し、部活動会頭を務めていた。第二部室は剛三が彼のために作ったものであり、卒業後も入り浸っていたが、克人に譲り渡した。その経緯もあって彼とは親友に近い仲。

 入学編開始時点で魔法大学を卒業し、九校戦編直前に上泉家の家督を継ぐ。神将会第二席:副長に座することとなり、総長となる弟の補佐を担うこととなる。

 

上泉 千里(かみいずみ ちさと)

 剛三の孫娘。入学編開始時点で防衛大学校・特殊戦技研究科の3年生。

 元々それほど魔法力は高くなかったが、悠元との関わりで急激な魔法力の成長を見せて一高では類の無い『二科生から一科生への編入』を成した人物。元継に恋慕していたが、あまりの元継の鈍感さに痺れを切らして、逆夜這いして既成事実を作る事態にまで発展。その結果、元継が大学卒業を機に学生の身分ながら結婚することになった。

 新陰流剣武術は無論修めているが、彼女の場合は剣術と忍術に特化した能力であり、体術面は護身程度のもの。魔法の得意系統は放出・発散系統。

 

<護人・神楽坂家>

 箱根に本拠地を持つ。陰陽師で名を馳せた賀茂氏と安倍氏の血脈を汲む家柄で、裏の天神魔法『月読』を守り続けている。古くは平安時代より『護人(さきもり)』として朝廷(皇族)の守護を担ってきた。その後に興った上泉家と共に日本を守護する存在として君臨している。

 政財界に強い影響力を有し、時の内閣総理大臣ですらも頭を下げねばならない存在。広範囲の情報収集組織と陰陽道から培った天文占術による予知を併せ持つ。

 神楽坂の本家に加え、九州地方:太宰府天満宮を守護する宮本家、中国・四国地方:出雲大社を守護する高槻家、近畿地方:伊勢神宮を守護する伊勢家が存在する。現当主は神楽坂千姫(~四葉継承編)、神楽坂悠元(四葉継承編~)。

 

 神楽坂 千姫(かぐらざか ちひろ)

 神楽坂家現当主(四葉継承編まで)。年齢は九校戦編時点で84歳だが、外見上は20歳代前半にしか見えない。剛三とは義兄妹の関係(千姫の姉が剛三の妻)にあたり、四葉家先々代当主の四葉元造とは従姉弟の関係に当たる。

 世界群発戦争時、魔法協会による超法規的部隊に参加し、欧州・中央アジア方面で多大なる功績を上げている。彼女の得意属性が闇属性であることから『黒夜の孔雀(アルティミシア)』と諸外国から畏れられる(なお、それを名付けたのはウィリアム・マクロードの父親で、彼はその綽名を付けた腹いせで千姫から半殺しに遭った)。

 自分の子と上泉家の子が女子ばかりとなったことに対し、上泉家当主である剛三と相談した上で元に対して「男子が三人生まれたときは、三番目の子を神楽坂家に迎える」と約定を交わす。九校戦で悠元が天神魔法『天照』を披露したことにより、彼を神楽坂家次期当主にすることを決める。

 公的な場以外ではお茶目な性格で周囲を振り回す。公的な場では単衣を着こなすが、それ以外は外見の年齢相応のファッションを好んでいる。

 二十代に神楽坂家の家督を継ぐとともに『元老院』の四大老の一角を受け継ぎ、現四大老メンバーの中では最長の在籍。国家の為と述べておきながらそれに反旗を翻すような真似をした東道青波の父と樫和主鷹の父を剛三と共に抹殺した。

 四葉の筆頭執事である葉山は弟のような存在で、彼に魔法の手解きをした師匠的存在でもある。今の夢は早く当主の仕事や四大老を引退して養子となった悠元や孫を愛でること。

 

 伊勢 姫梨(いせ ひかり)

 神楽坂筆頭主家である伊勢家の長女。年齢は九校戦編で16歳。第七高校1年→第一高校1年A組(横浜事変編)→2年A組(ダブルセブン編)。

 高校入学まで魔法力を隠していた。伊勢家は伊勢神宮の管理・祭事を担っている一族で、姫梨も巫女として勤めている。一見すると大人しめな性格に見えるが、由夢と喧嘩をすることが多い(周囲から見れば喧嘩するほど仲が良い状態)。由夢との喧嘩を止めた悠元に対して一目惚れする。神将会:第三席で木属性(風属性)に長けている。

 天刃霊装は十字槍型の「クラールヴィント」。

 

 宮本 修司(みやもと しゅうじ)

 神楽坂分家である宮本家の三男。年齢は九校戦編で16歳。第九高校1年(~来訪者編)→第九高校2年。

 姫梨と同じく高校入学まで魔法力を秘匿していた。宮本家は太宰府天満宮の管理・祭事を担っている一族で、二天一流を興した新免武蔵藤原玄信を祖としており、彼もその剣術を修めている。九校戦で天神魔法を披露した悠元に対して興味を抱き、態と吹っかけたりするなど好戦的に見えるが、実際のところは戦いを好まない性格(本人曰く試合と勝負は別物)。神将会の第四席で火属性に長けている。

 神楽坂家の家督継承には興味がなく「大人の腹芸は苦手」と零しており、悠元が次期当主となることには賛同している立場。

 天刃霊装は炎を纏う二刀流の太刀「村正」。

 

 高槻 由夢(たかつき ゆめ)

 神楽坂分家である高槻家の次女。年齢は九校戦編で16歳。第二高校1年(~春休み編)→第二高校2年。

 姫梨や修司と同じく魔法力を隠していた。高槻家は出雲大社の管理・祭事も担っていて、彼女も巫女として駆り出されることが多い。姫梨とは喧嘩することが多いが、彼女の人柄と実力は認めている(喧嘩する理由は負けず嫌いと姫梨のスタイルを羨んでいるため)。姫梨との喧嘩を止めた悠元に強い関心を持つ。神将会の第五席で金属性(雷属性)に長けている。

 

 北山 雫(きたやま しずく)

 国内有数の財閥であるホクサングループの令嬢にして、神楽坂分家の一つである鳴瀬家の血を引く。第一高校1年A組(入学編)→2年A組(ダブルセブン編)。

 母親である紅音譲りの『共振破壊』を得意とするが、細かな制御は苦手(悠元との訓練で徐々に克服している)。悠元とは上泉家の本屋敷で初めて会い、その時に一目惚れした。九校戦を通して深雪とは魔法だけでなく恋のライバル関係になる(悠元に惚れる女子を増やさないための共闘関係も含んでいた)。

 新人戦女子アイス・ピラーズ・ブレイク決勝では悠元が組み立てていた砲撃魔法『フォノンティアーズ』を予期せぬ形で使うこととなったが、深雪をあと一歩のところまで追いつめた。

 九校戦後に訪れた神楽坂家で悠元の婚約者序列第二位となり、加えて封印されていた魔法演算領域が解除されるのと同時に『神将会』第七位として悠元の補佐を担うことになる。

 悠元と付き合い始めてから、魔法師としてもそうだが女性としての成長が加速し、3学期に差し掛かったあたりでエリカよりも胸が大きくなったと内心喜んでいた。

 天刃霊装は長柄のハンマー型武装「グラーフアイゼン」。

 

<九頭龍>

 神楽坂家の諜報機関。筆頭の九重家を中心に、北海道方面の矢車家、東北方面の鳴瀬家、関東方面の吉田家、北陸方面の四十九院家、中部・東海方面の津久葉家、近畿方面の安宿家、中国・四国方面の高槻家、九州・沖縄方面の宮本家と、古今東西の古式魔法の名家に連なる面々で構成されている。

 

 九重 八雲(ここのえ やくも)

 九重寺の現住職にして古式魔法の「忍術」使い。九重の姓は血縁者ではない先代から受け継いだもの。風間の紹介で達也や深雪の体術の先生を引き受けている。天台宗系列の末寺の住職は隠れ蓑であり、神楽坂家の諜報機関である『九頭龍』の長たる役割を担っている。何かと悪戯好きな性格で、達也や深雪だけでなく悠元にもちょっとした試しをすることが多い。

 古式魔法師から『果心居士の再来』と謳われるほどの実力を有しており、東道青波も一目置くほどである。

 なお、そんな彼でも上司的存在となる悠元相手には「敵意を見せた段階で死ぬ未来しか見えない」と半ば白旗を揚げている状態。

 

 エクセリア・クドウ・シールズ

  →九重 瀬理亜(ここのえ せりあ)

 年齢は16歳(来訪者編)→17歳(四葉継承編)。2096年1月の年明け、第一高校の1年A組に留学生として来る。学年は1年A組(来訪者編)→2年B組(ダブルセブン編)→3年B組(激動の時代・孤立編)

 シールズ家の次女で、リーナとは双子の姉妹関係にあたる。彼女の前世は悠元の前世において実妹(後に従妹であると判明)に当たる人物であり、不慮の事故によって転生した経緯がある。

 リーナすら上回る実力を持つが故に世界最強の魔法師部隊であるスターズですら正式なナンバーを与えられず、表向きは存在しないナンバー・ゼロ“ポラリス”のコードネームを与えられていた。

 とあるきっかけで悠元が転生者(前世の身内)だと知ることとなり、彼の婚約者になることを本気で狙っている。

 事件解決後、スターズを除隊して九重家の養子になる。2096年春からは第一高校へ編入する。

 割とふざけることが多く、その度に悠元からキツイお仕置きを受けているが、本人はそれを楽しんでやっている節がある(雫談)。

 『エシェロンⅢ』のバックドアシステムである『フリズスキャルヴ』のオペレーターの一人で、あくまでもファッションの流行情報や身内が無茶をしないか見張る為だけに使っている。

 

<四十九院家>

 百家本流の家系。ルーツはかつての神道の大家であり、既に断絶した白川家(しらかわけ)白川伯王家(しらかわはくおうけ))に遡る。その白川家の血筋(偶然、本家の遠縁で白川の血筋を引く人間がいた)と伯家神道(はっけしんとう)(白川流神道)を継いでいるのが四十九院家にあたる。神楽坂家の諜報機関『九頭龍』の一角として北陸地方を守護している。本拠地は加賀一之宮・白山(しらやま)水鏡(すいきょう)神社(じんじゃ)

 

 四十九院 沓子(つくしいん とうこ)

 四十九院家次女。国立魔法大学付属第三高校に通っており、学年は1年A組(入学編)→2年A組(ダブルセブン編)→3年A組(激動の時代・孤立編)。年齢は15歳(入学編)→16歳(ダブルセブン編)→17歳(激動の時代・孤立編)。

 幼少期に悠元と出会った時に一目惚れ。悠元に命を救われたことで恋慕の気持ちが高まるが、男子と勘違いされたことがショックで女性らしさを磨くようになる。

 水を操る精霊魔法に長けており、1年の九校戦ではバトル・ボードに出場してほのかと激闘を演じた。2年生の九校戦ではロアー・アンド・ガンナーに出場して準優勝している。

 1年生の冬に悠元との婚約が結ばれることとなり、早々に関係を持つことになったが沓子本人としては「悠元に勝てない」と白旗を揚げるほどだった。

 なお、沓子の胸のサイズは栞曰く「愛梨よりも大きいから妬ましい」とのことで、女子の先輩にも羨ましがられている。

 

<津久葉家>

 十師族・四葉家の分家。その実態は中部・東海地方を監視する神楽坂家の諜報機関『九頭龍』の一角。精神干渉系魔法に長けており、四葉の魔法研究に携わる立場を有する。現当主は津久葉冬歌。

 

 津久葉 夕歌(つくば ゆうか)

 津久葉家長女。国立魔法大学に通っていて、悠元の姉である詩鶴と同い年。年齢は21歳(来訪者編)→22歳(四葉継承編)。

 四葉家次期当主候補の一人であったが、達也と深雪の実力を津久葉家の精神干渉系魔法『誓約(オース)』関連で誰よりも理解していたために、自身が四葉家当主になる事への執着は低かった。

 横浜事変後、母親であり現当主の冬歌から悠元との婚約を命じられ、神楽坂家当主婚約序列第五位の座に座ることになった。元々親友である詩鶴との絡みで悠元を見知っており、興味本位だったものがいつしか恋愛感情に変わったことを自覚するに至った。

 同じ立場の深雪とは気の許せる関係になっており、悠元についていけている深雪のタフさには正直「白旗を揚げるしかない」と零すほどだった。

 

<導師>

<東道家>

 古式魔法の派閥を纏める導師のひとつにして古式魔法の大家。政財界に強い影響力を有し、四葉家の前身にあたる第四研のスポンサーをしていた影響により、そのまま四葉家の経済的なスポンサーを担っている。『元老院』の四大老の一角を担う。現当主は東道青波。

 

 東道 青波(とうどう あおば)

 東道家当主。四葉家のスポンサーを担う一人で、この国の抑止力を誰よりも追い求めている。この世界では剛三の娘の一人を妻として迎えており、悠元は義理の甥の関係に当たる。

 妻と娘の佐那には頭が上がらず、佐那が幹比古の写真を見て一目惚れしたことにより気苦労を背負う羽目となった。ただ、その弱みを見せる相手は青波自身も選んでおり、八雲には絶対に見せることなどないと決意している。

 実の父親が「四葉殺し」を実行したことによる罪の意識で、四葉家を部下から外して距離を置いた付き合いをしている。

 日本を陰から支配する『元老院』の四大老の一人として、国の行く末を案じている。

 

 東道 佐那(とうどう さな)

 東道家の長女で青波の娘。第一高校1年B組(来訪者編~春休み編)→2年E組(ダブルセブン編~)。母方の繋がりで悠元とは従姉弟の間柄にあたる。年齢は来訪者編で16歳。都内の普通科高校に通っていたが、3学期より第一高校に編入した。

 現代魔法中心となる魔法科高校で一科生となれるだけの実力を有している。婚約者として写真で見た幹比古に一目惚れしている。

 鉄扇を用いた攻撃や攪乱を得意としており、古式魔法としての使い手で見れば指折りのレベルで、青波ですら手放しに誉めるほどの実力を有する。

 

 吉田 幹比古(よしだ みきひこ)

 吉田家の次男。第一高校1年E組(九校戦編~春休み編)→2年B組(ダブルセブン編~)。類稀なる精霊魔法の使い手で神童と呼ばれ、自分の才能を微塵も疑わない傲慢ちきな性格だったが、中学時代の『星降ろしの儀』で竜神の喚起によって魔法に関する感覚が狂ってしまい、魔法科高校には二科生として入学する。

 九校戦前のハプニングを機に達也と知り合い、悠元と再会(悠元とは高校に入る前からの幼馴染)してから自分と魔法を見つめなおすきっかけとなり、突如出ることになった新人戦モノリス・コードで「カーディナル・ジョージ」を破る大金星を果たすまでに魔法力が回復。悠元から教わった想子制御によってかつての神童と呼ばれた時期よりも強力な魔法師へと成長するに至った。

 父から東道家への婿養子の話を聞かされ、横浜事変後にその話を承諾。佐那の押し切りで自分が気になっている美月とも関係を持つ形となり、恋人として付き合うようになる。

 守護霊「諸葛孔明」を介する形で鉄扇型の天刃霊装「天鳳扇(てんほうせん)」を発現する。

 

<百家>

<千葉家>

 百家本流の家系。新陰流剣武術より派生した分流で自己加速・自己加重魔法を用いた白兵戦技『千刃流(ちばりゅう)』で知られている名門である。『剣の魔法師』の二つ名が与えられていて、白兵戦用の武器を製造している。

 五十里家、吉田家、上泉家とは家同士の付き合いがある。エリカとの繋がりで三矢家や神楽坂家とも縁がある。千葉本家の道場は東京と川崎の境界付近の海の近くにある。

 

 千葉 エリカ(ちば えりか)

 千葉家次女。国立魔法大学付属第一高校に通い、学年は1年E組(入学編)→2年B組(ダブルセブン編)→3年B組(激動の時代・孤立編)。年齢は15歳(入学編)→16歳(ダブルセブン編)→17歳(激動の時代・孤立編)。

 千葉家当主の千葉丈一郎とその愛人であるアンナ・ローゼン・鹿取の間に生まれた娘。元々千葉の姓を名乗る事すら許されなかったが、悠元との出会いによって欲目を出した父親から無理矢理千葉の姓を名乗る様に言われた。

 入学当初は二科生クラスの魔法力しか有していなかったが、悠元の制御訓練を受けることで爆発的な成長を遂げ、更には口喧嘩相手兼クラスメイトのレオと切磋琢磨する形で新陰流剣武術の奥義である三の太刀『麒麟顕正』を会得した。

 テニス部と軽運動部に所属しているが、1年の春に知り合った紗耶香のお願いで剣道部を手伝うことがある。他人の恋愛感情には鋭いが自身の恋愛感情には疎く、レオと恋仲になったのは1年冬のホワイトデーの時だった。

 千刃流の技量は入学時点で印可の目録を有していたが、2年生秋の時点で速力自体が免許皆伝を有する兄二人すら凌駕しており、クリスマスの時点で修次を打ち負かした。2年生の九校戦でシールド・ダウン・女子ペアに紗耶香と出場して優勝している。

 悠元から渡されたCAD『疾風丸(ハヤテマル)』に組み込まれた護石を介する形で守護霊(サーヴァント)の『モードレット』と契約、天刃霊装『燦然と輝く王剣(クラレント)』を発現。天刃霊装における奥義、伐刀絶技『我が麗しき父への叛逆(クラレント・ブラッドアーサー)』を会得する。

 

<その他の家>

 

 西城 レオンハルト(さいじょう れおんはると)

 西城家長男。国立魔法大学付属第一高校に通い、学年は1年E組(入学編)→2年B組(ダブルセブン編)→3年B組(激動の時代・孤立編)。年齢は15歳(入学編)→16歳(ダブルセブン編)→17歳(激動の時代・孤立編)。

 祖父であるゲオルグ・オストブルグの影響を強く受けており、両親と姉がいるが唯一魔法資質を覚醒した。自身を強化したり、手に持ったものや身に付けているものを強化する魔法に長けている反面、放出系や遠隔操作系など離れた場所に作用させる魔法は不得意。

 高校入学前、ひょんなことで助けた少年が燈也であり、高校入学した際に再会して一科生・二科生の枠を超えた友人となり、山岳部に入部した。

 達也や悠元との出会いで魔法力の制御訓練を学ぶこととなり、二科生組では一番の成長株として頭角を見せた。横浜事変編では大亜連合の特殊部隊のエースである呂剛虎(ルゥガンフゥ)にカウンター技を炸裂して一撃を与えるほどに防御力が極まり、パラサイト事件においてはカーボンファイバーコートを着込んだ相手を難なく弾き飛ばす荒業を見せて敵を退けた。

 『圧力波(マッハ・パンチ)』を更に改良した『ドラグーン・ブレス』で離れた相手への攻撃方法を会得するだけでなく、自身の得意とする硬化魔法もさらに強化された。護石を介して守護霊(サーヴァント)『ジークフリート』と契約。天刃霊装『バルムンク』と伐刀絶技『幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)』を修得した。

 

<外国勢力>

<USNA(北アメリカ合衆国)>

 九島 健(くどう けん)

 九島家先代当主である烈の弟で、リーナとセリアの祖父にあたる。この世界では存命しているが、世俗を嫌って人が近寄りがたいロッキー山脈の山奥で普段は生活している。セリア曰く外見年齢は肉体の全盛期の状態を維持しているとのこと。

 USNA大統領にアポを取らず直接ホワイトハウスに乗り込むことが可能な人物であり、USNA政府内にも顔が利くほど影響力が高い。

 

<SSA(南アメリカ連合共和国、南米連邦)>

 ディアッカ・ブレスティーロ

 南米連邦初代大統領。その前は軍人として剛三や悠元と関わっており、その際の功績も含めて政治家への転身を余儀なくされた経緯がある。35歳という年齢は政治家なら若輩だが、それを補って余りある非常識な経験則により巧みな政治交渉力を勝ち得ている。

 

 

<組織>

<神将会>

 正式名称は皇宮警察本部対魔法師特務課・特務隊『神将会』。七人の優れた魔法師によって構成されており、その詳細は最重要国家機密として秘匿されている。直接の命令権を持ちうるのは今上天皇のみと明記されており、皇族を始めとしたこの国の護りを司る。

 天皇直属の超法規的な特殊部隊のため、実質的な指揮権は総長に委ねられており、そのバックアップを護人の二家(上泉家・神楽坂家)が行う。世界屈指の魔法技術の粋を集めた装備を持つため、表向きの戦力として数えられていない。

 

 第一席・総長“草薙(くさなぎ)” 神楽坂 悠元

 (元十師族・三矢家三男、護人・神楽坂家当主)

 

 第二席・副長“天影(てんえい)” 上泉 元継

 (元十師族・三矢家次男、護人・上泉家当主)

 

 第三席“星見(ほしみ)” 伊勢 姫梨

 (神楽坂筆頭主家・伊勢家長女)

 

 第四席“劫炎(ごうえん)” 宮本 修司

 (九頭龍・宮本家三男)

 

 第五席“雷帝(らいてい)” 高槻 由夢

 (九頭龍・高槻家次女)

 

 第六席“氷絶(ひょうぜつ)” 司波 深雪

 (十師族・四葉家、司波家長女)

 

 第七席“天震(てんしん)” 北山 雫

 (九頭龍・鳴瀬家、北山家長女)

 


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