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スポーツ強豪の私立高で生徒が大麻、副校長ら警察に届け出ず隠蔽
大阪市天王寺区の私立興国高校の校内で生徒が大麻を吸引したのを見つけて没収したのに、警察に届け出ずに隠したとして、大阪府警は18日、副校長(70)と教諭(45)を大麻取締法違反(所持)と証拠隠滅容疑で、それぞれ書類送検した。2人は容疑を認め、副校長は「学校の評判が下がると思って隠した」と供述しているという。
捜査関係者によると、2人は昨年10月上旬、3年の男子生徒が校内のトイレで、大麻リキッドと呼ばれる液体大麻(約0・4グラム)を電子たばこで吸引しているのを見つけて没収したのに、12月下旬まで副校長室などに隠し持っていた疑い。教諭は当時、生徒指導部長だった。
府警は昨年夏頃、別事件の捜査で、同校の複数の生徒が大麻を持っているとの情報を把握。10月上旬にはこうした情報を同校に伝えた。副校長らはその直後に証拠隠滅行為を行ったという。
府警は生徒十数人から事情を聴取。校内のトイレやグラウンドで大麻を吸ったことを認めたため、11月以降、生徒5人を大麻取締法違反(所持)容疑などで摘発した。
捜査の過程で、一部の生徒が「学校の先生に大麻を取り上げられたことがある」と供述。府警が12月下旬、学校側に確認を求めたところ、副校長が「親に返した」と述べたが、翌日になって教諭が大麻リキッドを府警に持参し、校内で隠していたことを申告したという。
教諭は生徒から没収した大麻について副校長に相談したところ、保管するように指示され、隠すことにしたという。副校長は調べに「事件が公になれば、学校の評判が下がると思った」といい、教諭は「通報しなければいけないと分かっていたが、組織人として勝手な行動ができなかった」と述べたという。
ホームページによると、同校は1926年に興国商業学校として設立され、61年に現在の校名に変更した男子校。サッカー・Jリーグの有名選手を多く輩出している。68年夏には野球部が全国高校野球選手権大会で優勝した。