北朝鮮は経済の苦境が続く中、情報技術(IT)産業の発展に力を注いでいる。独自ブランドによるコンピューターや各種電子機器、移動通信端末などの生産を行なっているが、関連設備・機器の生産能力と技術レベルはどの程度なのだろうか。韓国の政府系金融機関である韓国産業銀行がまとめた『北韓(北朝鮮)の産業2020』から、北朝鮮のIT産業の現況を抜粋・要約して紹介する。
【第30回のポイント】
① 北朝鮮ではIT分野で数々の企業が誕生、中国などとの合弁方式も取り入れながらコンピューターや電子機器・半導体、移動体通信端末など幅広い製品を産している。
② 通信・ネットワーク運営はイントラネット国家網を国家科学院所属の中央科学技術通報社が管理しており、移動通信は逓信省系の2社がサービスを行なっている。
③ ITへの認識の誤りや閉鎖性、外貨不足・国際制裁、国内の政治的・制度的構造問題など多くの問題点を抱えており、まずは当局主導の閉鎖性と不均衡な産業構造による制約を解決しなければならない。経済制裁が解除され、外部との技術交流が可能になった段階で情報開放範囲を拡大し、先進的な海外技術に対するアクセシビリティを高める必要がある。
① 北朝鮮ではIT分野で数々の企業が誕生、中国などとの合弁方式も取り入れながらコンピューターや電子機器・半導体、移動体通信端末など幅広い製品を産している。
② 通信・ネットワーク運営はイントラネット国家網を国家科学院所属の中央科学技術通報社が管理しており、移動通信は逓信省系の2社がサービスを行なっている。
③ ITへの認識の誤りや閉鎖性、外貨不足・国際制裁、国内の政治的・制度的構造問題など多くの問題点を抱えており、まずは当局主導の閉鎖性と不均衡な産業構造による制約を解決しなければならない。経済制裁が解除され、外部との技術交流が可能になった段階で情報開放範囲を拡大し、先進的な海外技術に対するアクセシビリティを高める必要がある。
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2020年度アジア研究報告書「金正恩時代の北朝鮮経済」(21年3月)
『金正恩時代の北朝鮮経済』(21年6月)
※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから
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