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Conversation

大谷先生の標本を一式検討しましたが、その観察結果については、すでに論文も出版されたので公にしちゃいます。
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Yuuki Kobayashi
@yk_kobayasi
·
Replying to @gyukankin
基本的に、肥大細胞層は存在するという認識で良いかと思います。本文にも書きましたが、Gは表面の剥離が起こっていたりする可能性が高いです。査読でトガリアリヅカタケ(大谷&清水,1981)の記述が異なることを指摘され、切片によっては似たような画が観察されうるということを説明したのがGになります。
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2)側シスチジアの有無にはバラツキがある いくつかの標本では側シスチジアが全く見られないことがあった。これは下記文献と整合性がある。 「側シスチジアはない。」     金城ほか 日菌報 46: 41-44. 2005 「側シスチジアは殆んど欠除。」    大谷 日菌報 20: 195-202. 1979
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3)縁シスチジアの有無、分布状態にはバラツキがある 同一子実体でも、縁シスチジアが多いヒダ、少ないヒダがある 4)厚壁担子器が見られる場合がある。 同一コロニーの子実体でも厚壁担子器の有無に差がある。 厚壁担子器と薄壁担子器の大きさには差がない。
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5)胞子は基本的に薄壁だが厚壁胞子が混在することがある。(厚壁担子器が厚壁胞子を生成するのでは?) 厚壁胞子と薄壁胞子の大きさには差がない。 6)胞子の大きさは、ほぼ全ての標本で有意な差が見られない。 7)かさ表皮最上層の菌糸の太さは、ほぼ全ての標本で有意な差が見られない。
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8)かさ表皮中層細胞の大きさには、全体を2分する傾向が見られた。 9)縁シスチジアの大きさは、ほぼ全ての標本で有意な差が見られないが、奇形と思われる隔壁を持ったものや、先端が突出したものが見られるケースがあった。
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観察結果から考えられること 1)側シスチジア、厚壁担子器、厚壁胞子の有無は分類の指標とならない。 2)TNSF50242sのT. microcarpusとされたものは他標本と明瞭に区別でき別種である。
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4)かさ表皮中層細胞に着目すれば、石垣からインドネシアにかけて、やや系統が異なる個体群が2つ混在して生息していると考えることが出来るが、種内変異なのか独立した種なのかはデータ不足のため不明。
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その他の形質、厚壁担子器の有無などと併せると一定の傾向が見られないため種内変異とする方が正しいのかもしれない。
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ありがとうございます。これだけ丁寧に観察されていたことを事前に知っていれば、共著に入っていただきたかったところです。こちらでの観察には色々と限界がありましたので…。
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だれが、どのように発表するということを知らされないままやってましたw まあ、自信の勉強になったのでとても良い体験でした。
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ちなみに、「TNSF50242sのT. microcarpusとされたもの」というのは、国産のサンプルでしょうか? だとすれば、おそらくT. fragilis(イケハラオオシロアリタケ)だと思うのですが、これは現状のところ琉大の北條さんしか観察した人がいないので、それも貴重な知見かもしれません。
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TNSF50242には子実体の大きさが異なるものが混在しており、L, M, Sと分けて観察しました。そのうちSのみが、顕微鏡的特徴が異なっていました。
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東南アジア産であれば、本物のT. microcarpusかそれに類するものの可能性が高そうですね。こちらも系統分類を含めて課題がまだ多そうな分類群ですが。
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Termitomycesの本場だと菌もキノコシロアリも多種が同所的に共存しているので、分類は日本のものよりだいぶ複雑で大変そうです…。
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