こば部長
仕事が変わって覚えきれない

昨日はぞろ目なし
ラスレス
>無題Nameとしあき 22/02/17(木)01:30:53No.16957039+
>ラスレスならダルキアン卿の衣装がセクシーランジェリーになる

こんばんわ部長ー

>ラスレスならダルキアン卿の衣装がセクシーランジェリーになる
この人…ヤる気だ！

リンネ渾身の一撃がフーカに直撃した
その衝撃はこの試合を見ていた者全員に与えていたのである
そしてそれはリンネ自身にも
　（全身に衝撃が残っている……つま先から拳の先まで…）
今日の試合どころか今までリンネが参加したどの試合よりも凄まじい
今のはそんな一撃だ、それ故かリンネもまだ身体が満足に動けていない
意識ははっきりと取り戻したが全身が痺れた様な感覚がまだ抜けていないのだ
　「リンネはフーカとの試合でメンタルもボロボロになって戦ってた」
そんな中ハリーはポツリと呟いた
　「身体もボロボロで意識も朦朧としてる中
　　無駄な動きが抜け練習でしみ込んだ動きが初めて出せたんだろう
　　相手がフーカというド素人だからこそ放てた一撃なのかもな」
しかしナカジマジム側にとってはこれは由々しき事態でもある

エリオと笑顔と殴り合い＜覇王断空拳＞

　「フーカ！おい！フーカ！」
ノーヴェ会長が
　「フーカさん！」
リオが
　「フーカ！起きなさい！目を開けなさい！」
アインハルトが必死に呼びかける
だがフーカは倒れたまま微塵も動かない
これはまさかと皆が焦り始める
　《ニャアー！ニャアァー！》
それはフーカと一体化したウーラも同様だった
フーカの中で必死に鳴く事でフーカを起こそうとしている
　（……ウーラ……心配するな……）
　《ニャ！？》
ウーラが呼びかけたのが届いたのかフーカの声がウーラに届く
　「（ｸﾞｸﾞｯ....ｻﾞｯ）ワシは……平気じゃ」

フーカは立ち上がった、今の一撃を受け立ち上がった事に驚く観客達
しっかりダメージは入っているもののそれでも両足で立ったのだ
　『フーカ、まだやれますか？』
　「…………やります！」
アインハルトの問いかけにもはっきりと受け答えする
続行の意思を示した事で試合は継続という事になった
　「まだ……終わっとらん……やるぞ、リンネ」
　「うん、フーちゃん…続けよう」
両者が再度対峙し、そして同時に仕掛けに行く
だが2人の試合はただの殴り合いとなっていた
相手に自分の攻撃を当てる事だけを考え避ける事も防ぐ事もしない
それは2人共それだけ限界が近づいている事でもある
避けたり防ぐのならその分一撃でも多く相手に当てる
そうしなければ勝てないとどちらも思ったのだろう
観客席ではそれを困惑する者と盛大に声援を送る者で分かれていた

　「いいぞフーカ！リンネ！もっとやれぇ！」
ハリーは見ていて気持ちがいいとばかりに声援を送る
それはもはや声援ではなく野次であった
　「いいんでしょうか…これ…」
一方のエルスは試合がこの様な形になっている事に困惑するしかない
　「えぇんちゃう？2人共…えぇ顔しとるよ」
だがジークは今の2人を肯定した
　「気持ちがすれ違って…それで殴り合うのは辛い事ですけど
　　夢中になってる競技で全力で競い合うなら…辛くないですよね」
実際にリンネと試合をした者だから分かるのか
かつてリンネの拳に乗せられていた怒りや悲しさやと言った感情
それが今のリンネからは綺麗になくなっている事に
　「エリオお兄ちゃんが言っていたんです…
　　たった一つの事でも…真剣に…ただがむしゃらに一生懸命になれるのは
　　それはとても素晴らしい事なんだ…って」

　（キャリアも実力も私の方が圧倒的に上…
　　フーちゃんに負けるはずがないって思ってた…けど…今は違う…）
殴り合いのさ中、リンネの心にある変化が起きている
　（今は…フーちゃんに勝てる気がしない…）
それは殴り合う事で知ったフーカの感情
　（だって…分かったんだ…フーちゃんの拳がこんなに痛い理由
　　孤児院から離れる別れの日…
　　フーちゃんは私の事をいつまでも友達だと言ってくれた
　　さっきだってそうだ…ずっと私の事を友達だと言ってくれる
　　あんなに酷い事を言った私を…
　　これが…『想いの強さ』…
　　高町選手が言っていた…『守る為の力は負けたりしない』という言葉
　　今なら理解出来る気がする…
　　フーちゃんは…私の…あの時の私の気持ちを守りたいと思ってくれていたんだ
　　あぁ…そっか…今まで気付かなかった…いや…気付かないフリをしていた）

　（私は…格闘技がつまらない…好きじゃないって思っていた
　　けど本当は…格闘技が大好きだったんだ…
　　辛くて挫けそうになる練習の毎日だったけど…
　　勝つとコーチが喜んでくれて、褒めてくれて、認めてくれた事が
　　嬉しくて…強くなれたと実感出来て…）
そしてリンネの心の中にずっとあった影に光が差し込める
　（過去を変える事は出来ない…悲しい出来事を無かった事には出来ない…
　　だけど…これから先の事なら…変えていけるのかな？）
光が差し込む先には亡くなった祖父が立っていた
亡くなってからリンネの心の中では一度も笑顔を見せてくれなかった
そんな祖父が今リンネに満面の笑みを浮かべてくれている
　「私は……笑顔になっても……いいのかな……？」
その目からは涙が流れていた
　「はぁぁぁぁ！！！！（ﾄﾞｶﾞｧ!）」
涙を流しながらリンネは渾身の一撃をフーカに放つ

　「やっと……綺麗な目に……戻ってくれたのぅ」
リンネの拳がフーカの頬に突き刺さる
だがリンネの目には輝きが戻っていた
フーカが嫌いだった人を見下す目ではなく、元のリンネの目に
それを見届けたフーカは右手に力を込め
　「覇王……断空拳！（ﾄﾞｺﾞｫﾝ!）」
リンネのがら空きとなったボディにカウンターを放ったのだ
これが決定打となりリンネは膝から崩れ落ちていく
そんなリンネを受け止めるとフーカは2人してその場に仰向けに倒れ込んだ
　（ｶﾝｶﾝｶﾝｶｰﾝ!）
　《試合終了！勝者！フーカ・レヴェントン！》
試合終了のゴングが鳴り勝者の勝ち名乗りが行われる
　「はぁ～……疲れた～」

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