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過去形と過去分詞を区別するのに重要な3つのポイント

 

英語の過去形とは「昔のこと」です。

 

正確には「過去時制 Past Tense」といって、動詞を「過去形 Past Form」に変化させることで表現します。

 

 

英語の過去時制のイメージは、基本的に日本語とほぼ同じです。

 

過去形を見たら「過去の話だな。昔のことね。」ぐらいの感覚でOKです。

 

 

英語に「過去」と間違いそうなものに「完了 perfect」があります。

 

これは「時制 tense」ではなく「相 aspect」といって「行動の進行度 0~100%」を表すものです。

 

英語では「過去(時制) Past Tense」は「完了(相) Perfect Aspect」とは別物なので、区別することをお忘れなく!

 

 

be動詞の過去形

 

英語の過去時制は動詞を過去形に変化させて表します。

 

be 動詞の変化パターンはカンタンです。

 

・am ⇒ was

・is ⇒ was 

・are ⇒ were

 

とくに困ることもないですね。

 

 

一般動詞の過去形は「動詞 + ed」

 

一般動詞の過去形は「動詞」に「ed」をつけるだけです。

 

さっそくみていきましょう。

 

・tweet - tweeted ツイートする、(鳥が)さえずる

・follow - followed フォローする、従う

 

 

これもカンタンですね。

 

 

ちょっと変わった過去形 動詞 + ed

 

最後に ed をひっつけるときに、すこしトリッキーな変化をするものもあります。

 

① 動詞の最後が e なら、そのまま利用します。

 

・like - liked 「いいね」する / 好き

・hope - hoped 望む

 

 

② 動詞の最後が y で、その直前のスペルが子音なら -ied に変化します。

 

・copy- copied コピーする / 写す(p=子音)

・reply - replied 返信、返答する(p=子音)

 

 

③ 動詞の最後が y で、その直前のスペルが母音なら -yed のままです。

 

・stay - stayed 留まる(a = 母音)

・enjoy - enjoyed 楽しむ(o = 母音)

 

 

④ b p t d などで終わる場合は、子音を重ねてから -ed をつけるものもあります。

 

・hop - hopped はねる 

・tap - tapped 軽くたたく

 

 

単に ed をつけるわけでないので hoped や taped(テープを貼る)との違いを見分けられます。

 

これは ING形にも応用できます。

 

・hop - hopping 跳ねる

・hope - hoping  望む

 

・tap - tapping 軽くたたく

・tape - taping テープをはる

 

・star - starring 出演する

・stare - staring 凝視する

 

・can - canning 缶詰にする

・cane - caning 杖(cane)でたたく

 

 

過去形のワナは3種類

 

過去形そのものは実にシンプルです。

 

「なんや、かんたんやん!」と思いがちですが、そうは問屋が卸しません。

 

 

実は過去形には一筋縄ではいかないパターンが3つあります。

 

それらはどれも過去形とほかのパターンの文法が関係してきます。

 

では、実際にみていきましょう。

 

 

 

過去形のワナ その1 「不規則変化動詞」が困りもの

 

英語には不規則変化動詞(irregular verbs)というものがあります。

 

・speak - spoke - spoken (現在形 - 過去形 - 過去分詞形)

 

 

中学校でさんざん暗記させられましたね?

 

一見「ふつうに 動詞 + ed だけにしといてくれよ」と思いがちです。

 

ですが、実は変化があった方が見分けやすいんです。

 

なぜなら不規則変化パターンによっては、見た目が同じになるのでわかりにくくなります。

 

・cut - cut - cut

・read - read - read

 

 

このような変化ない(A - A - A)パターンだと見分けにくいですね?

 

さて、困りましたね・・・どうしたらいいでしょうか。

 

 というわけで、不規則変化動詞の見分け方を知りたい方はこちらをどうぞ。

 

不規則変化動詞 パターン別の見分け方(英文法 No.016)

 

 

過去形のワナ その2 「過去形の動詞」と「過去分詞」が見分けにくい

 

不規則変化動詞で覚えることになる「過去分詞」というものはわかりにくいと思います。

 

混乱しやすい「過去分詞 past particple」を少し解説します。

 

 

まず「分詞 participle」とは「動詞が変化した形容詞」です。

 

そして過去分詞は「過去時制」と関係ありません。

 

過去分詞の「過去」とは「動詞の過去形と同じ形の分詞」ということで名称が付きました。

 

例として規則変化動詞の help を見ていきましょう。

 

・help - helped - helped

 

「過去形」と「過去分詞形」の形が同じです!

 

これが「過去分詞」が「過去」と呼ばれる理由です。

 

 

 

さらに「think - thought - thought」のような(A - B - B)の不規則変化パターンでも同じです。

 

そうなると「過去形」と「過去分詞」が見分けにくいですね。

 

 

この場合は、見た目では区別がつかないので、別の見分け方が必要になります。 

 

見分けるポイントは「品詞」が変わるということです。

  

・過去形(動詞)

・過去分詞形(形容詞)

 

 

つまり過去分詞は「形容詞」の使用パターンを見切れば、動詞の過去形と区別できます。

 

過去分詞をしっかりマスターしたい方はこちらをどうぞ

 

過去時制と無関係? 過去分詞は「受身・完了」の形容詞

 

 

また過去分詞は「受動態 passive voice」と大いに関係しています。

 

be動詞 + 過去分詞が受動態なんて大ウソ!受身は五文型で極める(英文法 No018)

 

 

 

過去形のワナ その3 「過去」と「完了」の違いがわかりにくい

  

「過去」と「完了」の違いはわかりにくいです。

 

英語の時制の中で「過去形」と「完了形」の違いは日本人にとって最難関のひとつでしょう。

 

 

その理由はカンタンで、両方とも日本語で「~しました」となってしまうからです。

 

日本語で違いがつけられないなら、どうやってみわけましょうか?

 

  

 

実は「過去形」と「完了形」は同じ「〇〇形」ですが、別のものです。

 

・過去 ⇒ 時制 tense(行動の時を表す)

・完了 ⇒ 相 aspect(行動の進行度を表す)

 

 

過去形は「過去時制 past tense」に対応する動詞の形です。

 

完了とは「完了相 perfect aspect」といって、行動が完了していることを表しています。

 

 

英語では「have + 過去分詞」で「完了」を表す言い方が一般的です。

 

しかしこれは「例外ルール」と呼べるもので、英文法の「基本ルール」 からは外れています。

 

なぜ「have + 過去分詞」が生まれた経緯を知りたい方はこちらをどうぞ。

 

なぜ現在完了は「have + 過去分詞」をつかうのか?(英文法 No.019)

 

 

過去形のワナの抜け出し方

 

このように過去形には他の文法ルールと「形が同じ」や「和訳が同じ」という場合があるために、混乱してしまいます。

 

ですが、ひとつひとつの文法を理解していけば、意味を取り違えるようなことはなくなります。

 

 

「〇〇形」でひとくくりになっているものを「時制」「相」「態」に分解すると英文法がよりシステム的に機能します。

 

詳しく知りたい方はこちらをごらん下さい。

 

時制・態って何? 現在・過去・未来・進行・完了・能動・受動の意味を理解する

 

 

過去形と過去分詞形を完全マスターすればチャンス!

 

最後に「過去分詞」に関するブログ記事を紹介します。興味の張る方は是非ご一読ください。

 

 

【 過去分詞の意味を正確に理解したい 】 

 

過去時制と無関係? 過去分詞は「受身・完了」の形容詞(英文法 No.017)

 

 

【 受動態の正確に理解したい 】

 

be動詞 + 過去分詞が受動態なんて大ウソ!受身は五文型で極める(英文法 No018)

 

 

【 have + 過去分詞の意味を正確に理解したい 】

 

なぜ現在完了は「have + 過去分詞」をつかうのか?(英文法 No.019)

 

 

 

一般的な英文法書に書いてあることは「現代の用法」がほとんどなのですが、歴史的経緯から「ムチャな表現」が正式用法になっているものもあります。

 

こういった文法は過去の経緯を調べると「なるほど!」と思うことが良くあります。

 

 

過去分詞を例にとると「過去時制」と関係なく「完了相」と関係しています。

 

過去形の動詞と同じ形だから「過去分詞」と呼ばれるという経緯があります。

 

 

英文法の用語は「機能を的確に示すもの」と「たまたまそう呼ばれているもの」が混在しています。

 

このような英文法の用語の正確な意味を理解すれば、和訳丸暗記の英語と「差」が出てきます。

 

その「差」は世界に出たときに「大きな差」となって、相手に受け止めてもらえることになると思います。

 


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コメント: 2
  • #1

    名無し (木曜日, 13 1月 2022 04:09)

    ied変化のところ母音と子音ミスってますよ

  • #2

    あるま・まーた (木曜日, 13 1月 2022 12:08)

    ご指摘助かりました!ありがとうございます。
    最初はなにがおかしいのか自分ですら気づけなかったです。ほんとに感謝です!!

  • #3



     
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