本気禁止制限決闘   作:阿音

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エイプリルフールネタじゃなかったと証明した!
同一人物なので一人称を変えました。
視点持ちの迷い込んだ方が【俺】、ここに住んでいた方が【オレ】とします。
開始した時からこうすれば良かったと今更気づいた作者はダメですね。

次回から本編に戻ります。
さすがにこれ以上本編を遅くしたくないですし、本編を書きたいので……


本編無関係4【同一存在】

 俺と俺……さすがに決闘をするとなると紛らわしいな。

自分を俺、こちらの俺をオレと使い分けるとしよう。

俺とオレのはお互いに向き合って決闘を始めようとしている。

 

「なぁオレよ」

 

「なんだ俺よ」

 

「今更なんだが、この決闘で俺達は何を得るんだ?」

 

「……確かに、お互いに自分だからな

手の内が透けて見えるだろうし、意味は無いんじゃないか?」

 

「自分だからあまり楽しくないように思えるしな……」

 

 今更だが決闘、止めようかな……いや止めないけど。

もしここで止めるだなんて言い出したら、観客になってるマドルチェとかゴーストリック達が文句を言うだろう。

蟲惑魔は解らん、あいつら植物族や昆虫族だから感情とか薄そうだしな。

 

「まぁ、実際に楽しいかどうか

それは試してみれば判るだろう」

 

「それもそうだな」

 

「「さて……決闘だ」」

 

 お互いにカードを5枚ドローする。

先行は……俺からだな。

 

「俺の先行だな

俺は白魔導士ピケルを召喚し、カードを3枚伏せてターンエンドだ」

 

「白魔導士ピケル?

うーん……オレの予想が外れたか? いや、まだ微妙かな?」

 

 予想が外れたという言葉がどういう意味なのか、なんとなく解っている。

オレは俺と似ているデッキを作ったのだろう。

お互いに自分だからな、どういうデッキを使うのか予想をしていたのだろう。

とはいえ、あいつも同じ存在だからな……俺の予想も当たっているだろう。

 

「ではオレのターンだ、ドロー

オレはトライデント・ウォリアーを召喚し、効果を発動する

こいつの召喚に成功した時、手札からLV3のモンスターを1体、特殊召喚する

オレはこの効果により、手札のダッシュ・ウォリアーを特殊召喚だ」

 

 うわぁ……予想通りだ。

やっぱり戦士族メタのカードをデッキに入れておくべきだったか?

 

「永続魔法、連合軍を発動する

自分の場に存在する魔法使い族・戦士族モンスターの数×200、戦士族モンスターの攻撃力を上昇させる

現在オレの場に存在している戦士族モンスターは2体、よって攻撃力が400上昇する」

 

 オレのデッキは確実に【戦士族】だろう。

ただ、どういう戦士族なのかは……俺の予想では十中八九ダッシュ・ウォリアーがメインのはずだ。

理由? 俺のデッキのメインモンスターがあのモンスターだからだ。

 

「バトルフェイズに入る

トライデント・ウォリアーで白魔導士ピケルに攻撃だ」

 

「なら罠カード、ライジング・エナジーを発動する

手札を1枚捨て、場の表側表示モンスター1体の攻撃力をターン終了時まで1500上昇させる

俺が手札から捨てるカードは……ソニック・ウォリアーだ

この瞬間、ソニック・ウォリアーの効果が発動する

こいつが墓地へ送られた場合、自分の場に存在する全てのLV2以下のモンスターの攻撃力を500上昇させる

よって白魔導士ピケルの攻撃力はライジング・エナジーとソニック・ウォリアーの効果で合計2000上昇だ」

 

 これにより、白魔導士ピケルの攻撃力は1200から3200になった。

攻撃力1800から連合軍の効果で攻撃力2200になったトライデント・ウォリアーの槍による攻撃を白魔導士ピケルはしゃがんで回避する。

そしてトライデント・ウォリアーはその勢いのまま転倒、破壊された……転倒で破壊されるなよ。

 オレに1000のダメージが入り、オレの残りライフは7000になる。

先制ダメージは俺がもらったぞ。

 

「あぁ、予想通りのデッキだったか

白魔導士ピケルはあまり予想していなかったが、その程度は仕方ないな

バトルフェイズを終了させ、カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

「ライジング・エナジーの効果が消えるが、ソニック・ウォリアーの攻撃力上昇は永続的に続く

よって白魔導士ピケルの攻撃力は1700となる

そして俺のターン、ドロー

この瞬間、白魔導士ピケルの効果が発動する

自分のスタンバイフェイズ時に自分の場に存在しているモンスターの数×400ライフを回復する

俺の場に存在するモンスターは白魔導士ピケルのみ……だがこの効果にチェーンして永続罠、エンジェル・リフトを発動する

墓地のLV2以下のモンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する

この効果により、墓地のLV2のソニック・ウォリアーを特殊召喚

これにより、俺の場にモンスターは2体になった

白魔導士ピケルの効果により、俺のライフは800回復する」

 

 俺のライフは8800、ライフ差は広がる。

このまま白魔導士ピケルを維持できればライフのアドバンテージは取れるが……

 

「そして手札の魔法カード、マジック・プランターを発動する

俺の場に表側表示で存在する永続罠を1枚墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドローする

この効果によりエンジェル・リフトを墓地へ送り、2枚ドロー

そしてエンジェル・リフトが場から離れたのでソニック・ウォリアーはエンジェル・リフトの効果により破壊される

この瞬間にソニック・ウォリアーの効果が発動し、墓地へ送られたので白魔導士ピケルの攻撃力を更に500上昇させて攻撃力2200だ」

 

 俺のデッキのコンセプトはソニック・ウォリアーによる攻撃力永続上昇だ。

そのコンセプト上、デッキモンスターは全てLV2で統一している。

時間はかかるものの、ジワジワと攻撃力が上がっているのは楽しい。

 

「召喚師セームベルを召喚し、効果を発動する

自分のメインフェイズに自身と同じLVのモンスター1体を手札から特殊召喚できる

ただし、この効果はこのカードが表側表示で存在する限り1度しか使えない

俺は召喚師セームベルの効果により、召喚師セームベルと同じLV2の腐乱犬を特殊召喚する」

 

 手札は無くなったが、モンスター3体で攻撃すれば多分大丈夫。

あの伏せカードは多分……

 

「バトルフェイズだ

腐乱犬でダッシュ・ウォリアーに攻撃する

そしてこの瞬間、腐乱犬の効果が発動

こいつが攻撃宣言する度に自身の攻撃力を500上昇させる

よってこいつの攻撃力は1000から1500になった」

 

 オレのダッシュ・ウォリアーの攻撃力は連合軍の効果が入っても800程度。

破壊できれば700のダメージが入るが……

 

「罠カード、パワー・フレームを発動する

自分のモンスターの攻撃力よりも相手モンスターの攻撃力が高いモンスターの攻撃対象に選択された時に発動できる

その攻撃を無効にし、攻撃対象に選択されたモンスターにこのカードを装備する

装備モンスターの攻撃力は攻撃してきたモンスターとの攻撃力の差分だけ上昇する

ダッシュ・ウォリアーの攻撃力は連合軍の効果を入れても800、よって攻撃力差は700なので攻撃力を700上昇させる

よって攻撃力は1500となる」

 

 腐乱犬の攻撃力が上昇するタイミングは攻撃宣言時だ。

よって攻撃が無効にされても攻撃力は上がったままとなる。

 

「だがその攻撃力では白魔導士ピケルの攻撃力よりも低い

パワー・フレームの可能性が高いと思ったが、正解だったな

白魔導士ピケルでダッシュ・ウォリアーに攻撃する」

 

 白魔導士ピケルの攻撃によりダッシュ・ウォリアーを撃破する。

攻撃力差は700、ドローの為とはいえ白魔導士ピケル1体の為にリミット・リバースをケチらなくて良かった。

もし使わなかったらダッシュ・ウォリアーを倒せず、次のターンに被害が大きくなっていた。

 

「召喚師セームベルで直接攻撃する」

 

 召喚師セームベルは自身が召喚した腐乱犬を持ち上げ、オーバースローで投げてオレに直撃させた。

地味に痛そうなんだが……とりあえず600のダメージでオレの残りライフは5700になった。

順調なのは良いのだが、反撃が少し怖いな。

 

「メインフェイズ2に入る

LV2の腐乱犬と召喚師セームベルでオーバーレイ

2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚

幼女と犬の要素無し、ランク2……ガチガチガンテツ」

 

 俺の場に筋肉ムキムキマッチョのモンスターが現れた、ちなみに守備表示。

一応犬で可愛い……可愛い? まぁとにかく犬と同じ幼女の召喚師セームベルがこんなのになって白魔導士ピケルがショックを受けている。

音でガーンって聞こえてきそうなぐらいにガチガチガンテツが嫌らしい。

 

「ガチガチガンテツが存在している限り、俺の場のモンスターの攻撃力と守備力はこいつのX素材の数×200上昇する

現在ガチガチガンテツのX素材は2つ、よって攻守は400上昇する

俺はこれでターン終了だ」

 

 白魔導士ピケルの攻撃力は2600、装備カードも何も無しに攻撃力がこれだけ上がるなんて珍しい。

ちなみにガチガチガンテツの守備力は2200、壁役としてはそこそこだろう。

 

「オレのターン、ドロー

魔法カード、戦士の生還を発動する

墓地の戦士族モンスター1体を手札に加える

墓地のトライデント・ウォリアーを選択し、手札に加える

そのままトライデント・ウォリアーを召喚し、効果を発動

手札のLV3チューナーモンスター、共闘するランドスターの剣士を特殊召喚する

共闘するランドスターの剣士が表側表示で存在する限り、オレの場の戦士族モンスターの攻撃力は400上昇する」

 

 連合軍の効果も含め、トライデント・ウォリアーの攻撃力は1800から2600なった。

白魔導士ピケルと攻撃力が並んだが、白魔導士ピケルには攻撃しないだろう。

S召喚をする可能性はあるが、素材指定の無いS戦士族モンスターの最大攻撃力は2400だ。

連合軍の効果を含めても2600、白魔導士ピケルと相討ちが精一杯なので出す可能性は高くない。

しかしガチガチガンテツに攻撃すればとなるが、そうなると次のターンに俺がまたソニック・ウォリアーの効果を発動するかもしれない。

そうなった場合、当然倒されるのはオレの方なのでやはり可能性は低いだろう。

つまりこの場合、オレがする行動といえば……

 

「バトルフェイズに入る

トライデント・ウォリアーで白魔導士ピケルに攻撃だ」

 

 当然、白魔導士ピケルとの相討ちだ。

俺は白魔導士ピケルの攻撃力を色々として上げたが、オレはモンスターを出すだけだ。

最初のターンに腐乱犬をドローできていればこうはならなかったのだが……

 トライデント・ウォリアーが槍を投げ、白魔導士ピケルも杖を投げようとして……転倒した。

その時に杖がすっぽ抜けてトライデント・ウォリアーに直撃、トライデント・ウォリアーの投げた槍も白魔導士ピケルに直撃した。

それによってお互いに破壊される……なんとも情けない結果だ。

 共闘するランドスターの剣士の攻撃力は500、自身の効果で900だし、連合軍を含めても1100だ。

これではガチガチガンテツは倒せない、なのでバトルフェイズは終わりだろう。

 

「オレはカードこのままターンエンドだ」

 

「なら俺のターン、ドロー

モンスターを伏せ、このままターンエンドだ」

 

「ではオレのターン、ドロー

切り込み隊長を召喚し、効果を発動する

召喚に成功した時、手札のLV4以下のモンスターを特殊召喚する

この効果により、手札のダッシュ・ウォリアーを特殊召喚だ

更に切り込み隊長が存在する限り、相手は他の戦士族モンスターを攻撃対象にできない」

 

 オレの場に戦士族モンスターが3体、連合軍の効果で攻撃力が600上昇する。

更に共闘するランドスターの剣士の効果も含め、合計攻撃力は1000も上がってしまう。

ダッシュ・ウォリアーの攻撃力は1600、切り込み隊長は2200、共闘するランドスターの剣士は1500になった。

そしてダッシュ・ウォリアーの効果は……

 

「バトルフェイズだ

ダッシュ・ウォリアーでガチガチガンテツに攻撃する

そしてダッシュ・ウォリアーの効果発動

ダメージステップの間、このモンスターの攻撃力は1200上昇する

連合軍に共闘するランドスターの剣士の効果も含め、攻撃力は合計2200上昇し、ダッシュ・ウォリアーの攻撃力は2800だ」

 

 ガチガチガンテツの守備力は2200、さすがにこの攻撃力には勝てない。

ダッシュ・ウォリアーはガチガチガンテツに突撃し、頭突きでガチガチガンテツを破壊しようとする。

しかしガチガチガンテツはその頭突きを受け止め、ダッシュ・ウォリアーを投げ飛ばして破壊を免れた。

 

「ガチガチガンテツの効果を発動する

こいつが破壊される場合、X素材を1つ取り除く事で破壊をされない」

 

「だがそいつの守備力はX素材の数によって上昇していた

既にガチガチガンテツの守備力は2000、切り込み隊長で追撃」

 

「更にX素材を取り除き、破壊されない」

 

 切り込み隊長が投げた剣を弾き飛ばすガチガチガンテツ。

やってる事は格好良いが、本人のビジュアルがなぁ……

 

「さすがに共闘するランドスターの剣士ではガチガチガンテツには勝てない

その裏守備モンスターに攻撃だ」

 

 共闘するランドスターの剣士は短い剣を振るって伏せモンスターに攻撃する。

だがしかし、共闘するランドスターの剣士が攻撃したモンスター、それは……

 

「こいつは……メタモルポットだ

リバース効果が発動し、お互いのプレイヤーは手札を全て捨てる

その後、お互いにデッキからカードを5枚ドローする」

 

「そいつもLV2だったな……とはいえお互いに手札は0枚だ

よって捨てる手札は無い、5枚ドローだけをする」

 

 メタモルポットの守備力は僅か600、当然破壊される。

しかしあまりオレにドローはさせたくない。

あのデッキの特性上、強化カードが多そうだから不安だ。

 

「バトルフェイズは終了だ

手札から永続魔法、一族の結束を発動する

自分の墓地のモンスターの種族が1種類の場合にのみ効果を適用だ

場の元々の種族が墓地の1種類の種族と同じ場合、攻撃力を800上昇させる

オレの墓地のモンスターはダッシュ・ウォリアー……戦士族だ

よってオレの場の戦士族モンスター達の攻撃力は800上昇する」

 

 不安的中……切り込み隊長の攻撃力は3000、ダッシュ・ウォリアーは2400、共闘するランドスターの剣士は2300になる。

しかもダッシュ・ウォリアーは攻撃時に自身の効果で攻撃力が3600にまで……相手してられるかよ。

 

「オレはカードを1枚伏せ、ターンエンドだ」

 

 どうやらオレはS召喚はしないらしい。

あのデッキのメインはダッシュ・ウォリアーだから当然あいつは残すだろう。

そして攻撃力を上げる共闘するランドスターの剣士は残しておきたい。

ダッシュ・ウォリアーは相手のターンの間は攻撃力が上がらないしな。

 

「俺のターン、ドロー

永続罠、リミット・リバースを発動する

墓地より攻撃力1000以下のモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する

俺は墓地より攻撃力600の召喚師セームベルを特殊召喚する

そして召喚師セームベルの効果を発動、自身と同じLVのモンスター1体を手札から特殊召喚する

俺は手札の転身テンシーンを特殊召喚だ

テンシーンの攻撃力は自分の場に存在するLV2のモンスターの数×400上昇する

現在俺の場にLV2のモンスターは転身テンシーン自身を含めて2体、よって攻撃力は800上昇して攻撃力1600となる」

 

 転身テンシーンの元々の攻撃力は800だ。

場の全てのモンスターをLV2にした場合は2000上昇して攻撃力が2800まで上がる。

これにソニック・ウォリアーの効果を含めれば結構高い攻撃力になる。

……が、現状はそれができたりなんてしないがな。

 

「魔法カード、戦士の生還を発動する

オレも使ったから効果省略、墓地の戦士族であるソニック・ウォリアーを手札に加える

更に永続魔法、ワンダー・バルーンを発動

1ターンに1度、任意の枚数の手札を墓地へ送って発動ができる

墓地に送ったカードの枚数の数だけこのカードにバルーンカウンターを乗せる

そしてこのカードが存在している限り、相手の場のモンスターの攻撃力はバルーンカウンターの数×300低下する

俺は手札のソニック・ウォリアー2体と、もう1枚手札を捨てる

これによりバルーンカウンターは3つ、よってオレのモンスターの攻撃力は900低下だ」

 

 切り込み隊長が攻撃力2100、ダッシュ・ウォリアーは1500、共闘するランドスターの剣士は1400になった。

これだけ攻撃力を下げれば転身テンシーンでも十分勝てる。

 

「更に墓地へ送ったソニック・ウォリアーの効果が発動する

2体墓地へ送ったので、俺の転身テンシーンと召喚師セームベルの攻撃力は合計1000上昇だ

更に魔法カード、貪欲な壺を発動する

墓地のモンスター5体を選択し、そのモンスターをデッキに戻してシャッフル、そして2枚ドローする

俺が選択するモンスターはソニック・ウォリアー2体、腐乱犬、メタモルポット、白魔導士ピケルの5体だ

これらのモンスターをデッキに戻し、2枚ドロー

更に俺はまだ通常召喚をしていない、手札のソニック・ウォリアーを通常召喚する

俺の場のLV2のモンスターが増えたので転身テンシーンの攻撃力は更に400上昇する」

 

 俺の場のモンスターは転身テンシーンの攻撃力が3000、召喚師セームベルが1600だ、ソニック・ウォリアーは1000だ。

ガチガチガンテツの効果が有ればオレのモンスターを全滅させられたんだが……仕方ないな。

 問題は、ワンダー・バルーンが破壊される事だが……オレの性格から考えよう。

あのタイプのデッキを作る場合、俺なら除去カードは殆ど入れない。

理由は、脳筋デッキを使う場合は除去なんてしないでただただ力押しのデッキにするからだ。

俺の予想では、オレのデッキに入っている除去カードは……精々1枚から2枚程度だろう。

そう考えると、ワンダー・バルーンが破壊される可能性はかなり低いと思っていい。

 

「バトルフェイズに入る

切り込み隊長が存在している限り、他の戦士族モンスターには攻撃できない……

なら転身テンシーンで切り込み隊長に攻撃」

 

 転身テンシーンの背中の翼から羽が射出され、切り込み隊長に襲いかかった。

切り込み隊長は避けようとするも、射出されている羽の範囲が広くて逃げ切れずに破壊される。

オレに900のダメージを与え、残りライフは4800になった。

 問題はこの次だ。

召喚師セームベルでダッシュ・ウォリアーを攻撃するか、共闘するランドスターの剣士を攻撃するかの2択。

 召喚師セームベルで共闘するランドスターの剣士を倒せた場合。

連合軍と一族の結束の効果で攻撃力が合計1000も上がっているダッシュ・ウォリアーも、ワンダー・バルーンの効果で900も攻撃力が下がる。

そうなると実際に上がる攻撃力は僅か100、ダッシュ・ウォリアーの攻撃力は700になる。

その攻撃力ならソニック・ウォリアーでも倒せるようになるのだが……

 先にダッシュ・ウォリアーを倒した場合、共闘するランドスターの剣士の攻撃力は1000になる。

そうなった場合はソニック・ウォリアーとの相討ち、オレに与えるダメージは減るものの転身テンシーンと召喚師セームベルの攻撃力は上昇する。

どちらも一長一短、手札にこのカードがあるし……ダメージ優先でいいかな?

 しかし、実は問題がもう1つ有る。

あの伏せカードが、またパワー・フレームだった場合だ。

そうなると両方のモンスターを倒せない、次のターンに召喚をされずともS召喚をされてしまう。

まぁ、転身テンシーンの攻撃で使わなかったのだから可能性は低いとは思うが……そう油断させられてからの発動だったらかなり怖い。

だってあいつ俺でオレだぞ? そういうプレイングをする可能性は全く否定できない。

 

「…………いや、攻撃しよう

召喚師セームベルで共闘するランドスターの剣士に攻撃する」

 

 召喚師セームベルは両手を伸ばし、何か魔法陣っぽいのを掌の前に出した。

そこからどうするのかと思ったら、メタモルポットが何故か出てきて召喚師セームベルはそのメタモルポットを両手で持った。

召喚師セームベルはメタモルポットを両手で持ち上げ、大きく振りかぶって共闘するランドスターの剣士に投げつけた。

共闘するランドスターの剣士は盾で守ろうとするも、意外と重かったメタモルポットに潰されてメタモルポットと一緒に破壊された。

……メタモルポットって貪欲な壺でデッキに戻っているんだが、それを召喚したのか?

 なにはともあれ、共闘するランドスターの剣士は撃破できた。

切り込み隊長が減り、連合軍の効果も下がっていたので共闘するランドスターの剣士の攻撃力は1200だ。

攻撃力1600の召喚師セームベルには勝てず、400のダメージを更にオレに与えられた。

 

「これでダッシュ・ウォリアーの攻撃力は700

攻撃力1000のソニック・ウォリアーでも勝てるな

ソニック・ウォリアーでダッシュ・ウォリアーに攻撃だ」

 

 ソニック・ウォリアーの勢いのついた拳でダッシュ・ウォリアーは真っ二つになり、破壊される。

召喚師セームベルに比べたら地味だが、まぁそれは問題無いな。

 オレに更に300のダメージを与え、オレの残りライフは4100だ。

俺のライフは白魔導士ピケルの効果で800回復していて、残りライフは8800と倍以上で余裕があるな。

 

「メインフェイズ2、カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

 ところでガチガチガンテツが邪魔なんだが……

転身テンシーンの攻撃力上昇効果の妨げになっているし、早く倒してくれないだろうか?

とはいえ、攻撃力500で攻撃表示にするのは少々危険過ぎるから守備表示のままだが。

 

「ふむ……オレのターン、ドロー

ならオレの次の手はこれだな、コマンド・ナイトを召喚

そして罠カード、コピー・ナイトを発動する

自分の場にLV4以下の戦士族モンスターが召喚された時に発動できる

発動後、このカードは召喚されたモンスターと同名のモンスターカードとなり、同じLVで特殊召喚される

コピー・ナイトはコマンド・ナイトとなり、LV4で特殊召喚する

そしてLV4戦士族のコマンド・ナイトと、コマンド・ナイトとなっているコピー・ナイトの2体でオーバーレイ

2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚

ランク4、一刀両断の言葉はこいつの為に存在する……H-C エクスカリバー」

 

「…………そいつ、かぁ……」

 

「こいつだ

H-C エクスカリバーの効果を発動

1ターンに1度、こいつのX素材を2つ取り除いて効果を発動する

次の相手ターンのエンドフェイズ時までこいつの攻撃力は元々の攻撃力の倍になり、攻撃力は4000

更に一族の結束と連合軍の効果で合計攻撃力が1000上昇する

俺のワンダー・バルーンの効果で攻撃力が900下がるが……攻撃力が下がるなら上げればいい

永続魔法、2枚目の一族の結束を発動し、更に攻撃力が800上昇

ワンダー・バルーンの効果で攻撃力が下げられようとも、H-C エクスカリバーの攻撃力は4900となる」

 

 いや、ライジング・エナジーを残しておかなかった事を今は激しく後悔している。

序盤の流れが欲しかったとはいえ、最初に使うんじゃなかった……さすがにアレは無理だ。

 

「バトルフェイズに入る

H-C エクスカリバーで転身テンシーンに攻撃」

 

 H-C エクスカリバーの持つ大剣で、転身テンシーンは文字通り一刀両断された。

横じゃなくて縦に真っ二つ……かなり酷い。

それはそうと俺の受けたダメージは1900、残りライフは6900とそこそこ減った。

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

 伏せカードは無いが、攻撃力4900は無理だな。

次のオレのターンになれば攻撃力が2900まで下がるが、それでも結構高い。

一族の結束2枚で攻撃力が1600、連合軍で更に200上がっているからな。

ワンダー・バルーンの効果で攻撃力が900下がっているとはいえ、合計で900上がったままだ。

なんとかして強化・弱体化をしなければならない。

 

「俺のターン、ドロー

もう1ターン早くすれば良かったんだが……言っても仕方ないな

LV2の召喚師セームベルとソニック・ウォリアーでオーバーレイ

2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚

ランク2、獣なのか獣戦士なのか魔法使いなのか……結局アンデットなのか見た目でハッキリとしやがれ、No.45 滅亡の預言者 グランブル・ロゴス」

 

 馬の下半身を持ち、本を片手に持った老人のようなモンスター。

見た目的に獣族か獣戦士族なのか、それとも魔法使い族のようなのにアンデット族だ。

しかしこんなのでも攻撃力2200と決して低くないモンスターだ。

 

「効果を発動する前に魔法カード、マジック・プランターを発動する

俺の場の永続罠であるリミット・リバースを墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドローする

魔法カード、増援を発動

デッキからLV4以下の戦士族モンスター1体を手札に加える

俺はこの効果でデッキからソニック・ウォリアーを手札に加える

白魔導士ピケルを召喚し、ワンダー・バルーンの効果を発動

手札のソニック・ウォリアーを捨て、バルーンカウンターを1つ乗せる

これでお前のモンスターの攻撃力は更に300低下する

更にソニック・ウォリアーが墓地へ送られたので白魔導士ピケルの攻撃力は500上昇する

続いてNo.45 滅亡の預言者 グランブル・ロゴスの効果を発動

1ターンに1度、X素材を1つ取り除いて場の表側表示のカード1枚を対象にして発動する

こいつが表側表示で存在する間、俺が対象に選んだカードの効果は無効化される

俺が選択するのは一族の結束の1枚だ

更に、この効果で選択したカードが場に表側表示で存在している限り、お互いに対象のカードや同名カードの効果を発動できない

既に発動されているカードには無意味だが、1枚一族の結束の効果を消せただけ十分だ」

 

 攻撃力が合計1800も上昇していたのが、1000上昇に下がった。

しかもワンダー・バルーンの効果で攻撃力が1200も下がるのだから、総合すればオレのモンスターの攻撃力は200低下となる。

これでオレのH-C エクスカリバーの攻撃力は4900だったのが3800にまで低下した。

 

「それだけではなく、墓地へ送られたX素材のソニック・ウォリアーの効果が発動する

俺の場の白魔導士ピケルの攻撃力は更に500上昇し、攻撃力は2200となる

攻撃してもH-C エクスカリバーには勝てないからな、このままターンエンドだ

このエンドフェイズ時、H-C エクスカリバーの攻撃力は元に戻るな」

 

 俺の場には攻撃力2200のNo.45 滅亡の預言者 グランブル・ロゴスと白魔導士ピケル。

ついでに守備力1800のガチガチガンテツが存在している。

伏せカードは1枚にワンダー・バルーン、ライフは6900で手札は無いが……そこそこ状況は良い。

 対するオレは一族の結束2枚に連合軍、攻撃力が1800にまで下がったH-C エクスカリバー。

伏せカードは無いが手札は1枚、残りライフは4100で俺の方が今のところは有利だ。

 

「オレのターン、ドロー

スピード・ウォリアーを召喚、これでオレの場の戦士族モンスターは2体となった

H-C エクスカリバーの攻撃力は2000となり、バトルフェイズだ

H-C エクスカリバーでガチガチガンテツに攻撃」

 

 オレとしてはガチガチガンテツを倒さない方が俺には邪魔だとは理解しているだろう。

しかしだからって放置し続けてもあの見た目が目障りだから破壊したのだろうな、気持ちは解る。

スピード・ウォリアーの存在の意味は薄いものの、連合軍の効果で攻撃力は確実に上昇する。

少々勿体無いが……残り1枚の手札はなんだ?

 

「バトルフェイズを終了し、カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

 あの伏せカードはなんだ?

オレのデッキの傾向は予想できていたが、さすがに使うカードまでは無理だ。

事実、オレは俺が序盤に白魔導士ピケルを召喚した時に驚いていた。

あの伏せカードは……いや、本当になんだろうかね?

 

「俺のターン、ドロー…………まぁ、仕方ないか

No.45 滅亡の預言者 グランブル・ロゴスの効果を発動

X素材を1つ取り除き、2枚目の一族の結束の効果を無効にする」

 

 これでオレの場のモンスターの攻撃力は更に800低下する

H-C エクスカリバーの攻撃力は1200、スピード・ウォリアーの攻撃力なんて僅か100だ。

具体的には、連合軍の効果で攻撃力が400上昇するも、ワンダー・バルーンの効果で攻撃力が1200も下がっている。

合計すれば攻撃力は800の低下になる。

 

「バトルフェイズだ

白魔導士ピケルでスピード・ウォリアーに攻撃」

 

 迎撃や返り討ちをされると考えた場合、No.45 滅亡の預言者 グランブル・ロゴスから攻撃はできない。

更にダメージを多く与える場合、先にH-C エクスカリバーを倒した場合、連合軍の効果が下がってスピード・ウォリアーの攻撃力は0になる。

しかし先にスピード・ウォリアーを倒した場合、H-C エクスカリバーの攻撃力は1000、こちらの方が与えるダメージが100大きくなる。

 なんて考えている間にスピード・ウォリアーは倒された。

これでオレに2100ものダメージを……

 

「罠カード、スピリット・フォースを発動

相手ターンのダメージ計算時、オレへの戦闘ダメージを0にする

更にその後、オレは自分の墓地に存在する守備力1500以下の戦士族チューナーを1体……守備力1200の共闘するランドスターの剣士を手札に加える」

 

 ダメージを0にされてしまった。

墓地の共闘するランドスターの剣士の回収がしたかったのか。

攻撃力を上昇させるカードが多いオレのデッキだ、下手に出させたくはないな。

 

「No.45 滅亡の預言者 グランブル・ロゴスでH-C エクスカリバーに攻撃」

 

 No.45 滅亡の預言者 グランブル・ロゴスは馬の後ろ足でH-C エクスカリバーを蹴飛ばして破壊する。

お前そこで攻撃するのか?

 

「モンスターを伏せ、ターンエンドだ」

 

「オレのターン、ドロー

魔法カード、貪欲な壺を発動する

俺も使ったので省略、墓地のH-C エクスカリバー、ソニック・ウォリアー、トライデント・ウォリアー、コマンド・ナイト、切り込み隊長をデッキに戻す

そしてデッキから2枚ドローする

……ふむ、切り込み隊長を召喚し、効果を発動

手札のLV4以下のモンスター1体を特殊召喚する

この効果により、先ほど手札に加えた共闘するランドスターの剣士を特殊召喚だ

LV3の切り込み隊長にLV3の共闘するランドスターの剣士をチューニング

剣士の力を拳に宿すは重力の闘士、シンクロ召喚

LV6、踏み潰せ……グラヴィティ・ウォリアー」

 

 今度はS召喚か。

共闘するランドスターの剣士が存在するのだから当然と言えば当然だな。

まぁLV8のギガンテック・ファイターでなかっただけマシだろう。

 

「グラヴィティ・ウォリアーの効果発動

こいつがS召喚に成功した時、相手の場の表側表示のモンスターの数×300攻撃力を上昇させる

そちらの場に表側表示のモンスターは2体、よって攻撃力は600上昇だ」

 

「だがワンダー・バルーンの効果も残っている

ワンダー・バルーンの効果で攻撃力は1200下がり、連合軍の効果を含めても1000もの低下だ

グラヴィティ・ウォリアーの元々の攻撃力は2100、600上昇したところで攻撃力は2700から1700になっているぞ」

 

「なら攻撃力を上げるだけだ

装備魔法、最強の盾をグラヴィティ・ウォリアーに装備させる

こいつは戦士族モンスターにのみ装備可能、表示形式で効果は変わるが……

早い話、攻撃表示の時は元々の守備力分、守備表示の場合は元々の攻撃力分だけその表示形式の時の能力が上昇する

つまり攻撃表示でS召喚したグラヴィティ・ウォリアーの場合、元々の守備力である1000攻撃力が上昇だ

よって、グラヴィティ・ウォリアーの攻撃力は2700、十分な攻撃力だろう?」

 

「ぐ……No.45 滅亡の預言者 グランブル・ロゴスの攻撃力を超えられたか」

 

 かなり……拙い。

白魔導士ピケルやさっきドローしたカードもワンダー・バルーンの効果で墓地へ送っていれば攻撃力2100だったから耐えられた。

とはいえそれは結果論だ、俺の伏せカードは相手の攻撃に対してなんの意味も無い。

 

「バトルフェイズだ

グラヴィティ・ウォリアーでNo.45 滅亡の預言者 グランブル・ロゴスに攻撃する」

 

 グラヴィティ・ウォリアーは高くジャンプし、No.45 滅亡の預言者 グランブル・ロゴスを踏み潰した。

S召喚の口上の通りに攻撃しなくても……というか地震みたいにかなり揺れたぞおい!

というかそんな事言っている場合じゃない、これはやばい!

 

「No.45 滅亡の預言者 グランブル・ロゴスが場から離れたな

よってそいつが封じていたオレの一族の結束の効果は再度適用される

グラヴィティ・ウォリアーの攻撃力は1600上昇し、4300だ」

 

「うわぁ……どうしろってんだよ、それ」

 

「俺よ頑張れ、オレはこのままターンエンドだ」

 

 グラヴィティ・ウォリアーの攻撃で俺は500のダメージを受け、残りライフは6400。

ライフ自体は俺の方が多いが、攻撃力4300のグラヴィティ・ウォリアーとかどうしろってんだよ……

しかもグラヴィティ・ウォリアーって俺がバトルフェイズに入ったら守備表示モンスターを攻撃表示にして攻撃強制効果を発動できるんだろ?

ガチガチガンテツが破壊されていて助かったが、これはこれでかなり厳しい。

まぁ……グラヴィティ・ウォリアーを倒せるか倒せないかと問われれば倒せるんだが。

 

「俺のターン、ドロー

スタンバイフェイズ、白魔導士ピケルの効果が発動

俺の場のモンスターは白魔導士ピケル自身と裏守備モンスターの2体、よって俺のライフを800回復する

カードを1枚伏せ、貪欲な壺の効果でデッキに戻ってまたドローしたメタモルポットを反転召喚

お互い手札は無いのでお互いにデッキからカードを5枚ドローする」

 

「2回も5枚ドローさせてもらったが、そんなにオレにドローさせて大丈夫なのか?」

 

「大丈夫じゃないが、俺も手札不足だから仕方ないだろう

速攻魔法、手札断殺を発動

お互いのプレイヤーは手札を2枚墓地へ送り、デッキから2枚ドローする

俺はこの効果で再びソニック・ウォリアーを捨てた、よって白魔導士ピケルの攻撃力は再び500上昇し、2700となる

ついでにメタモルポットの攻撃力も500上昇するが、こちらは置いておく

魔法カード、貪欲な壺を発動

墓地のモンスターを5体、ソニック・ウォリアー2体、召喚師セームベル、ガチガチガンテツ、No.45 滅亡の預言者 グランブル・ロゴスをデッキに戻す

そしてデッキから2枚ドロー」

 

 この手札だったら……いけるかな?

よし、最初は幻影騎士団カースド・ジャベリンでグラヴィティ・ウォリアーの攻撃力を0にしようと思ったが予定変更だ。

だってこっちの方が、楽しいからな!

 

「魔法カード、戦士の生還を発動し、墓地のソニック・ウォリアーを手札に加える

ソニック・ウォリアーを召喚し、罠カード発動、ロスト・ネクスト

自分の場に表側表示で存在するモンスター1体を選択、選択したモンスターと同名カード1枚を自分のデッキから墓地へ送る

俺が選択するのは、当然ソニック・ウォリアーだ

デッキからソニック・ウォリアーを墓地へ送り、ソニック・ウォリアーの効果が発動

場のソニック・ウォリアー、メタモルポット、白魔導士ピケルの攻撃力を500上昇させる」

 

 白魔導士ピケルの攻撃力は3200、メタモルポットは1700、ソニック・ウォリアーは1500だ。

グラヴィティ・ウォリアーの攻撃力は4300……十分だな。

 

「魔法カード、受け継がれる力を発動

自分の場のモンスター1体を墓地へ送り、エンドフェイズまで自分の場のモンスター1体の攻撃力を墓地へ送ったモンスターの攻撃力分上昇させる

上昇する攻撃力は墓地での攻撃力、つまり元々の攻撃力だ

俺が墓地へ送るのはソニック・ウォリアー、その攻撃力である1000の攻撃力を白魔導士ピケルに与える

更にソニック・ウォリアーが墓地へ送られた、よって更に攻撃力は500上昇する」

 

「……白魔導士ピケルの攻撃力が、4700だと?」

 

 ついでにメタモルポットの攻撃力も2200だ。

これがメタモルポットの攻撃力だと、誰が思うのやら……

 

「バトルフェイズだ

白魔導士ピケルでグラヴィティ・ウォリアーに攻撃する」

 

 白魔導士ピケルの杖先に光が集まり……杖が超伸びてグラヴィティ・ウォリアーを貫いた。

あの杖って木製じゃないのか? 何故伸びた、まさか木製だからって成長したとか?

とにかくオレに400のダメージを与え、残りライフは3700だ。

 

「続いてメタモルポットで直接攻撃」

 

 高がメタモルポット、しかしこのメタモルポットの攻撃力は2200。

伏せカードが無いオレはメタモルポットの直接攻撃を受け、残りライフは1500となった。

俺のライフは7200、ライフ差は思ったよりも大きい。

 

「カードを3枚伏せ、ターンエンドだ

エンドフェイズ、受け継がれる力の効果が白魔導士ピケルから消える」

 

 俺の場には攻撃力3700の白魔導士ピケル、攻撃力2200のメタモルポット。

ターンの最初に伏せたカード1枚にターン最後に伏せたカード3枚、更にバルーンカウンターが4つ乗ったワンダー・バルーンだ。

ライフは7200で手札は0枚、手札は無いが現状かなり有利だろう。

 対するオレの場には一族の結束2枚に連合軍、そして手札が5枚だが次のドローで6枚。

ライフは1500なので勝てそうなのだが……手札6枚は少し怖いな。

 

「オレのターン、ドロー

トライデント・ウォリアーを召喚し、トライデント・ウォリアーの効果で手札のダッシュ・ウォリアーを特殊召喚する

永続魔法、連合軍を発動して更に攻撃力を上昇させる

こいつもオマケだ、装備魔法の進化する人類をダッシュ・ウォリアーに装備させる

オレのライフが相手よりも高い場合、装備モンスターの元々の攻撃力は1000となる

だがオレのライフが相手よりも低い場合、装備モンスターの元々の攻撃力は2400となる

現在オレのライフの方が低い、よってダッシュ・ウォリアーの元々の攻撃力は2400だ

更に一族の結束2枚で1600、連合軍2枚で800の攻撃力が上がる

ワンダー・バルーンの効果で1200攻撃力が下がるが、結果攻撃力は3600

トライデント・ウォリアーの攻撃力は3000だ」

 

 ダッシュ・ウォリアーは攻撃時、ダメージステップの間は攻撃力を1200上昇させる効果を持っている。

攻撃力3600から攻撃した場合、ダッシュ・ウォリアーの攻撃力は4800、白魔導士ピケルでは勝てない。

当然メタモルポットは論外、トライデント・ウォリアーにも勝てない。

 

「バトルフェイズに入る」

 

 このタイミングしか無いな。

頼むから変な手札誘発カードとか発動してくれるなよ?

……まぁ、無いと思うけど。

 

「罠カード、貪欲な瓶を発動する

貪欲な瓶は1ターンに1枚しか発動できないが、貪欲な瓶以外の自分の墓地のカードを5枚デッキに戻す

墓地に存在するソニック・ウォリアー2体、貪欲な壺2枚、ライジング・エナジーを選択する

この5枚をデッキに戻し、デッキからカードを1枚ドローする」

 

「このタイミングで?

……なら、ダッシュ・ウォリアーで白魔導士ピケルに攻撃」

 

「罠カード、トゥルース・リインフォースを発動

デッキからLV2以下の戦士族モンスター1体を特殊召喚する

ただし、このカードを発動するターンは俺はバトルフェイズを行えないが……今はオレのターンだから問題無い

俺はデッキからトゥルース・リインフォースの効果でソニック・ウォリアーを特殊召喚する

そして特殊召喚されたこの瞬間、罠カード連鎖破壊を発動

攻撃力2000以下のモンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時にそのモンスター1体を対象にして発動

そのモンスターのコントローラーの手札・デッキから同名モンスターを全て破壊する

この効果で俺はデッキのソニック・ウォリアー2体を破壊し、墓地へ送る

ソニック・ウォリアーが墓地へ送られた事により、俺の場のLV2以下のモンスターの攻撃力は合計1000上昇する」

 

「……だが、まだ白魔導士ピケルの攻撃力は4700だ

ダッシュ・ウォリアーは自身の攻撃時、ダメージステップの間は攻撃力が1200上昇する

今の攻撃力は3600だが、攻撃力が1200上昇すれば4800、白魔導士ピケルでは勝てない」

 

「なら更に上げればいいだろ?

罠カード、魔法除去細菌兵器を発動する

トークン以外の自分の場のモンスターを任意の数だけリリース

リリースしたモンスターの数だけ相手はデッキから魔法カードを選んで墓地へ送る

俺がリリースするのはトゥルース・リインフォースの効果で特殊召喚したソニック・ウォリアーとメタモルポットの2体だ」

 

 メタモルポットも攻撃力が上がって3200だったが、残しておいても意味は無い。

単にダッシュ・ウォリアーの攻撃の的を増やすだけなのでさっさとリリースに回す。

こんな使い辛い魔法除去細菌兵器を入れている理由は、罠カードで任意の枚数場のモンスターを墓地へ送ることができるカードだったからだ。

実は任意の数だけという効果は少なく、しかも名前・種族・属性の指定をしていない場から墓地へ送るカードはこのカードしか存在していない。

強いて言うならトークン以外という点だが、それぐらいは仕方ないだろう。

 

「さぁ、デッキから魔法カードを2枚墓地へ送ってもらおうか?」

 

「……戦士の生還と連合軍を墓地へ送る」

 

「ふむ……ではソニック・ウォリアーの効果を発動させよう

魔法除去細菌兵器の効果で墓地へ送られたので、俺の場の白魔導士ピケルの攻撃力は更に500上昇

現在の白魔導士ピケルの攻撃力は5200だ」

 

「白魔導士ピケルの攻撃力じゃねーよ」

 

「確かに、だが……どうする?」

 

 オレのダッシュ・ウォリアーでもこの白魔導士ピケルは倒せない。

当然トライデント・ウォリアーの攻撃力はダッシュ・ウォリアーよりも低いので更に倒せない。

 

「チッ……ダッシュ・ウォリアーの攻撃をキャンセルし、ターンエンドだ」

 

 白魔導士ピケルとダッシュ・ウォリアーの攻撃力差は1600だ。

オレの場に伏せカードは0、魔法・罠ゾーンは全て埋まっている。

手札は2枚残っているが……あのデッキの傾向から考えてモンスター辺りかな?

 

「俺のターン、ドロー

スタンバイフェイズに白魔導士ピケルの効果が発動

俺の場のモンスターは白魔導士ピケルのみ、よってライフを400回復する」

 

 既に勝ちは確定だが、これ以上するのが俺達だろう?

そういう意味を込めた視線でオレを見ると、好きにしろとばかりに軽く溜息を吐かれた。

 

「召喚師セームベルを召喚し、効果を発動する

召喚師セームベルと同じLVのEMソード・フィッシュを特殊召喚

そしてEMソード・フィッシュの効果が発動

こいつが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手の場の全てのモンスターの攻撃力と守備力を600下げる

LV2の召喚師セームベルとEMソード・フィッシュでオーバーレイ

2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚

ランク2、こいつも下半身が馬だがちゃんとした獣戦士族、神騎セイントレア」

 

 どこぞのアンデット族と違って獣戦士族のモンスター。

こいつを出した理由は簡単だ。

 

「バトルフェイズ、神騎セイントレアでトライデント・ウォリアーに攻撃」

 

 神騎セイントレアは自身の持つ槍を使わず、盾をトライデント・ウォリアーに投げつけた。

トライデント・ウォリアーはその盾を持っている槍で弾き返し、槍を投げ返す。

神騎セイントレアは弾き返された盾を掴み、投げられた槍を盾で受け止めずに槍で叩き落とした。

神騎セイントレア、お前使う道具が逆じゃないか?

 

「神騎セイントレアはX素材を持つ限り戦闘では破壊されない

戦闘ダメージは受けるが、もう1つの効果を発動する

こいつが相手モンスターと戦闘を行ったダメージステップ終了時、X素材を1つ取り除いて発動

戦闘した相手モンスターを持ち主の手札に戻す

この効果により、トライデント・ウォリアーは手札に戻ってもらう」

 

 EMソード・フィッシュの効果で攻撃力が下がったとはいえ、トライデント・ウォリアーの攻撃力は2400。

攻撃力2000の神騎セイントレアでは勝てないので俺は400のダメージを受けた。

 しかし神騎セイントレアの効果でトライデント・ウォリアーは手札に戻った。

これで連合軍の効果が下がり、ダッシュ・ウォリアーの攻撃力は400下がる。

ダッシュ・ウォリアーの攻撃力は3200、そして俺の白魔導士ピケルの攻撃力は5200だ。

 

「これで終わりだな

白魔導士ピケルでダッシュ・ウォリアーに攻撃」

 

 白魔導士ピケルの持つ杖が白く輝きだし、極太の黒いビームを放った……黒だと!?

おいイメージカラー、イメージカラー! それ黒魔導士クランの色じゃねぇのか!?

ともあれ、黒の極太ビームはダッシュ・ウォリアーの全身を覆い隠してまだ余る。

極太ビームが通り過ぎた場所、ダッシュ・ウォリアーは完全に消滅していた。

 

「……負けたかぁ」

 

「ふぅ……勝てた」

 

 ライフ差は大きいものの、結構危うかった。

メタモルポットを2回発動できなければ押し負けていた可能性が高い。

運が良かったまでと言えばそれまでだが、実際にそうなのだろう。

 

「似たような名前のモンスター同士の対決は楽しかったな

ソニック・ウォリアーは戦っていないが」

 

「それはコンセプト上仕方ないだろう?

それにしてもやはりオレは俺だな、お互いにデッキを予想できていたとは」

 

「まぁオレも俺だし、当然だろう?

まぁ他にも候補は有ったが、俺だったらこんな感じにするだろうと思ったよ」

 

「そうだな……ところでオレよ」

 

「なんだ俺よ」

 

「俺は……これからどうすればいいんだ?」

 

「……さぁ? 気が付けばここに居たんだよな?

だったらその内気が付けばどこかに行くんじゃないか?」

 

「確かに、その可能性は高い……

ならその気が付けばどこかに行くまでここに居てもいいか?」

 

「別にいいぞ、拒否する理由も無いし

強いて言うなら、マドルチェやゴーストリックや蟲惑魔と仲良くしてくれってぐらいだな」

 

「じゃあよろしく」

 

 そんな軽い感じで俺はもう暫くここで過ごす事になる。

俺はいつ帰れるのか……別に適当に過ごしてればその内帰れるだろう。

あー……今日は疲れた、もう寝よう、そうしよう。




「今日の最強カードはソニック・ウォリアーだな
攻撃力1000、守備力0の風属性の戦士族モンスターだ
こいつが墓地へ送られた場合、自分の場のLV2以下のモンスター全ての攻撃力を500上昇させる
まぁ、LV2以下の攻撃力を上げても高が知れてるのだが、ジャンク・ウォリアー辺りと組み合わせると強いな
今回そんなカードは当然入っていないんだがな
かなり変態的な使い方をしたが、これはこれで結構楽しかったぞ」



Q.俺の方のデッキコンセプトは?
A.見ての通り、ソニック・ウォリアーで攻撃力を上げて殴るだけです。
 それ以上でも以下でもない、それだけがメインのデッキです。

Q.オレの方のデッキは?
A.攻撃力を上げてダッシュ・ウォリアーでぶん殴るデッキ、それだけ。
 こっちのデッキは練り込みが足りな過ぎた、もう少しデッキ構成を考えるべきだった。
 こっちのデッキ公開したくないなぁ……いやしますけどね?

Q.最初の共闘するランドスターの剣士が出た時、出せるLV7のSモンスターってなんだったの?
A.攻撃力2400のライトニング・ウォリアー、不退の荒武者
 攻撃力2300のセブン・ソード・ウォリアー
 攻撃力2200のX-セイバー ウルベルム
 手札に装備魔法が有ればセブン・ソード・ウォリアーの効果も使えたのですが……

Q.今更だけど、どっちもSX召喚してるね?
A.旧作とは同一人物のようで別人です。
 なので好きではないですが、SX召喚も普通にします。

Q.俺の方はもっとX召喚すれば簡単に勝てたんじゃね?
A.デッキコンセプトから外れるのであまりしたくありませんでした。
 メインはLV2のモンスターで、XモンスターはLV2のモンスターではどうしようも無い場合以外はできるだけ使いませんでした。
 ガチガチガンテツ? 白魔導士ピケルの攻撃力が低いと俺の方が判断したので苦肉の策です。

Q.相変わらずの口上の酷さ!
A.格好良い厨二チックな口上なんてもうできません。
 そもそもその辺りのセンスが無い、絶望したいぐらいに無い。

Q.貪欲な壺多くね?
A.どちらも一部のモンスターを主軸にしているデッキです。
 なのでそのモンスター自身もサポートも含めてモンスターが必要になります。
 特に俺の方のデッキはソニック・ウォリアーが生命線なので超重要カードになります。

Q.最強の盾を使うんだったらグラヴィティ・ウォリアーよりもマイティ・ウォリアーの方が良くね?
A.確かにその方が攻撃力は高くなります。
 しかしオレの方は俺がグラヴィティ・ウォリアーの攻撃力を上回す可能性は高くないと予想していました、この時点で手札が0枚ですからね。
 なので壁モンスターを出す可能性が高いと予想し、攻撃力の高いマイティ・ウォリアーよりも守備表示の牽制としてグラヴィティ・ウォリアーを選択しました。

Q.魔法除去細菌兵器とか、普通誰も使わないだろ……
A.思ったよりも融通が利くカードだと思います。
 自分で能動的に必要なモンスターを残し、それ以外を墓地に送りたい時とか、結構使えると思うんですけどね……
 あ、魔法カードを墓地に送る効果はオマケですね。

Q.EMソード・フィッシュどこから出てきた?
A.ワンダー・バルーンを投入した時、相手の攻撃力を下げるカードを選びました。
 オレの方は強化だと予想していたから、その逆にした感じです。
 強者の苦痛とかはって? オレの方もソニック・ウォリアーなのでLVが低いのでEMソード・フィッシュやワンダー・バルーンを採用しました。

Q.最後、神騎セイントレアじゃなくて幻影騎士団カースド・ジャベリンの方が与えるダメージが大きいと思うんだけど?
A.既に名前が出ていたので別のモンスターを出しただけです、他に理由はありません。
 最後は既に勝負が決まっていたのでお遊びという感じになりますね。

Q.結局さ、この後俺の方はどうなったの?
A,パラレル時空なので不明です。
 このリハビリ回はタイトルの通りに本編無関係なので繋がりはありません。
 強いて言うなら、この俺の方は1年目終了後に来た……かもしれない程度ですね。

Q.何故このデッキ対決にしたの?
A.スピード・ウォリアーとダッシュ・ウォリアーとソニック・ウォリアーが戦う所を見たかったから。
 正確にはソニック・ウォリアーの効果を何度も使いたかった。
 対するデッキで悩んで、ウォリアー繋がりでダッシュ・ウォリアーをメインにしたデッキにした。
 スピード・ウォリアーも考えたけど、LV2で同じになるのでダッシュ・ウォリアーにした。


Twitter、デッキ公開は12日予定です。
https://twitter.com/KuriaAin

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