まとめられたお金の歌③　オール・ユー・ニード・イズ・マネー

: 世界一のロングセラーとなったアルバムで“お金”をテーマに　ピンク・フロイド「マネー」; 日本経済の将来を予測？　高級シャンペンの普及に一役買った？　浜田省吾「MONEY」; 2019/11/16　マイあさ！「サエキけんぞうの素晴らしき20世紀ポップ」　ミュージシャン・作詞家　サエキけんぞうさん

音楽

エンタメ

2019/11/16

記事を読む

「サエキけんぞうの素晴らしき20世紀ポップ」の「お金にまつわる歌」特集の第３回では、「マネー」がタイトルの２曲がピックアップ。お金への皮肉や直接的な愛憎が歌われています。

ピンク・フロイド「マネー」(1973年)

サエキさん：	イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、ピンク・フロイドの代表的な楽曲で、作詞・作曲はロジャー・ウォーターズ。歌詞は、「いい仕事に就いて高い給料を取れば何の心配もない。金は燃料みたいなもんだから、現ナマを両手でしっかりつかんでおけ。新車とかキャビアとか、夢みたいな極上の生活ができるんだ。金があれば、フットボールのチームでも買おうと思えば買えちゃうぜ」という内容なんですけれども、ピンク・フロイドはこのアルバム『狂気』で売り上げ5000万枚以上を記録して、世界で最も売れたアルバムの１つとなってしまいました。まさに極上の生活、そしてフットボールのチームでも買えちゃうような状態に突入したわけですね。この曲、おもしろいレジスターの音などをループして始まるんですけども、このループという手法はビートルズのジョン・レノンが『リボルバー』の「トゥモロー・ネバー・ノウズ」という曲で初めて導入した手法です。というわけでそんなことも手伝いまして、この曲はジョン・レノンが歌ったらさぞやぴったりじゃないかなと思うんですけども、そうしたら、この皮肉な調子ももっとすごいことになったかもしれませんね。

サエキさん：

イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、ピンク・フロイドの代表的な楽曲で、作詞・作曲はロジャー・ウォーターズ。
歌詞は、「いい仕事に就いて高い給料を取れば何の心配もない。金は燃料みたいなもんだから、現ナマを両手でしっかりつかんでおけ。新車とかキャビアとか、夢みたいな極上の生活ができるんだ。金があれば、フットボールのチームでも買おうと思えば買えちゃうぜ」という内容なんですけれども、ピンク・フロイドはこのアルバム『狂気』で売り上げ5000万枚以上を記録して、世界で最も売れたアルバムの１つとなってしまいました。まさに極上の生活、そしてフットボールのチームでも買えちゃうような状態に突入したわけですね。
この曲、おもしろいレジスターの音などをループして始まるんですけども、このループという手法はビートルズのジョン・レノンが『リボルバー』の「トゥモロー・ネバー・ノウズ」という曲で初めて導入した手法です。というわけでそんなことも手伝いまして、この曲はジョン・レノンが歌ったらさぞやぴったりじゃないかなと思うんですけども、そうしたら、この皮肉な調子ももっとすごいことになったかもしれませんね。

浜田省吾「MONEY」(1984年)

サエキさん：	作詞・作曲、浜田省吾。内容は、「足元にビッグマネーをたたきつけてやる」という、お金についての強い思いがテーマになっております。２番は、「彼女は夢見ている、華やかなムービースター。湖のほとりに車を止めて俺たちは楽しむ。彼女はこうあえぎ続ける。『愛してる、もっともっと』と。だけど、ゆうべどこかの金持ちと町を出ていった」と。お金をもっと持っている人のところに行ってしまった、という悔しさを歌っている。それで、「俺は何も信じない、誰も許さない。いつかこの手でつかむ、ビッグマネー」と歌っているわけなんですね。また、詞の最後の方には、高級品の代名詞として「純白のメルセデス」、そしてシャンペンの「ドン・ペリニヨン」が登場いたしますが、この曲の発表当時「ドン・ペリニヨン」というものが一般的に知られておらず、この楽曲によって「ドンペリ＝高級の酒」というイメージが広まったともいわれています。日本の音楽シーンにおいて、お金をこのように直接的にテーマとした曲は少なくて、お金というものがネガティブに捉えられがちだったんですけど、この1984年という年は、80年代後半に日本がバブル経済に向かっていく直前だったわけですね。ひょっとしたら浜田省吾はその空気を予見して作ったのかもしれません。

サエキさん：

作詞・作曲、浜田省吾。内容は、「足元にビッグマネーをたたきつけてやる」という、お金についての強い思いがテーマになっております。
２番は、「彼女は夢見ている、華やかなムービースター。湖のほとりに車を止めて俺たちは楽しむ。彼女はこうあえぎ続ける。『愛してる、もっともっと』と。だけど、ゆうべどこかの金持ちと町を出ていった」と。お金をもっと持っている人のところに行ってしまった、という悔しさを歌っている。それで、「俺は何も信じない、誰も許さない。いつかこの手でつかむ、ビッグマネー」と歌っているわけなんですね。
また、詞の最後の方には、高級品の代名詞として「純白のメルセデス」、そしてシャンペンの「ドン・ペリニヨン」が登場いたしますが、この曲の発表当時「ドン・ペリニヨン」というものが一般的に知られておらず、この楽曲によって「ドンペリ＝高級の酒」というイメージが広まったともいわれています。
日本の音楽シーンにおいて、お金をこのように直接的にテーマとした曲は少なくて、お金というものがネガティブに捉えられがちだったんですけど、この1984年という年は、80年代後半に日本がバブル経済に向かっていく直前だったわけですね。ひょっとしたら浜田省吾はその空気を予見して作ったのかもしれません。

「聴き逃しサービス」でもう一度番組をお聴きいただけます。

番組
マイあさ！・三宅民夫のマイあさ！

番組情報

番組名	マイあさ！・三宅民夫のマイあさ！
放送日時	[R1] 毎週月曜～日曜午前5時00分～
キャスター	三宅民夫、田中孝宜、久保田明菜、大久保彰絵、吉松欣史、宮崎大地、渡辺ひとみ
記者	大越健介
気象予報士	伊藤みゆき
番組HP	https://nhk.jp/my-asa

まとめられたお金の歌③　オール・ユー・ニード・イズ・マネー

ピンク・フロイド「マネー」(1973年)

浜田省吾「MONEY」(1984年)

「聴き逃しサービス」でもう一度番組をお聴きいただけます。

番組情報

Related Articles関連

「否定はしないでほしいんです」山下泰裕JOC会長の言葉が心に刺さる

『ロレンスになれなかった男　空手でアラブを制した岡本秀樹の生涯』小倉孝保著

夏に涼風あり　②

Latest新着

まとめられたお金の歌③ オール・ユー・ニード・イズ・マネー

ピンク・フロイド「マネー」(1973年)

浜田省吾「MONEY」(1984年)

「聴き逃しサービス」でもう一度番組をお聴きいただけます。

番組情報

Related Articles関連

「否定はしないでほしいんです」山下泰裕JOC会長の言葉が心に刺さる

『ロレンスになれなかった男 空手でアラブを制した岡本秀樹の生涯』小倉孝保著

夏に涼風あり ②

Latest新着

まとめられたお金の歌③　オール・ユー・ニード・イズ・マネー

『ロレンスになれなかった男　空手でアラブを制した岡本秀樹の生涯』小倉孝保著

夏に涼風あり　②