精選版 日本国語大辞典「出前」の解説
で‐まえ ‥まへ【出前】
〘名〙
① 遊女が契約期限を終えて遊里を出る前。年明きの前。
※浮世草子・好色二代男(1684)五「出前(マヘ)の女良は淋しくなる物ぞかし」
② 禿(かぶろ)が一人前の遊女として店に出る前。
※浮世草子・西鶴置土産(1693)一「頓て出前(デマヘ)の禿、我身を人の物にして」
③ (━する) 調理した料理を、店で食べさせるのではなく注文先に届けること。また、その料理。仕出し。
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初「出前(デメヘ)でも沢山(たんと)焼そふだ」
④ 「でまえもち(出前持)」の略。
※神の道化師(1955)〈椎名麟三〉四「『あんた、出前(デマエ)出来るか』『ええ』と準次はひるみながらも云った」
だし‐まえ ‥まへ【出前】
〘名〙 その人が負担しなくてはならない費用。
※浮世草子・世間胸算用(1692)一「観音講の出し前(マヘ)も、揚屋の銀も乞にくるほどの者に」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報