日本関連

英国防省、日本と世界最高水準の戦闘機用センサーを共同研究すると発表

英国防省は15日、日本と世界最高水準の戦闘機用センサーを共同研究するため基本合意書(LOA)に署名したと発表した。

参考:UK and Japan to work together on world-leading fighter jet sensor

レオナルドの英国法人(レオナルドUK)と日本企業で戦闘機用センサーを共同研究するという意味で中々興味深い事例

この共同研究プロジェクトは今年4月にレオナルドUKの拠点があるスコットランドで開始される予定で、英国防省は日本と共同研究する戦闘機用センサーについて「JAGUARと呼ばれるユニバーサルRFセンサー技術を使用するため将来の脅威をより良く検出して素早く正確に特定することができ、敵が使用する監視技術を否定する」と説明し、JAGUARシステムの研究はレオナルドUKのエディンバラ工場に40人分の雇用(英国全体で75人分の雇用)をもたらすと主張している。

補足:ユニバーサルRFセンサー技術を使用するセンサーは従来システムと比較して1万倍以上のデータを収集することができ、この膨大なデータ量を機体搭載のシステムで処理することで前例のない戦場認識力を実現するとレオナルドUKは説明している。

JAGUARシステムの設計・製造・評価にはレオナルドUKと日本産業界の意見が反映され全ての研究工程に5年程度かかり、英国と日本はそれぞれ2台づつ実証機を自国で製造して各知識を共有するらしい。

出典:Copyright Eurofighter

因みに共同研究を行う英国側の代表が「何故BAEではなくイタリア企業のレオナルドなのか?」と思うかもしれないが、タイフーン向けレーダーは全てレオナルドが開発した技術で構成されており、エンペスト向けレーダーのテストヘッドと見られている英空軍のタイフーン向け「Captor-E/MK.2」開発もTeam Tempestのコアメンバーに名を連ねているレオナルドが受注、当然エンペスト向けのレーダー開発もレオナルドが担当している。

つまりレオナルドの英国法人(レオナルドUK)と日本企業で戦闘機用センサーを共同研究するという意味で中々興味深い事例と言えるだろう。

関連記事:各国が別々に進めるタイフーン用レーダー開発、最終的な勝者はイタリアか

 

※アイキャッチ画像の出典:BAE Systems

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コメント

    • 思い付きだけど
    • 2022年 2月 15日

    日本企業ってどこになるのかな?無難なところで三菱電機とか。
    こういう企業って、基本的に殆ど事前に決まってるからね。

    4
      • 匿名希望
      • 2022年 2月 15日

      いろんな所から人を出すために合併企業作ったりして

      4
        • バーナーキング
        • 2022年 2月 16日

        「日本産業界」って言ってますしね。
        リンク先読んでも日本には「レオナルド(のパートナー?)にふさわしい強力な航空産業界」がある、みたいな口ぶりだし、
        合弁会社を作るかどうかどこが旗振るかは別として、少なくとも次期戦闘機計画に参加する三菱電機・東芝・富士通・NEC辺りは間違いなく参加するかと。

        1
      • 白髪鬼
      • 2022年 2月 16日

      キヤノンのSPADセンサー技術あたりかしら

      1
    • 原点にして頂点
    • 2022年 2月 15日

    Japan and Great Britain Universal Advanced RF system の頭文字をとって、JAGUARという名前になるそうですね。

    JAGURには、日本が研究していたエレメントレベルDBFも導入されるでしょう。

    従来のレーダシステムは、一本の細いビームを一定の間隔で異なる方向に振り向けることにより、順次探索を進めていくものです。

    これに対し、本共同研究は、多数の受信ビームを同時に形成することで広範囲を瞬時に探索することを可能とするものです。

    このような航空機搭載用レーダシステム技術は他国でも実用例がありません。

    この技術を確立することにより、将来的に戦闘機の索敵能力を大幅に向上させることが期待されます。

    32
      • ちゃわんビートル
      • 2022年 2月 15日

      グレートブリテンよりジャパンが前に来るって、まさか日本側が主導するのか?

      …それともジャガーっていうカッチョいい名前にしたかっただけか

      アジアにもヨーロッパにもいない動物だけど、タイガーだってドイツにいないしまあいいか

      6
        • 原点にして頂点
        • 2022年 2月 16日

        レーダーなども日本の得意分野ですから、日本が主導する可能性は十分にあると思いますよ。

        日本の技術力の一例をあげると、日本が開発して飛行実証も行った「先進統合センサ・システム」の出力は、F-35に搭載されているAN/APG-81と比べて、同一面積当たりで最低でも10倍以上の出力だと推定されています。

        12
        • くらうん
        • 2022年 2月 16日

        日本主導かはわからないけど、名前の理由は後者じゃない?
        アメリカもカッコイイ略語のために作ったような正式名にしたりするよね(ARRWとかFLRAAとFATE計画とか)

        9
      • 知らんかった
      • 2022年 2月 16日

      こんな新技術が進められていたとは知らなかった。

      技術的には優れている部分があるものの開発は手堅過ぎる日本と、新技術のアイデアにおいて色々と独創的な英国。これは結構良い組み合わせなのかもしれない

      2
        • バーナーキング
        • 2022年 2月 16日

        実現可能性の検討は4年も前からやってたりする。

        >防衛省と英国国防省との間の次世代RFセンサシステムの実現可能性に係る共同研究に関する取決めの締結について
        リンク
        なんとか実現可能性の目処が立った、って事かね。

        2
    • そら
    • 2022年 2月 15日

    おおー、日英共同研究の具体的な話が出てきたねぇ。
    センサー等のアビオニクスは戦闘機の核だもんね。
    良い物が出来ることを願う。

    14
    • NHG
    • 2022年 2月 15日

    日本はteam tempestに入ってないけど見返りはあるのかな
    そこだけはすごく気になる

    3
      • 匿名
      • 2022年 2月 16日

      部品供給でも良いので、沸くが欲しいですね。

      3
        • 国内防衛産業
        • 2022年 2月 16日

        2019年に英国とイタリアは「国内産業に依存する意向を表明した」と言うような趣旨の文書に署名してますし、チームテンペストには日本が担当した部品や技術のみが、サプライチェーンに供給されるのではないでしょうか。

        >あくまでスウェーデンとイタリアはテンペストの開発に国際的なパートナーとして参加するだけで英国と共同でテンペストを導入する予定はなく

        過去記事にもこうありますし、そもそもテンペストを導入する国が今後増えるかどうか不明で、現時点ではサプライチェーンとしての規模も小さく、部品供給という点では、あまり恩恵はなさそうです。
        日本だけの供給より全然良いとは思ってますが。

        3
      • ウーン
      • 2022年 2月 16日

      このような事業を、共同で進められること自体が、日本にとっての見返りと言えるのではないでしょうか。
      英国にとっての見返りは、日本の資金と技術を、自国のそれらと合計して開発できることによるリスク低減、及び資金の確保でしょう。

      英国(レオナルド)の技術と日本の技術を融合したレーダーを、互いに資金を拠出して開発する。
      よって見返りを求めるような関係ではないと考えています。

      3
      • F774
      • 2022年 2月 16日

      実質共同開発になりそうな感じ
      パーツも共用するのが出てくるんじゃないの?
      そうなれば、少しは見返りが出てくると思う、イギリスなら輸出もやるだろうし

      2
      • G
      • 2022年 2月 16日

      ジェットエンジン実証機を日本からは三菱重工とIHI、イギリスからはロールスロイスとBAEシステムズで共同開発することが決まったように、こちらもセンサー実証機の共同研究・開発(ジェットエンジン実証機と別々か同機にするかは不明)なので日本単独でもイギリス単独でも資金的・技術的に足りないところをお互い補えるということ自体が日本にとって十分なメリット(見返り)かと

      5
    • ちゃわんビートル
    • 2022年 2月 15日

    2台ずつの実証機ってのが気になるなぁ
    何に乗っけてテストするんだろ

    F-2か、P-1か、ひょっとしてX-2がもうひと働きってこともある?

    5
      • 西風
      • 2022年 2月 16日

      C-2がカモノハシになったりしてな

      8
      • バーナーキング
      • 2022年 2月 16日

      まずは地上試験の後C-1FTB、じゃないのかね。
      その後は試作の統合火器管制や通信システムみたいにT-4とF-2で連携試験して欲しいとこだけど、原理聞く限りくっそ電力喰いそうだよなぁ…

      1
    • もり
    • 2022年 2月 16日

    これでタイフーンは実質日欧の先端技術を一部とは言え搭載した戦闘機となるのか
    テンペストとF-3の実力の片鱗がタイフーンによって垣間見える事になるな

    5
      • F774
      • 2022年 2月 16日

      タイフーンに載るのとは別物
      これから開発だもの

      1
        • もり
        • 2022年 2月 16日

        タイフーンはテンペスト向けに開発された技術や装備を一部搭載する予定なんよ
        今のタイフーンや数年後に作戦能力得るキャプターEMark2じゃないぞ

        3
          • 匿名
          • 2022年 2月 16日

          それは2機の実証機でしょ

    • ブルーピーコック
    • 2022年 2月 16日

    エンジンにレーダーときたら、次はミサイルかな

    1
      • 感謝します
      • 2022年 2月 16日

      完全な新規開発ではないけど、ミーティアの改良版であるJNAAMのシーカーを日英で共同研究してますよ。

      2
        • 匿名
        • 2022年 2月 16日

        ミーティアのシーカー担当はMBDA Italyだっけ。
        英国担当でないとなると、試作段階は兎も角、JNAAMが量産に移行する場合権利調整で面倒な事になるのかな?
        今回のレーダーの協力関係が、JNAAMにも良い影響を及ぼして欲しいものです。

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