正直、まともに買える値段のボトルが少なくなってきて、やりきれない怒りがこみ上げてきて、思わず近所のお店に出荷されていた山崎12年を買ってしまいました。
とはいうものの、まともにテイスティングしたのが2014年だったので、色々とウイスキーを飲んだ上でどういう感想になるのかを見ていきたいと思います。
「山崎」は、1984年にサントリーとして最初のモルトウイスキーとして発売されました。
その名の通り、大阪と京都の境にある山崎蒸溜所で蒸溜、12年以上熟成されたモルト原酒のみを使っているのが特徴です。
山崎蒸溜所は日本で最初の本格的なウイスキーの蒸溜所として1923年に建設されました。
つまり来年で100年の歳月を迎えることになります。
場所の選定においては、スコットランドでウイスキー製造を勉強したあと、サントリーに招聘された竹鶴政孝が行いました。
当時の壽屋の本社があった大阪から程近くにあり、淀川として合流する場所で比較的多湿で冷涼であったことと、安土桃山時代から茶の水として千利休も愛用していたと言われる清らかな湧水があったことを理由にしたようです。
山崎蒸溜所を語る上で欠かせないのは、日本原産であるミズナラを使った樽です。
元々は樽の材料である欧米のオーク材が戦時中で輸入できなかったために、代替品として採用したことが始まりです。
しかしミズナラは液漏れしやすく、木の香りが強すぎると言うことで、しばらくの間は原酒樽としては使われませんでした。
ところが熟成を終えてリチャーを行って再利用していくうちに、白檀や伽羅と言った香木の香りを得るようになったことで、今迄に無い香りを持つウイスキーを生み出すようになりました。
日本のウイスキーが海外で認知されていくようになるのに併せ、ミズナラ樽も海外で評価されるようになり、後熟用としても使われるようになりました。
山崎12年でも、このミズナラ樽の原酒を使っていて、さらにはシェリー樽原酒を加えることで香りと味わいに幅を持たせています。
なお発売当初は年数表記が無く、ラベルも「ピュアモルトウイスキー」と表記され、グレーンウイスキーなどをブレンドしていないことを強くアピールしていたと思われます。
当時はまだ酒税法の等級制度が残っていて、割高の税金が加わり、760mLで1万円ほどの値段で売られました。
当初は「なにも足さない。なにも引かない。」というキャッチコピーで、モルト原酒だけという純粋さをPRしていました。
そして山崎12年は海外でもコンテストで受賞をしており、2003年にISC(International Spirits Challenge) で金賞を受賞したことを始め、幾度と金賞を獲得しています。
それにより、イギリスなど海外でも山崎の名前は知られるようになり、2010年代後半になってから品薄になっていきました。
現在では700mLで8,500円が小売価格になっていますが、品薄が進んでしまい、通販では2万円を超えるプレミアがついて販売されています(しかも購入本数限定)。
液色は少々薄めの琥珀色です。
味わいは、辛みが少々強めで、その後は酸味が強く感じられます。
味わいは、軽い苦みがあるものの、全体的には酸味が支配している印象です。
味わいは、ほろ苦さが先行し、奥から酸味と甘味が続きます。
スコッチウイスキーではこういった香りはあまり感じられず、山崎がもつ個性になっています。
味わいについても、甘味が少なくて、マイルドで飲みやすいとは言えませんが、ある程度ウイスキーを飲んできた人にとってはそこそこの癖として楽しめるかと思います。
その中でもハイボールにすることで甘味が前に来るので、初心者にはこの方がいいと思います。
簡単に買えるようなボトルで無いことは確かですので、本格的なバーで試されるといいでしょう。
とはいうものの、まともにテイスティングしたのが2014年だったので、色々とウイスキーを飲んだ上でどういう感想になるのかを見ていきたいと思います。
サントリー初のモルトウイスキー
その名の通り、大阪と京都の境にある山崎蒸溜所で蒸溜、12年以上熟成されたモルト原酒のみを使っているのが特徴です。
山崎蒸溜所は日本で最初の本格的なウイスキーの蒸溜所として1923年に建設されました。
つまり来年で100年の歳月を迎えることになります。
場所の選定においては、スコットランドでウイスキー製造を勉強したあと、サントリーに招聘された竹鶴政孝が行いました。
当時の壽屋の本社があった大阪から程近くにあり、淀川として合流する場所で比較的多湿で冷涼であったことと、安土桃山時代から茶の水として千利休も愛用していたと言われる清らかな湧水があったことを理由にしたようです。
山崎蒸溜所を語る上で欠かせないのは、日本原産であるミズナラを使った樽です。
元々は樽の材料である欧米のオーク材が戦時中で輸入できなかったために、代替品として採用したことが始まりです。
しかしミズナラは液漏れしやすく、木の香りが強すぎると言うことで、しばらくの間は原酒樽としては使われませんでした。
ところが熟成を終えてリチャーを行って再利用していくうちに、白檀や伽羅と言った香木の香りを得るようになったことで、今迄に無い香りを持つウイスキーを生み出すようになりました。
日本のウイスキーが海外で認知されていくようになるのに併せ、ミズナラ樽も海外で評価されるようになり、後熟用としても使われるようになりました。
山崎12年でも、このミズナラ樽の原酒を使っていて、さらにはシェリー樽原酒を加えることで香りと味わいに幅を持たせています。
なお発売当初は年数表記が無く、ラベルも「ピュアモルトウイスキー」と表記され、グレーンウイスキーなどをブレンドしていないことを強くアピールしていたと思われます。
当時はまだ酒税法の等級制度が残っていて、割高の税金が加わり、760mLで1万円ほどの値段で売られました。
当初は「なにも足さない。なにも引かない。」というキャッチコピーで、モルト原酒だけという純粋さをPRしていました。
そして山崎12年は海外でもコンテストで受賞をしており、2003年にISC(International Spirits Challenge) で金賞を受賞したことを始め、幾度と金賞を獲得しています。
それにより、イギリスなど海外でも山崎の名前は知られるようになり、2010年代後半になってから品薄になっていきました。
現在では700mLで8,500円が小売価格になっていますが、品薄が進んでしまい、通販では2万円を超えるプレミアがついて販売されています(しかも購入本数限定)。
お香のような独特なフレーバー
グラスからの香り、液色
グラスからはラムレーズン、ミント、少々の煙たさが感じられます。液色は少々薄めの琥珀色です。
ストレート
ゴム、レモン、ミント、青リンゴ、ラムレーズンの香りが次々にやってきます。奥からはカカオ、樽香が続きます。味わいは、辛みが少々強めで、その後は酸味が強く感じられます。
ロック
ラムレーズン、青リンゴ、シナモンの香りが先に訪れ、続いてミントを思わせる爽やかさを伴うスモーキーさと、ライムの香りが続きます。奥の方からは線香っぽさも得られます。味わいは、軽い苦みがあるものの、全体的には酸味が支配している印象です。
ハイボール
シナモン、ラムレーズンの香りが先にやってきて、ミントの香りとスモーキーさが続きます。味わいは、ほろ苦さが先行し、奥から酸味と甘味が続きます。
まとめ
ノンエイジと比べると、ミズナラ樽からのお香を思わせる香りが強く、またミントのようなスモーキーさも強く感じられ、全体的に癖を強めた印象です。スコッチウイスキーではこういった香りはあまり感じられず、山崎がもつ個性になっています。
味わいについても、甘味が少なくて、マイルドで飲みやすいとは言えませんが、ある程度ウイスキーを飲んできた人にとってはそこそこの癖として楽しめるかと思います。
その中でもハイボールにすることで甘味が前に来るので、初心者にはこの方がいいと思います。
簡単に買えるようなボトルで無いことは確かですので、本格的なバーで試されるといいでしょう。
<個人的評価>
- 香り A: ミントを伴うスモーキーさ。レモン、ラムレーズン、青リンゴ。その後白檀、カカオ、ウッディさが続く。
- 味わい B: ストレートではアルコールの辛みが強め。全体的には苦みから酸味。
- 総評 A: 山崎モルトの特徴がしっかり伝わる逸品。