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激痛でも放置!?心筋梗塞の意外な落とし穴
健康

激痛でも放置!?心筋梗塞の意外な落とし穴

2021年1月6日(水)午後7時30分

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心臓の動脈が詰まり、すぐに治療しないと心臓の細胞が壊死(えし)してしまう心筋梗塞。適切な治療をしないと24時間でおよそ3割が亡くなると言われ、心臓の力が弱まる後遺症が残ることも多い病気です。発作時の主な症状は強烈な胸の痛み。それなのに、番組の調査では、なぜか発作を起こした人のおよそ半数がすぐには病院へ行かなかったことがわかりました。いったいなぜなのでしょうか?その原因となる心筋梗塞の意外なメカニズムと人間の不思議な“心のクセ”を紹介しました。

 

今回のお役立ち情報
01

迅速な治療が大切!心筋梗塞

心筋梗塞は動脈硬化などが原因で血液の塊(血栓)が心臓の血管に詰まってしまう病気です。一刻も早く血液の塊を取り除いて血流を再開させることが必要になりますが、その治療にはカテーテルという細い管を使います。手首などの血管から詰まっている部分までカテーテルを入れて、その先に装着されているステントという小さな金属の網で血管を広げて血流を再開させます。病院に行くまでに亡くなる人も多いのですが、この治療を受ければ95%とも言われる高確率で命が助かります。発作が起きたらとにかく早く病院で治療を受けることが大切です。

ステント

02

半数がすぐに病院へ行かない!?その不思議な理由とは

今回、番組では心筋梗塞の経験者110名に聞き取りやアンケートなどで調査を行いました。そこから浮かび上がったのは「およそ半分の人がすぐに病院へ行っていなかった」という事実!強烈な症状があるにもかかわらず、なぜ病院へ行かないのか?それには3つの理由があると考えられます。

すぐ病院へ行かない理由①「自分は大丈夫だろうと思った」
「胸に象が乗っている感じ」「やりで胸を刺されたよう」など胸に強烈な症状があるのに、経験者たちの中には「年のせい」「花粉症が悪化した」などと考える人も。実はこれ、人の心の不思議なクセが影響しています。明らかに異常なことが起きているのに「自分は大丈夫だろう、自分だけは助かるだろう」と考えてしまう、「正常性バイアス」と呼ばれる心理です。人は誰でも同様の反応をする可能性を持っていると考えられるのです。

すぐ病院へ行かない理由②「症状が治まったから」
心筋梗塞は強烈な胸の痛みなどの症状が出ますが、数分から30分ほどで、その症状が消えてしまう場合も多くあります。実は、血液の中には血栓を溶かす成分も入っており、その成分が血栓を溶かして血流が再開し、痛みなどの症状が消えることがあるのです。しかし、安心してはいけません。動脈硬化でできた血管の壁の“コブ”は残っているので、いつ再発するかわからない危険な状態。すぐに手当をしなくてはならないのです。

すぐ病院へ行かない理由③「まさか心臓の病気とは思わなかった」
心筋梗塞は胸の他に歯、あご、肩、腕などに痛みを感じることがあります。痛みを感じる信号は、脊髄を通って脳へ伝わります。実は心臓からの信号も、腕やあごからの信号も、同じ経路を通って伝わるため、脳が痛みを感じる場所を間違えることが原因だと言われています。痛みを感じる部分が腕やあごだった場合、自ら心筋梗塞を疑うことは難しいのです。

03

「命に危険を感じたら」すぐ病院へ!迷ったら電話相談!

確実に命を救い、後遺症が残らないようにするには、発症してから2時間以内に血流を再開させるまでの治療をすることが理想とされています。ですので、次のような症状を感じたらすぐに病院へ。

  • 今までに経験したことの無いほど強い胸の痛み。経験したことが無い種類の痛み、苦しさ。
  • 命の危険を感じる痛み。心筋梗塞の経験者の多くが発作時に「死ぬと思った」と語ります。それほど強く、異常で、命の危険を感じるような痛みです。

これらの症状が出たら救急車を呼び速やかに医療機関を受診するよう、専門家も勧めています。しかし、救急車を呼ぶべきか迷うことも多いはずです。そんな時に役立つ、総務省が実施している電話相談サービスがあります。看護師さんなどと直接話すことができ「救急車を呼ぶべき?すぐ病院に行くべき?」などと相談できます。
電話番号は#7119。
まだ一部の地域でしか利用できませんが、お住まいの地域が含まれているか確認しておくと、いざという時に役立つはずです。

※ご契約の電話回線、通信会社によってはつながらない場合もあります。
詳細はお住まいの自治体にご確認ください。

また、#7119以外の番号で、独自に同様の電話相談サービスを実施している地域もあります。こちらも是非ご確認を!

※ご契約の電話回線、通信会社によってはつながらない場合もあります。
詳細はお住まいの自治体にご確認ください。

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ズキン!つら~い頭痛!痛みを引き起こす意外な原因発見SP
健康

ズキン!つら~い頭痛!痛みを引き起こす意外な原因発見SP

2020年11月18日(水)午後7時30分
2020年11月25日(水)午後3時08分

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NHK+(プラス)番組配信中 NHKオンデマンドでご覧いただけます 番組内容を印刷する

脈打つようにズキズキと痛み、日常生活への影響も大きい「片頭痛」。国内患者数は1000万人以上いると推測されています。片頭痛は様々な原因で引き起こされると考えられていますが、近年、“ある原因”が注目されています。それは、太陽光や部屋の照明などが発する「まぶしい光」。 光が片頭痛を引き起こすメカニズムには“第3の目”という不思議な細胞が関与しているということもわかってきました。今回は、片頭痛を防ぎ、悪化を避けるための情報をご紹介します!

今回のお役立ち情報
01

ストレス・チョコに赤ワイン!? 片頭痛にはさまざまな原因が

頭痛には大きく分けて2種類のタイプがあります。1つは、「緊張型頭痛」。頭全体が締めつけられるように痛むのが特徴です。緊張型頭痛は、主に「肩こり」や「同じ姿勢が続く」など筋肉が緊張した状態で痛みが引き起こされると考えられています。もう1つが今回のテーマである「片頭痛」。こちらは主に頭の片側が脈打つようにズキズキと痛むのが特徴です。片頭痛は脳の血管が拡張し、血管を取り囲む神経が圧迫され、炎症物質が放出されることで痛みが引き起こされると考えられています。そして、脳の血管が拡張する原因にはさまざまなものがあります。

片頭痛を引き起こす可能性がある食品には赤ワイン、ソーセージ・ベーコンなどがあります。食品に含まれる物質によって血管が拡張し、頭痛を引き起こす場合があります(※少量の摂取では頭痛は起こりません)。ストレスや寝不足の場合、血管は一時的に収縮しますが、その反動で血管が急激に拡張した際に痛みが引き起こされると考えられています。

02

身近で気づきにくい片頭痛の原因・・・「まぶしい光」!

海外のある研究で、61%の片頭痛患者に共通する原因が指摘されました。それは、「まぶしい光」。「デパートの化粧品売り場の照明」や「映画館のスクリーンの光」、さらには「太陽光」によって頭痛が引き起こされる患者さんがいるのです。なぜ、まぶしい光によって片頭痛が誘発されるのか?それは“第3の目”と呼ばれる「内因性光感受性網膜神経節細胞」という細胞が深く関わっているということが近年の研究で明らかになってきました。この細胞は、ほとんどの脊椎動物に存在し、光を感知するセンサーのような働きをしています。普段は、太陽光を感じ取ると脳に信号を送り、全身に血液を行き渡らせるために脳を“活動モード”に切り替えてくれています。しかし、片頭痛患者は何らかの理由でこの“第3の目”や脳が光に対して過敏に反応してしまい、脳の血管が大きく拡張してしまってズキズキとした痛みが起こると考えられているのです。

03

「光」対策で頭痛をコントロール!

「まぶしい光」が原因で起こる片頭痛の対処法は、「光を避ける」!

光対策①

多くの頭痛専門医がオススメするのが「サングラス」の着用。サングラスを着用することで目に入る「太陽光」などの光を抑えることができます。他に、日傘やツバの広い帽子なども推奨されています。ただし、夜間運転する際に着用する場合は濃い色のサングラスは避け、視感透過率75%以上のレンズを使ったサングラスを着用してください。

光対策②
室内照明を白っぽい光(昼光色や昼白色)から、オレンジ系の光(電球色)に変更することで頭痛の頻度が減少したという調査もあります。

04

自分の頭痛の原因を知ろう!日本頭痛学会の「頭痛ダイアリー」

「頭痛ダイアリー」は、頭痛があった日にその程度や頭痛が起きた前後の行動などを記録することで、頭痛の原因を見つける手助けになりうるものです。医療機関で専門医に相談する際に役立ちます。日本頭痛学会にご協力いただき、こちらのホームページで「頭痛ダイアリー」を公開いたします。以下のリンクからダイアリーをダウンロードし、説明文をよく読んでからご活用ください!ただし、頭痛が起きる原因は自分だけで判断せず、必ず医師にご相談ください。

【「日本頭痛学会ホームページ」より引用】

頭痛攻略法の手始めは、あなたを悩ます頭痛をじっくり観察することです。そのためには頭痛を記録することが重要です。頭痛の起こった日時、どのような痛みか(脈打つようか、締めつけられるようか、など)、頭痛はどれくらい続いたか、吐きけや光・音・匂いなどが気になったか、薬を飲んだかどうか、などを記載していただくと、ご自分がどんなときに、どのような頭痛に悩まされるかがわかってきますし、治療を行う医師にもあなたの頭痛の情報がきちんと伝わります。

頭痛ダイアリーの記載方法を説明します。

  1. 1枚が4週間の記録となっており、月曜日からスタートします。頭痛が起こった日付を入れてください。
  2. 月経期間に線を引いてください。
  3. 一マスが1日で、午前・午後・夜に分けてあります。頭痛の起こった時間帯に合わせて、頭痛の程度を3段階(重度 +++・中等度++・軽度+)で記載し,下段に使用した薬剤名と効果(効いたかどうか)を記載してください。効いた場合は薬剤名の略称を○、やや効いたら△で囲んでください。
  4. 影響度のところへは日常生活にどれくらい影響があったかを3段階で記載してください。
  5. MEMO欄にはズキンズキンとした痛みかどうか、光や音に過敏になったか、吐きけがあったか、などを記載してください。頭痛を引き起こしたと考えられること、たとえばイベント、外出、天気、寝すぎ、など気がついたことを書いてください。

頭痛ダイアリー(PDFデータ)

※ダウンロードできる「頭痛ダイアリー」は複写式ではありませんが、医師の判断で必要に応じて病院がコピーをとることもあります。受診した医療機関でご相談ください。

※頭痛の専門医については「日本頭痛学会」ホームページを参考にしてください。 https://www.jhsnet.net/ichiran.html

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